第八話

Β魔王城・臨時式場入口Β
Βビューティ視点Β



「ウォッカ、立てるか?」
「うん、何とか」クラッ
「ほら言わんこっちゃない」
「あっ、アタシの顔がオナニーの胸板に当たってる。筋肉の固さと、タキシードの生地のサラサラ感が絶妙にマッチしてて、すりすりすりすり〜」
「うぉーい、俺の胸に顔を埋めるな!すりすりするな!」
「ああっ、オナニーのツッコミが、耳元から鼓膜へと浸透してゆくぅ♪」
「いい加減離れろ!」
「オナニーの両手が、アタシを引き離そうと必死だわ。可哀想に、この両手はまだ完全に堕ちてないのねぇ♪」
「何言ってるんだよ、ウォッカが勝手な事をするからだろうがぁ!?」
「アンッ、オナニーから罵倒が、脳髄を刺激するぅ」

「あれが〜お姉様が望んでいた事なの〜?」
「うーん、あたしの想像を、上回る。キャサリン、蟹の鋏を使っていいから、二人を式場に連れてって」
「はい、御姉様」


Β式場内Β


「……来た」
「ビューティちゃーん」
「ふにゅ」

「ジンフ、それにボイン、ウール」

「……私が二人を呼んだの」
「凄いねーハーレム婚だよー」
「ふにゅ、綺麗な花嫁さん」

「三人共、来てくれて、ありがとう」

「……本当に久しぶりですね……こうして四人で会うのは」

「ボインとウールはー柴様のハーレムに入ってー」

「ふにゅ、沢山の花嫁達の衣食のサポートをして」

「ジンフは、スターシャンの病院に、勤めてる」

「……ビューティちゃんは……魔王様の理想を胸に……旅をしてるよね」

「ところで、ジンフは、ネレイス船長の船に、乗って来たの?」
「……魔王様の夫が倒れた噂を聞いて……ビューティちゃんが魔王城に帰って来ると思ったから……ネレ姉さんに無理言って乗せて貰ったの」



「アタシもリリム姉妹が一斉に揃うだろうと思っちゃったよねー?」
「全く、私と両親が魔王城を離れてる間にとんだデマが流れた物だ」



「その姿は、ネレイスとデュラハンか」
「ジンフの姉のネレセンよ。あんたが新郎?」
「同じく妹のデュインだ」

「え、姉妹?」
「種族が違う〜」
「違って当然だ。エキドナの娘は第一子以外は多種多様の種族が産まれる」
「そうなの?ウォッカちゃん」
「失言してごめんなさ〜い」

「いいよ、それで謝られたら、スターシャンにいる六人の姉と妹にも陳謝しないといけないよ?」
「他に六人もいるの!」
「九姉妹だ〜」
「スターシャン……」

「新郎よ、お前は見る限り相当な鍛練を積んでるようだな。どうだ、我が部隊に入らないか?」
「スカウトか……デュラハンらしいな」
「魔王軍は人員の交代が激しいから、少しでも多くの人材が欲しくてな。お前のような男なら、父上も大層喜ぶだろう」
「父上?」
「仲人席に座ってる男が私達の父親だ」
「ああ、エキドナの隣に座ってる男か」

「結構大柄ですね」
「二メートルはある〜」
「見た目はオールバック髪の筋肉質、相当な強者と見た」

「ふーん、今までの奴とは雰囲気が違うな……ひっ!」
「どうした?オナニー」
「ウォッカは気付かなかったのか?奴は俺を見ていたぞ。まるで捕食者のような目付きで」

「ほぅ、父上の無言の目線に気付くとは」
「ハァハァ……まさか魔王軍にあんな男がいたとは」
「良かったな。私と両親が魔王城に帰ってきたばかりで」
「魔王城攻略が簡単では無い事が改めて思い知らされたよ」

「新郎新婦の方は教壇へ」

「勇者様、仲人のルーナさんが呼んでるよ」
「行こう〜勇者さま〜」
「行くぞ、オナニー」
「うぉい、引っ張るな」


Β誓いの言葉Β


「ビューティが神父を勤めるのか?」

「図鑑変化、゙シー・ビショップ゙」

「ビューお姉様が」
「マーメイドになった」

「ラヴ、ピーシュ、あれはシー・ビショップ、海の神に仕えるマーメイドの一種よ」
「海の魔物夫妻の儀式を行う役割を持っているやんね」

「いつもならエミちゃんの役目だけど、ビューティの眷属だから、ビューティに任せるわ」
「海神官ビューティやんね」

「汝、ウォッカ、キャサリン、バブリーよ。夫に、愛を誓いますか?」



「はい、誓います」
「誓いま〜す」
「誓います」



「汝、O-721よ。三人の妻に、愛を誓いますか?」



「……誓います」



パチパチパチパチ……


Βケーキ入刀Β


「ケーキのご登場です」

「見てピーシュ、ケーキだよ」
「すごくおっきいよね、ラヴ」

「あんな、大きなケーキ、いつ用意したん?」
「ハートの女王が魔術で用意したみたいよ」
「まさか……変な仕掛けとかは、無いんよね?」
「一応、確かめてみたけど、魔力や仕掛けは一切無い普通のケーキだったわ……あっそうだ、ケーキと言えば」

「でかいケーキだな。ん?どうしたアンジ
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