第一話

※魔王城地下※
※アイリス視点※


「うんしょ、うんしょ、うーん出てこないよ。おにいちゃん」
「アイリスもっと奥まで入れるんだ。そうしないと多分出ない」

「わかった。うんしょ、うんしょ、きついよおにいちゃん」
「頑張れアイリス、もっと奥まで入れる感じで」

「うんしょ、うんしょ、あっ透明なのが出てきた」
「その調子だアイリス」

「えいっえいっ、やったーいっぱい出たよ。おにいちゃん」
「初めてにしては上出来だ。こんなに沢山出るなんてビックリだよ」

「えへへ、じゃあ周りの汚れをとるね」
「アイリスは掃除も上手だな。将来が楽しみだ」

「おにいちゃんのそれ、大きい」
「僕もびっくりだよ。想像以上の大きさだ」
「アイリスちゃん。どうしたやんね」

「クリア先生、見てください、おにいちゃんのこれ、こんなに大きい」
「おお、これが二人の努力の結晶やんね?」
「妹のおかげです」

「えへへ、あっまだ汚れが残ってるからお掃除してあげる」
「アイリスは掃除が上手だな」
「あっ待つやんね。そんなに刺激を与えたらーー」

「え、あれ?色が赤黒くなって、急に膨れて……きゃっ」
「アイリス!」
「アイリスちゃん」

「けほっけほっ、口の中に入っちゃった」
「ごめんアイリス。僕がしっかりしていれば」
「心配ないんよ、少量なら害はないやんね」

「良かった」
「ごめんなさい。おにいちゃんとの愛の結晶が台無しになっちゃった」
「最初のうちは失敗するのが当たり前やんね。だからいい汗をかくくらい二人で頑張るやんね」

「はい、クリア先生。おにいちゃんのために頑張ります」
「あはは、僕の体力持つかな?」
「さあ、張り切って再開やんね」





「魔宝石の発掘を」


Сクリア視点С


「なあ、クリア」
「どうしたんデュイン隊長?」

「アイリス達の会話、何か卑猥じゃなかったか?」
「何言ってるやんね。アイリスちゃんはお兄ちゃんと協力して地面から魔宝石を沢山掘り出して、アイリスが一番大きな魔宝石の土汚れを掃除してたら魔力が注がれて破裂して、魔宝石の欠片が口に入っただけやんね」

「その通りだ。だがクリアの解説が無ければ勘違いする奴がーー」
「何々?」
「なんなの?」

「うわ、ラヴにピーシュ。脅かすな」
「何の話、デュイン姉ちゃん」
「まじょのおねえちゃんとなにしてたの?」

「何でもない、お前たちは作業を続けろ」
「はーい」
「まっておねえちゃん」

「魔王様の頼みとはいえ、リリム二人の世話は大変だ」
「娘二人をウチが率いる魔宝石採掘に参加させてほしいと頼まれたら頑張るしかないやんね♪」


※アイリス視点※


「私達も混ぜて」
「まぜて」
「うん、いいけど」
「君たちは?サバトでは見ない顔だけど」

「ラヴです」
「ピーシュです」
「アリスのアイリスです」
「兄のニキスです」

「ふたりそろってーー」
「ピーシュ!」

「ごめんおねえちゃん」
「皆には内緒って言ったよね?」
「どうしたの?ピーシュちゃん」
「今、何か言おうとしたよね?」

「何でもないよ、それより一緒に掘ろう」
「ほろう」
「まあいいか、アイリス四人でやろう」
「うん、おにいーー」

「アイリス?」
「……」

「アイリス?」
「……ウサギさん」

「ウサギ?」
「待ってウサギさーん」

「アイリス何処行くの?」
「ウサギさーん……」


「アイリス何処に行くんだろ?」
「さあ?」



※※※



「ウサギさーん」
「アイリスどうしたんだ」

「おにいちゃん、ウサギさん見なかった?」
「全然」

「おかしいな」
「帰ろうアイリス。皆心配してるよ」

「うん」
「あれ、ここどこだ?」

「さっきまで洞窟だったのに?」
「奇妙な場所だな」
「奇妙で悪かったわね」

「きゃ」
「うわ」
「アリスと旦那様ね」

「メシャスさん?」
「メシャス?懐かしい名前ね。でも違う。我はシャーシャ。この不思議の国を案内するチェシャ猫よ」



※魔王城地下※
※レーサ視点※



「クリア、サバトにも戻ってないよ」
「サバトにもいないん?」
「デュイ、戻ったぞ」
「パーズ、そっちはどうだった?」

「レーサに聞いてみたが心当たりは無い。今、ダクス達が城内でアイリスを探してる」
「ねえ、アイリスに何があったの?」

 結論からいえば私はデュイン隊長に状況の説明を求めた。

「レーサ、落ち着いて聞いてほしい。アイリスが魔宝石採掘中にいなくなった」
「はぁ?アイリスが行方不明?何か心当たりはないの?」

「あの、すみません」
「えっと」

 子供二人が会話に割り込んだ。

「誰あんた達?今は忙しいの、子供に構ってる暇は無いわ」
「私達アイリスが」
「どこかにいくのみたの」

「見た?何であんたらが知っモゴ
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