産卵の養鶏場と散乱の鶏

Μタマゴの里・マドラ宅Μ
Μ初太視点Μ



「ここが初太の家なのね」
「正確にはマドラと俺の家だけどな」
「流石マッドハッター、玄関に帽子立てもあるのね」
「こうやって、掛けるのさ」

「ぼくは二階で着替えてくるから、初太はお茶(媚薬抜き)の用意をして」
「ああ、二人はテーブルに座ってくれ」

「ええ」
「よいしょと」

「沸かしたお湯に、ティーパック(媚薬抜き)を入れて」
「シンプルなお家ね、他に住んでる人は?」
「住んでるのは俺とマドラだけだ」
「ふーん、アタシ達と同じ二人暮らしか」
「よし、紅茶(媚薬抜き)の完成だ」
「ありがと、うん、たまには媚薬抜きもいいわね。こうして初太と話ができるし」

「なーなー、はつたとまどらのなれそめってどうだった」
「別に普通だよ」

「へー過激な出会いかと思ってたわ」
「チェシャ猫にこの里を案内されて、お茶会でマドラに隣の席を誘われ交わって夫婦になっただけだよ」
「ぶっ!」
「どうした満知子、お茶が気管に入ったのか?」
「げほっ、げほっ、いやいや!さりげなく淫らな行為をしてるじゃないの」
「そうか?この里では普通の馴れ初めだぞ。カウとベレからは「出会って直ぐに交わるなんて、ラブコメの王道よねー♪」と言われて、ああそうなんだと」
「それがラブコメなら、掲載誌は青年向けよ」



「お待たせしました」



「……」
「……」
「どうしましたか?二人揃って黙りで?」

「……おおーなんてびしょうじょなんだー♪しろのわんぴーすがせいじゅんさをひきたっているー。はじめましておじょうさん」
「……は、初めまして、私は満知子、隣にいる子は平也、今は小さいけど私の夫です」

「えっ、あの」
「よく見たらマドラさんに似ていますよね。妹さんですか?」

「おい、満知子」
「何よー初太、義理の妹さんがいるなら言いなさいよ〜」
「妹じゃなくて、本人だぞ」
「本人?」
「俺の妻であるマドラだよ。服は女物だけど」

「初太の帽子借りていいですか?」
「ああ」
「ホラ、私ですよ」



「ぬゎんだと!」「ハイ!?」



「二人共、俺と似たようなリアクションとるなよ」

「だって、さっきとはいめーじがぜんぜんちがう」
「そうよ、男装よりもこっちのほうが断然可愛いわよ。ああっもう、初太、ホント可愛い奥さん貰っちゃって〜」
「まちこもかわいいぞ」
「……と、当然よ!アタシはへーくんの妻なんだから」

「確かに俺も最初は驚いたけど、燕尾服とワンピース、どちらもマドラなんだよ」
「まぁ、初太ったら」

「むーぎゃっぷってやつか」
「まさに男装の麗人ね」

「取り敢えず、晩御飯を食べましょう。私が丹精込めて作りますから」
「マドラ、いつも通り手伝うよ」
「いえ、今日は私が作りますから、初太は二人とお話をしてください。久しぶりの再会なんですから」

「初太、あんたいつもマドラさんと一緒に料理作ってるの?」
「そうだ、夫婦なんだから、一緒に作って、一緒に食べるのは当然だろ?」
「確かにそうね、へーくんも見習って欲しいわ」
「当たり前のことだが、調理の合間に肩を寄せ合ったり、キスをしてる」
「結局は色事付きかよ」



「オムレツが出来ましたよー」

「話の途中だが、食事にしよう」
「そうね、いただきます」
「いっただっきまーす」

「ん?このオムレツ凄く美味しいよ」
「うめー、たまごがうーまーいーぞー」

「その卵はこの里にある養鶏場の卵なんです」

「知ってる、この里は卵が美味しいのよね。しかも発情効果といった過激な効能を含んだ卵を多いからマーチヘアの間では好評よ」
「ということはこのおむれつをたべたら、エッチなきぶんになれるのかぁ!?」

「いえ、ただのオムレツですよ」

「ぬゎん、だと」

( ̄ロ ̄;) ミ\ カラン

「へーくん、スプーンを落とさない」
「だってこのながれなら、からだがあつくなって、ふたくみそれぞれのべっとでエッチするエロありてんかいだろふつう」

「あいにく発情効果の卵は切らしていて、普通の卵しか無かったんです。明日養鶏場に行って効能付きの卵を貰ってきますので」

「だったら俺達も一緒にいいかな?養鶏場に行ったことないし。平也に満知子、明日大丈夫か?」
「明日は休みだから、大丈夫よ」
「さとをあんないしてくれーまどらちゃーん♪」

「勿論ですよ。やりましょう、私と初太、満知子さんと平也さん、四人でのダブルデート」
「ダブルデート、悪くない響きね」


ΜベッドルームΜ


「マドラさん、ベッド一つ分しかないよ」
「大丈夫ですよ、えいっ」

「あっ、床からキノコが生えてきて、毛布と布団が現れて、ベッドになったわ」
「タマゴのさとすげー」

「私の場合は、キノコの扱いは初歩的な扱いしか出来ません」
「これ
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