ピーマン内戦

「なに?“また”かのサバトと連絡がつかなくなっているだと?」
「はい。」
「う〜〜〜〜む。」
「・・・」
「ここは・・・、やっぱり調査をした方がよいのかの〜?」
「ええ・・・。前回の事があるとはいえ・・・、一応は連絡が取れなくなった原因を調査した方がよろしいかと・・・。」

 レフレンシアはしばらく考えると・・・・。

「よし・・・、ヴェネルよ。」
「はい!」
「お主一人で調査をしてくるのじゃ。」
「え?えええぇぇぇぇぇえぇぇぇぇ!!!」

 レフレンシアがヴェネルを一人で行かせた理由、それは・・・。

 むろん、余計な巻き添えを食っても、やられるのが魔女一人ですむからである。



 それから、小一時間程後・・・。

「うう・・・、何で私だけがこんな目に・・・。」

 箒にまたがったヴェネルが、空を飛びながら一人グチをこぼしていた。
 前回は、魔女複数人による行軍で、地上を歩いて行ったため時間がかかったが。今回は、ヴェネル一人による高速飛行のため、かなり早く件のサバトに着きそうだった。



 そこには一面の廃墟が広がっていた・・・。

「これは・・・いったい・・・?」



・・・



 遡ること、昨日の晩飯時・・・。

「うぐぐぐぐ・・・。」
「バフォ様?どうなされました?」
「わざとか?」
「はい?」
「お主!わざとじゃろう!」
「何がですか?」
「じゃから、わざとワシが嫌いなピーマンを晩飯に入れよって!」

 そう言うバフォメットの目の前には、今晩の晩飯として『ピーマンとニンジンとグリーンピースの野菜スープ』があった。

「こうなれば、我が魔力でこの世界という世界から、ピーマンという存在を抹消してくれるわ!」
「たとえ、バフォ様といえど、ピーマンを根絶やしにすることなど、許しませぬですわ!」
「何を言うか、今こそ我が魔力の真の力を解き放つ時ではないのか!」
「何子供のような力の使い方をしているのですか。」
「ワシ等の教義はロリ至上主義ではないか!ならば、子供が好き嫌いが激しいのも必然。故に、ワシが嫌いな食べ物を食べたくないと、ダダをこねるのも極自然な流れというものではないか!」

 そんな言い争いの中、一人の魔女がこう言った。

「わ、私もニンジンは嫌いです。」
「私はニンジン好きだよ〜。」
「私はグリーンピースが・・・。」
「好き嫌いが激しいと、大きくなれないよ。」
「魔女が大きくなってどうするんですか!」

 と、あちこちで、言い争いが置き始める。

「これは・・・。」
「完全に敵どうしになってしまいましたね・・・。」

 それも2つの派閥に分かれてではない。片方が好きなら、もう片方が嫌い。全部食べれれる。全部嫌い・・・。と、言うぐあいに、さまざまなパターンに分かれた者達が、自らと違う嗜好の者達全てに敵意を向けている。

 きっかけが訪れれば、あっさりと均衡がやぶれるであろう緊張感が、その場を支配していた。
 そして、きっかけは突如訪れた。

 バタン

という音と共に、何者かがこの部屋に侵入してきたのだ。

「ここは先制攻撃メラ!」
「ぶっとべイオ!」
「暗き闇よドルマ!」
「裁きの雷よデイン!」
「閃熱を食らえギラ!」
「熱っついじゃないのよヒャド!」
「打撃音じゃないわよバギ!」

 この部屋に入ってきた人物が、何か教会の関係者っぽい女性の様だが・・・。どうせ周りは全て敵、まとめて片付けるのみ。

「メラミ!」
「イオラ!」
「ドルクマ!」
「ライデイン!」
「ベギラマ!」
「ヒャダルコ!」
「バギマ!」

 激しい、戦いはなおも続く・・・。

「灼熱の火球よメラゾーマ!」
「吹き飛びなさいイオナズン!」
「闇の力に汚染されるのじゃドルモーア!」
「邪悪なるサバトの信徒共め、この勇者である私が成敗してくれるギガデイン!」
「焼き尽くせベギラゴン!」
「凍りなさいマヒャド!」
「切り裂けバギグロス!」

 何か、一人教会の勇者が混じっていたような気がするが、今はその様な事を気にしている余裕など無い。

「灰になれメラガイアー!」
「塵一つ残さんイオグランデ!」
「神すら恐れる力を食らうのじゃドルマドン!」
「無視するんじゃ無いのよジゴデイン!」
「燃え尽きなさいギラグレイト!」
「甘美なる冷たき眠りをマヒャデドス!」
「づたぼろにしてあげますバギムーチョ!」

 激しい魔法合戦が続くなか、その状況に業を煮やした一人の人物が、いきなり魔法ではなく必殺技をぶちかます。

「まとめて倒すギガブレーーーーーィク!」

 さすがは教会の勇者。空気を読まずに、魔法合戦の最中にいきなり必殺技をぶちかますか。
 ん?
 教会の勇者!

「教会の勇者・・・、いつのまに・・・。」
「さんざん無視してきたのは、そっちじゃないのよ
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