※不思議の国・競技場※
※リコ視点※
「すごい、四つん這いだらけだ」
わたしは選手達の四つん這いにびっくり。
「今日の競技は四つん這いレースだからな」
コーンも彼女たちと同じように堂々と四つん這いの姿勢をとっています。
「コーンもすごいよ、四つん這いで走ることに何の躊躇も無いなんて」
「優勝して、一歩でもコルヌに近づくためだ」
「そうだよね、コーンのお姉さんは競技場の大スターだからね」
わたしは実況席に視線を移します。
実況を務めるコルヌおねーさん、そして解説はこの国の主であるハートの女王様。
「女王様が直々にレースを見届けてくれるなんて」
「オレは嫌な予感しかしねー」
『レースが始まります。各選手は所定の位置につき、四つん這いの妻の背中に騎乗してください』
コルヌおねーさんの指示に、夫達が四つん這いの妻の背中に乗っていくので、わたしもコーンに跨ります。
『それでは、四つん這いレース』
『スタート』
※第一の試練※
「うおおおおお!」
コーンが手足を交互に前に出し、猛スピードでトップに躍り出ます。
『先頭を走るのは、リコちゃん&コーン夫妻だ』
「すごい、あっという間に差が開いちゃった」
「家で練習した甲斐があっただろ?」
「練習って言っても」
(いいぞ、その調子で腰を動かすんだ!)
(コーン、出ちゃうよ)
(その姿勢で中出ししろ)
大会告知から数週間、部屋の中で四つん這いプレイしていたことを思い出します。
『今大会の最年少でありながら、最前線で突っ走る!』
「う〜、目立ちすぎだよ」
わたし達は穴だらけの道へと足を踏み入れます。
『コーン&リコ夫妻が第一の試練に突入、その穴一つ一つがヨツンバウェイにある魔のカーブを再現していて、穴に飛び込めば触手の森へとワープするぞ』
『余の類まれなる魔術の才なら、仕掛けの大量複製など朝飯前じゃ』
「リコ、穴を避けながら走るから振り落とされるなよ!」
「うん!」
コーンが穴を迂回しようとしますが
「あれ?」
不思議な引力が働いて
「おっと!」
「どうしたのコーン、穴を避けるんじゃなかったの?」
「すまん、避けようと思ったんだけど、変な力が働いて」
それから穴に近づくたび、穴に引き寄せられそうになります。
「またかよ、さっきから穴に引きずられるような嫌な感覚は!」
「う〜ピクニックで、食べようとしたおにぎりが坂をころころ転がって、そのまま巨大な穴に落ちた時のことを思い出すよ」
進むに連れて穴の数は多くなり、引力が強くなる一方
これが、数々の魔物を触手の森へと誘ったヨツンバウェイの魔のカーブの力。
「がんばってコーン」
「負けてたまるかぁぁぁ!」
わたし達は穴の引力に打ち勝ち第一の試練を突破しました。
「はぁはぁ…どうだ参ったか」
コーンは息を切らしながらスピードを緩めます。
『トップに続く形で、選手が次々と魔のカーブへと足を踏み入れます』
「そうか、わたしだけじゃなかったんだ」
わたしは後ろを振り返り
「皆さん、気をつけてください」
二番手のチェシャ猫さんと旦那さんに向かって叫びます。
「その穴は危険です」
二人が走るコースの先には一つの穴、あのままだと――
「まるで引っ張られるかのように」
ぴょいーん♪
「穴へと落ちて、え?」
一瞬状況が理解できませんでした。
チェシャ猫の夫妻は目の前の穴へ飛び込んだからです。
必死に足掻いて落ちたのならまだわかりますが
彼らにはその素振りが全く無かったのです。
続いて他の夫婦も穴だらけの道へと入りますが
ぴょいーん♪
全員
ぴょいーん♪
何の躊躇いもなく
ぴょいーん♪
穴の中へと
ぴょいーん♪
落ちていきます。
ぴょいーん♪
ぴょいーん♪
ぴょいーん♪
ぴょいーん♪
ぴょいーん♪
まるで最初から飛び込むつもりだったかのように
ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪
次々と
『事故率最多死亡率は安定のゼロ%の魔のカーブ。参加者の半分が穴へと飛び込んだようだね』
『今頃は触手の森で淫らな戯れを愉しんでいるのじゃろう』
「はぁはぁ……思ったより体力を使った、っていうか
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