百物語?

『肖像画』

 これは、私が聞いた話です・・・。

 子供の頃、家の近所に一人の男がいた。
 その男は、画家だったのだろうか。常に自分の肖像画を描いていたのだ。熱い夏の日にも、寒い冬の日にも・・・、ただひたすら自分の肖像画を・・・。

 しかも、肖像画を何枚も書いているのではない。1毎の肖像画を、何度も書き直しているのだ。

 私が15歳になったとき、ある事に気がついたのだ。
 その男は、子供の頃からまったく歳を取っていなかったのだ。それだけじゃない、逆にその男の書く肖像画の絵の男が、どんどん歳を取っていくのだ。

 さらに、その男にはある噂があった・・・。
 その噂というのは、夜になるとその男の元に女が現れるというのだが・・・、その女というのがどうやら人間では無いらしい。
ある日、その男の家の前を通った人の話を聞く事ができた。その人によると、窓にその女の影が映ったというのだが、その影には角があり、蝙蝠の羽とさらに尻尾があったという・・・。

 私が20歳になったとき、反魔物派である私の住んでいる国と、親魔物派との国との間で戦争が起こった。私は徴兵に狩りだされ、そのまま戦地に送られることになった。

 そんな出来事から40年たった・・・。
 戦争は、親魔物派の国の勝利となり、私の国も新魔物派となった。私は、故郷にもどらず派検された先で結婚し、そのままその地に留まったのだ。

 そんなある日。私は実に40年ぶりに故郷に戻った。
 故郷に戻った私は、ふと今まで忘れていたあの男の事を思い出していたのだ。そして、足は自然とその男の家に向かっていた。

 はたしてその家は有った。たまらず、私はその家を覗き込んだのだ・・・。

 はたして、その男はやはり歳を取らずに書き続けていたのだ、もはや朽ち果て骨の姿となった自分の肖像画を・・・。そして、その隣には・・・、親魔物国なったことでどうどうとその姿を現した、彼の妻であるサキュバスがいた・・・。

「ねえ・・・、あなたはなんでそんな肖像画を描いているの?」
「いや、『ドリアングレイの肖像画』って本を読んで、自分が歳を取ったらどうなるのかな〜っと・・・。まあ、たんなる趣味だ。」

・・・

 そう語り終え、彼女は自分の手にあった蝋燭の灯を消したのだ。

「って、インキュバスになっていただけじゃない!」
「世の中って、そんなものよ・・・。」

 その部屋には、少女達が100人集まり怖い話を1つしては、その度に蝋燭を1本消して行く、いわゆる百物語りをしているのである。むろん、すでにいくつかは消えているが、蝋燭も100本ある。
 まだ、灯の点いている蝋燭の数は、残り4本であった。

「じゃあ、次は私の番ね。」

 そういって、一人の少女が蝋燭を手に持ち、話始めた・・・。



『赤い部屋』

 奇妙な噂があった。

 私の家は宿屋を経営しているのだが、その宿屋の中の1つの物置に、変な噂が立っているのだ。
 その物置は、ときどき真夜中に扉を開けると部屋の中が真っ赤になるという。

 私は今、その物置に向かって廊下を歩いている。時間は、日付が変わったばかりである。そんな時間に、私は蝋燭を持ってその物置に向かって歩いているのだ。

しばらく歩いて、私はその物置の前にいる・・・。
 私の周りには誰もいなかった。時間が時間であるから、すでに皆寝静まっているのだろう。

 ふと、私は女の子の鳴き声が聞こえてくるのに気がついた・・・。
 どうやら、この物置の中から聞こえてくるようだ。

 そして、意を決した私は物置の扉を開けたのだ・・・。

「レッドスライムちゃん、また家出したの?」
「うん・・・(グスン)」

・・・

 また、一つ蝋燭の灯が消えた・・・。

「レッドスライムちゃんは寂しかったのね・・・。」
「でも、家でしたからって・・・、他人の家の物置に逃げ込むのはね・・・。」
「じゃあ、次は私ね。」



『もう一人いる』

 私達は、久しぶりに学校の友達同士の集まりに集まっていた。場所は、とある街のレストラン。そのレストランは、比較的夜遅くまで営業しているのだった。

「でね〜・・・」
「うそ〜・・・」

 集まりといっても、女ばかりである。私達は、6人用のテーブルに座っている。私の両側に1ずつ、私の反対側に3人ずつ座っているのだ。

 話しも弾むなか、時間もだいぶ過ぎたので集まりはお開きになる事になったのだ。私は、皆を代表してお会計をすることになった。

 そして、お会計をしているとき・・・。

「5名様でお会計は・・・になります。」
「え?」

 そうだった・・・。私達は、5人集まって食事をしていたのだ。5人なら、3対3の席一杯に座れるはずが無いのだ。
 私は、会計を済ませると、大急ぎで皆の待つ所まで戻
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