★エネミス帝国城門★
★ダイヤ視点★
「きらきらーきらきらー」
火鼠の少女は煌羅にハグ中。
「だ、大丈夫?」
「びっくりしたわ〜脱兎のごとく駆けてきたんやからな」
クロ魔女さんが煌羅を心配し、栗恵さんが開いた口が塞がらないでいた。
私は気を取り直して
「煌羅……やっぱり知り合いなのね?」
「はい、火鼠の廿火(ハツカ)です。」
煌羅の知り合いであることを再確認する。
「久しぶりアル〜きらきら〜懐かしい感触アル〜」
「やれやれ」
煌羅は廿火の頭を優しく撫でる。
「あらあら、知り合いだったのね」
「そうアル、シロービ、きらきらアル、きらきら」
シロービと呼ばれた白の柔道着を着用したバイコーンが廿火に言う。
「お前が『きらきら』か」
「驚きでごわす。まさかキキーモラだとは」
続いてリザードマンと河童が煌羅を観察する。
「煌羅と申します。そこにいるダイヤお嬢様に仕えておりますキキーモラです」
「へぇー可愛らしいバイコーンだね。おっと自己紹介が遅れたね、名はチャンプ。そこにいる白い柔道着を着たバイコーン・シロービの夫にして、武道家ハーレムの主だ」
彼女達の夫であるチャンプが私達に挨拶をする。
「あらあら、また新しいバイコーンのお出ましね」
「神がくれた新たな出会いに感謝します」
「ふーん、中々いいバイコーン達じゃない」
三頭のバイコーンが私達を歓迎する。
「ダイヤと言います」
「クロよ、皆からはクロ魔女と呼ばれているわ」
「ウチは栗恵や、夫の英斗と一緒に魔法物質ハーレムをやっとるで」
私達の紹介に三頭のバイコーンも答える。
「改めてシロービと言います、そこにいる武道家ハーレムの主です」
白の柔道着を着用した、バイコーンの本性といえる淫乱が一切見当たらない優しそうなバイコーン
「バイブルと申します。仕えているのは堕落ハーレムです」
修道服の聖女という見た目だが、黒の生地に白の斑模様が染められており、胸元が大きく開き白い肌を晒す背徳的なバイコーン
「ダイバよ。海産物ハーレムを率いているわ」
上半身サハギンが着用する鱗――というより黒のハイレグを着ている、常に相手を監視するような瞳を持つバイコーン
改めて見て三頭とも、私をはじめクロ魔女さんや栗恵さんとは似ても似つかない容姿をしている。
「同じバイコーンでも、一頭一頭個性がありますね」
と、煌羅は私が思ったことを代弁する。
「確かにそうね」
「まあ、集めたいハーレムへの拘りが反映されとるからやろうな」
と、クロ魔女さんと栗恵さんが話していると
「慈善活動終わりました、バイブル様」
「ただいまー」
「戻ってきたぞ」
ダークプリースト、ダークエンジェル、ダークヴァルキリーの堕落トリオが
「ダイバ様、水遊び楽しかったですわ」
「ソーダの池がクリームソーダに変わるくらいにな」
「当然よ、だってあたし達の愛は深海よりも深いの」
マーメイド、スキュラ、ネレイスの海産物トリオが
先程見かけた二組のハーレムがやって来た。両組とも恍惚な表情を浮かべた夫を連れて。
「またお会いしましたね?」
とダークプリーストが、私達に気づき
「さっきのバイコーンとキキーモラじゃない、池に落ちまいと奮闘してたでしょ?」
ネレイスの口から、私と煌羅の一部始終を見ていたことが語られる。
個性的なハーレムだと思っていたけど、まさかバイコーンのハーレムだったなんて……
「あの〜立ち話するのもなんですが、荷物検査を済ませてください」
「お嬢様、私達の番ですよ」
「そうね」
門番から荷物検査の要請が来たので、私達は手荷物を門番に見せる。
「おい、これは何だ?」
門番の一人が私の傘に目が止まった。
「傘です」
「傘だと?信じられないな、中身を確認するぞ」
門番が傘を解く
「ぐちゃぐちゃの形だな」
「昔見た和傘とはぜんぜん違う」
「それはですね、こうやって上げると」
バッ!
煌羅が傘を開く。
「おおっ、和傘っぽくなった」
「だが傘にしては変わった形だな」
「それは折りたたみ傘と言って、コンパクトに収納できる傘だそうです」
「傘にしては修復がされているな。骨の部分は魔界銀で補強されている」
「特に凶器らしき形跡は見当たらないな、よし合格だ、全員入城を許可する」
門番が傘を返してくれたので、腰に装着すると、奥からカラフルな色合いをした猫の魔物娘が現れる。
「ハイ、城の中へと案内します、N-5(ネコ)といいます」
どうやら彼女が城を案内してくれるようだ。
「やっと会えるのね、女帝ピスコ様に」
「英斗、レーム、フンカ、イマちゃん、コーハを連れとるか〜?」
「勿論さ」
「コーハ、荷物検査異常なシ」
「フンカ〜フンカ〜」
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