最終話 未来(あす)を決める戦い ルシィラVS邪剣の信徒エスタラニィ

 ルシィラは、エスタラニィに向かって走っていき、手に持つ剣を邪剣に向かって振り下ろす。だが、エスタラニィはそれを無視するかのように、私の剣を邪剣で受け止める。

キィン

 だが、金属音とはすこし違う音と手ごたえが返ってきただけで、邪剣自体が無傷のようだ。
 ルシィラに続き、クラウニスとファルナールも、エスラタニィに向かって走っていく。その間に、魔女達が強力な魔法を発動するため陣を展開する。邪剣に向かった2人は、手に持った武器で、邪剣に向かって攻撃する。が、2人もルシィラと同様の結果となる。

 その時、私は気がついた。武器が邪剣に命中する瞬間、その周囲が一瞬歪んで見えたのだ。あれはいったい・・・?
 私がそう考えていると・・・。

(ルシィラさん、今邪剣の周囲が一瞬歪んでいませんでした?)

 そう、私の中のクレミリアが言ってきたのだ。

「クレミリア、貴女もそう見えたの?」

(はい〜!)

 あの変な手ごたえ・・・、邪剣にはなにかある。そう私は思っていた。

 一方。周囲の魔女達の動きに気付いた邪剣は、(エスタラニィの体で)魔法を放ってくる。

「フォース・ミサイル【力場の矢】」

 エスタラニィの空に掲げた手から何本もの魔法の矢が射出され、それぞれが全て魔女に向かって飛んでいく。だが、その内の何本かをクラウニスが盾で受け止める。

「おっと、お前の相手は俺達だぜ。」

 だが、それでも何本かが、魔女達に届いてしまっている。

「っきゃ」
「っわ」

 魔法が命中したものの、それでも魔女達は陣を展開するのを諦めない。そして、周囲に展開した魔女達が、一度に同じ魔法を使用し、その力を増幅させる。

「「「アース・アスペクト・ロック【地相拘束】」」」

 魔法が発動すると、隆起した大地全体の地表が、薄い緑色の光を放つ。

「よくやったぞ魔女達よ。さあ邪剣よ、ここら一帯の地脈の流れを拘束した、これでこの魔法が効果を発揮しているかぎり、地脈のエネルギーを操作して、何かを引き起こすことはできんぞ!」
「ほう。」
「クラウスデルの街を壊滅させた隕石を呼ぶ能力も、地脈のエネルギーを操作しなければ使えないようじゃしの。手品のネタさえ分かっていれば、対策の取りようなどいくらでもあるのじゃ。」
「ならば簡単な事だ・・・、お前達全員を殺し魔法を解除するだけでいい・・・。」

 そう言うと、エスタラニィ(の体)は剣を空に向かって掲げると、その剣に闘気を纏わせはじめる。あの技は・・・!

「みんな、邪剣から離れて!」

 そして、邪剣が振り下ろされそれが地面に到達すると、そこから周囲に向かって衝撃波が放たれる。間一髪、私達はエスタラニィから距離を取ることができ、吹き飛ばされることは無かった。

「この技は・・・。」
「そう、たしか《爆裂波》とか呼んでいるそうだな。貴様の妹も、姉に少しでも近づきたくて練習していたようだぞ。」
「うあぁぁぁぁ」

 私は邪剣に向かって、再び走りだす。クラウニスさんも、それに続く。そして、邪剣に向かう私達の後ろから、ファルナールとミシェリスの2人が魔法を放った。

「ファイアー・ボール【火の球】」
「ライトニング・ブラスト【電撃波】」

 いくつもの魔法の矢が邪剣に向かっていき、たしかに邪剣に命中したのだが・・・。魔法の矢は、そのまま邪剣を突き抜けてしまう。だが、邪剣に穴が開いたのではなく、邪剣そのものは無傷である。

「なんじゃと!」
「うそ〜」

 後ろからそんな声が聞こえてきたとき、私とクラウニスさんが邪剣の元に到着する。それを、エスタラニィの体は邪剣を横に薙ぎ払って牽制しようとする。
 そのサイドスィングを盾で受け止め、クラウニスは気なっていたことを聞いた。

「よう。なんでまた、教会の連中に妙な知識を与えたんだ?」

 すると、邪剣はこう答えた。

「簡単なことだ。我も武器である以上、宿主となる我を振るう者がいたほうが、我も真の力を発揮できるというもの。お前達が教会とよぶ連中に知識を与えたのも、我が宿主にするに相応しい存在を教会に作らせようとしたためだ。もっとも、その教会の連中は、せっかく教えた知識を十分活用できずに、自滅したようだがな。」
「っち・・・、やはり一連の事件の背後に居たのは貴様だったのか。」

 その2人(?)の会話のさなか、盾で動きが止まっている邪剣に向かって、ルシィラは剣を振り下ろす・・・。だが、先ほど同様に妙な手ごたえで剣が防がれてしまう。

「やはりだ、私の剣が邪剣に当たる瞬間、その周囲の景色が歪んで攻撃が弾かれてしまう・・・。」

そして、後ろから2人が同じ魔法を放つ。

「「スコーチング・レイ【焦熱の光線】」」

 だが、その魔法の光も、再び邪剣を通り抜けてしまう。

(ルシィラさん、
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