不思議の国・女王の間
メシャス視点
｢あら、女王様がアイリスちゃんを解放しちゃったわ｣
｢びっくりして漏らしちゃったですぅ｣
｢あたし達はもう少し様子を見ましょう｣
｢はいですぅ先輩｣
※アイリス視点※
｢まだ帰らないじゃと？｣
｢はい、女王様｣
｢アイリス、何言ってるの？やっと元の世界に帰れるのよ｣
｢レーサちゃん。ごめん……｣
｢アイリスよ。まさか『水時刑』から解放されたことが不満か？｣
｢いいえ女王様。極刑から解放してくれてありがとうございます。あ、でも極刑は嫌じゃありませんでした。おにいちゃんとのエッチはとても気持ち良かったです。でも……｣
｢でも？｣
｢……私たちと一緒に『水時刑』を受けているチェシャ猫さんたちも解放してください｣
｢ああ、あの二人のことか。じゃがアイリスも知っておるじゃろう。あの二人が何をしたかを｣
｢はい、チェシャ猫さんたちは女王様のために、白いバラを赤く塗って、私とおにいちゃんはそのお手伝いをしました｣
｢余は庭園の白い薔薇を全て赤い薔薇に植えかえろと言ったのじゃ。赤く塗れとは言っておらん｣
｢でもそれは……｣
｢つまり、彼らは薔薇を全て植え替えるというルールを破り、嘘をついたことになる。じゃから……どうした？アイリスの兄、ニキス挙手をして。何か言いたいのか？｣
｢はい、女王様は全て植えかえろと共に二時間という期限を設けました。しかし、二時間以内に全て植え替えるのは無理だと思います｣
｢ほぅ、ニキス。余の条件にケチをつけるのか？｣
｢はい、それだけではなく女王様は、途中で一時間に変更しましたね？｣
｢そうじゃ、途中で気が変わったからのう｣
｢だったら、貴女は嘘をついたことになる｣
｢何じゃと？｣
｢事前に決めたルールを守らない事が嘘だというのなら、女王様も二時間というルールを守らなかった。よって女王様は嘘をついた｣
｢なっ……｣
｢嘘や隠し事が嫌いと言いながら、女王様も嘘をついてますよね？｣
｢うっ、そ、そんなの……そんなのはっ！｣
｢あらあら女王様とあろうお方が、失敗しちゃったねぇ｣
｢め、メシャス！丁度いいところに来た、この者が、この者が、余を嘘つき呼ばわりしたのじゃ、だからメシャス、この者たちを捕まえるのじゃ！｣
｢んー。女王様ぁ珍しく慌ててるわねぇ。そんなに図星だったの？嘘をついたこと｣
｢はぁ？ま、まさか、そんなわけあるか、二時間で植え替えろという命令を、嘘などと！｣
｢まぁ！女王様は二時間で植えかえろという嘘をついたの？嘘つきなんだねぇ｣
｢め、メシャス？い、一体何を、企んで？｣
｢イーケないんだぁイーケないんだぁ。魔王様に言ってやろう。イーケないんだぁイーケないんだぁ。魔王様に言ってやろう｣
｢うっううう……余は、余は嘘つきなどではない｣
｢あれあれ？泣いちゃうの？嘘つきでさらに泣き虫なんだね。もし許して欲しかったらアイリスちゃんのお願いに応えたら？｣
｢お、お願い？｣
｢極刑者の解放よ。まぁ女王様のことだから、いきなり解放しても面白くないし、アイリスちゃん達が出来るような条件を出してみたらどうかしら？｣
｢……ぐすっ、ちーん……ふん、よかろう。アイリスの願い通り庭師とチャルを解放しよう。じゃが条件がある｣
｢条件は何ですか？｣
｢『女王の庭園』にある白い薔薇全てお前たち兄妹の手で赤に染めよ。時間はいくら掛けても良い。手伝って貰ってもよい。じゃがペンキで薔薇を塗るな。薔薇が可哀想じゃ｣
｢ありがとうございます。女王様｣
｢……礼などいらぬ。余は部屋に戻る。あ、そうじゃ、ラヴとピーシュ｣
｢え、私？｣
｢は、はい｣
｢二人とも余の部屋に来い、アンジェラの話の続きじゃ。それが終わったらさっきのあれ、他にもあったら余に披露するのじゃ｣
｢は、はいっ｣
｢がんばります｣
※レーサ視点※
｢どうしてこうなった｣
結論から言えば女王の命令で私達は薔薇を赤く染める作業をする羽目になった。
｢しかも子供二人が女王様に連れていかれたし｣
｢まぁまぁ落ち着くやんね。争わないだけでも良かったやんね｣
｢クリア、あんたはあの娘達の妹で、女王はあんたの姉なんでしょ。何か一言ぐらい言いなさいよ｣
｢ニキスとメシャスが説得してくれたから、ウチが口を出す必要は無かったやんね｣
｢ニキスはまだしも、あの猫は単に女王をからかっただけじゃ……あれ？あの猫は何処に行ったの？ホント神出鬼没ね｣
｢今は薔薇の染色作業が先やんね。アイリスちゃん。庭園に案内してほしいやんね｣
｢はい。レーサちゃんも一緒に手伝って｣
｢……しょうがないわね。手伝ってあげる｣
処刑場への道
メシャス視点
｢先輩、女王様にあん
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