★断食砂漠★
★ダイヤ視点★
「栗恵さん、エネミス帝国まではあとどれくらいで到着するのでしょうか?」
「そやな、まず断食砂漠を通らなきゃアカン」
「砂漠ですか、水分の補給を考えたら夜まで待ったほうがいいですね」
煌羅と栗恵さんが打ち合わせをする中、私とクロ魔女さんは周囲の景色を見渡す。
「いつになったら砂漠に入るのかしら?」
「うーん、この辺りは山や洞窟、池が所々にあるから、まだ砂漠じゃないわね」
「それにしても変わった形の山ね。黄色くて頂上が茶色、風に煽られてグラグラ揺れているわ」
「洞窟もふわふわした見た目で、内部がチョコレートに見えるわ」
「あーなんとなく判る。あの山を見ているとおやつに出されたプリンを思い出すわ」
「ダイヤちゃんも同意見なのね。あの洞窟には親近感が沸くのよ。パン屋のチョココロネにそっくりで――」
「ふぅ……」
「コーハ、何、額の汗を拭っているのよ。またそうやってカッコつけてさ」
「いや、さっきから暑くてさ」
「あら、ようやく自分自身の暑苦しさに気づいたのかしら」
「違う、太陽がジリジリ照りつけるんだ、もしかしたら僕たちは既に砂漠地帯に入っていると思う」
「はぁ?何言って――」
ポツッ
ふと、頭に水滴の感触を感じた。
空を見上げると、さっきまで青かった空は黒い雲で覆われてゆき。
ザーッ
生温かい雨が降り始めた。
「きゃあっ」
「お嬢様!」
「何なのこの黒い雨は!」
「口に入っ、うえっ、にがっ」
「ご主人様を守りまス」
「フンカー!」
「今、ご主人様を雨から守ってまーす!」
雨はほんの数秒で降り止んだ。
「お嬢様、お体は!?」
「大丈夫よ、煌羅。通り雨だったわね……」
「お嬢様、顔が汚れていますよ」フキフキ
「それにしても、今の雨は何だったのかしら」
「コーヒーでス」
と、ゴーレムのレームが説明してくれた。
「コーヒーやて?ホンマかいな?」
「はいマスター、成分を解析したとこロ、コーヒーに似た成分を検出。ホットコーヒーのようでス」
「ホットコーヒーか、そや、フンカ、体は大丈夫か?」
栗恵さんがラーヴァゴーレムのフンカに声を掛ける。
「フンカ〜フンカ〜」
「何や、暖かくて元気が出たんかいな……ひやひやしたわ〜」
「今、コーヒーが服に染み込んでまーす!」
リビングドールのイマちゃんの白いゴスロリ服がコーヒー色に染まっている。
「コーヒーの染みが出来たら大変や、すぐ洗うからばんざーいし」
「今、ばんざいしまーす!」
栗恵さんがイマちゃんの服を脱がす。
「困ったな〜いくらアラクネはんお手製の服とはいえ、はよ洗わんとコーヒーの染みが出来るかもしれへん」
「心配ないわ」
クロ魔女さんが服に向かって呪文を唱えると、服から泡が吹き出した。
「キャンサーの泡で包み込んだわ」
「おおきに〜」
「煌羅さんも服を脱いで、洗ってあげるから」
「いえ、私は結構です」
煌羅は首を横に振る。
当然、クロ魔女さんは何で?と問う。
「この給仕服は私が生涯お嬢様にお仕えすると誓った証なのです。入浴及び就寝以外では脱がないと決めているのです」
煌羅は一拍置いて
「だからお嬢様を守れるのならば、コーヒー程度の染みは何ともありません」
「そうよ、煌羅は私の傍にいるときは四六時中この服なの」
「へぇ〜どんなに濡れてもメイド服着衣を徹底しているのね」
「ウチの場合は、研究中は近くにレポートは置かんよう気をつけとるのに」
「だけど煌羅も時々、私の目の前で給仕服を脱ぐ時があるわ」
「えっ、ひょっとしてダイヤちゃんを襲っちゃうの?」
「給仕と令嬢の禁断の愛かいな? ルール違反の百合プレイや」
「そうそう、日頃の鬱憤を晴らすかのように煌羅が給仕服を脱ぎ捨てるの、私がやめてやめて言うけどそれでも構わず服を私に押し付けて、最終的にはブラとズロース一丁のまま、ゆっくりと私に近づいて、今度は私の服を強引に脱がしながら、小ぶりな胸に吸い付き、私を快楽の海へと引きずり込み、肉体的にも堕落しかけたところを見計らい、しなやかな手でそっと私の秘所を弄って――って違うゎよ!」
「いえ、強ち間違いではありません」
「煌羅、誤解を生むような発言をしないで!」
「ブラとズロース一丁になる辺りが」
「そっちかよ!」
「それと小ぶりな胸が」
「小ぶりで悪かったゎね!」
「そうです、私脱ぐとすごいんです!」
「でしょうね、煌羅は私と比べ物にならないほどの美乳の持ち主よね!」
「煌羅ちゃんはダイヤちゃんの事が好きなのね」
「漆黒の令嬢に仕える献身的な給仕って感じやな〜」
「はい、お嬢様は私にとって大切な人で、キキーモラとして生涯お嬢様に仕えるつもりです」
「もしこの給仕服を脱ぐときは―
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