俺は、絶対にあの男を許さない。
奴を殺すための剣も用意できた。
あとは、いかにしてこれで奴の息の根を止めるかだ。
ヤツは強い、まとも戦ったところで傷一つつけることすら俺にはできないだろう。だから、俺は奴を今まで注意深く観察してきた。
そこで、見つけた。
奴が唯一油断するスキを。
奴がある人物と2人でいるとき、そこにスキができることを。
あとは、チャンスが来るのを待つだけだ・・・。
〜〜〜〜
信仰というものは、人間を動物的な無為の生活の水準から高めるにあずかって力があるのだから、信仰は実際に人間の存在を確固としたものにして、安全にするために、貢献しているのである。
アドルフ・ヒトラー・・・わが闘争
〜〜現在〜〜
俺の前に、以前見たサキュバスの少女が現れた。
「はあ〜い。お取り込み中?」
「見ての通りだ〜〜〜!」
最初は、一人のシスターだった。
森の中をつっきる、街道を歩いていていきなり彼女が現れたのだ。
そのシスターがいきなり、街道のド真ん中でスカートを捲りあげたかと思うと、スカートの中から丸っこい物が転がりでてきた。それが爆弾と気付く前に、俺は反射的に後方へ飛びのいていた。
激しい爆発音と共に、土埃が視界を塞ぐ。
と、そこへ土埃の向こう側から、飛来音がこちらへ向かって来る。それを聞いた俺は、あわてて体をそらす。
すると、土埃を裂いてショートソードの様な投げナイフ(?)が体の脇をかすめて行った。
その攻撃を避けるや、お次は上空から殺気を感じてそちらを見れば。土埃よりも高く跳躍したシスターが、こちらに向かって何本もの凶器を投げてくる。
「これが噂の黒鍵(こっけん)ってヤツか〜〜〜!」
とにかく、俺はこの状況からとっととオサラバするために、街道から外れて森の中に逃げ込んだ。
普通に考えれば、この状況で対象が森の中に逃げることは、追跡者にはように予想ができたはずだ。
つまり、状況はぜんぜん好転しなかったわけだ。
俺を追跡して来る気配も、いつのまにか複数に増えているし。完全に、敵の術中にはまっていたと言えるだろう。
森の中を逃げていると、今度は複数の方角から凶器が飛んでくる。それを、森の木々を盾にしてなんとかやりすごす。
「聖職者が刃物なんか使うんじゃね〜。」
と、自分を棚において苦し紛れの悪態をつくも。
「あら、あなたは魔法の方がお好みですか?」
なんて、声がしたかと思うと。その方角から、なにやら赤い光が俺に向かって飛んでくる。それが、魔法による火球だと気付くと、俺はその火球に向かって盾をかざした。
その盾に火球が直撃する。
盾を持った手に激しい衝撃を感じ、周囲に熱い空気が立ち込めたが、なんとか敵の魔法を防ぎきったようだ。
聖騎士団をやめて、彼らより有利になったことがある。
脱退するときに拝借した装備一式だったが、冒険者として稼いだ金でこれまでの2年間の間に剣はサイクロプスの鍛冶師に(形状はそのままで)新たなに鍛え直してもらい、同様に鎧や盾もドワーフに(これまた形状はそのままで)新たなに鍛え直してもらった。鎧の上に付けているマントも、アラクネが自ら織った特別製だ。
とはいえ、この状況ではその差は、まったくもって意味の無いものだった。
今度は別の方角から、火球が迫ってくる。あんなものを、連続で食らっていたら身が持たないと判断し、今度は回避することにする。
俺の脇を通り過ぎた火球は、進路上にある樹木に命中する。
だが、その樹木は燃え上がることは無く、火球はそのまま樹木を通り抜けていく。その樹木に、いかにも“丸い物体が通りぬけました”的な丸い穴を開けて。
その光景を見て、このときほど盾を鍛え直してよかったと思ったことは無かった。
そんなさなか、あのサキュバスの少女と再開したのだった。
冒頭にもどって・・・。
追跡者達は、今やそのサキュバスの少女もターゲットにしたようだ。
漢なら、初心貫徹で俺だけを狙えばいいものを・・・、ってシスターだから女か。
逃げ続けるうちに、森を抜けて草原に出る。
チラリと後ろを確認すると、追跡者達の姿を確認することができた。
って、みんなシスターかい。
「ここは私に任せなさい!」
と、なんとも頼りなさそうな、宣言をサキュバスの少女(ミシェリスって名前だっけ?)がすると。そのまま後ろに振りかえる。
「さあ、教会のカタブツちゃん達。私の魅力でメロメロになって、言うことを聞きなさい!」
そう言うと、ミシュリスの瞳が赤く光る。
だが、追跡者達はそれにまったく怯む事なく迫ってくる。
「ええ〜〜〜〜〜な、なんで〜〜〜〜〜???」
「馬鹿野郎!連中は魔物を狩る(俺は魔物じゃない
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