私は、今ラクダに乗って砂漠を横断している。そして、私の前にはラクダを引く1人のギルタブリルがいる。彼女が、私を件の砂漠の神殿までの案内人だ。名前は、ナドバサルと言う。
私が彼女をやとうまでに、これまた時間がかかってしまった。
砂漠の入り口にあたる町で、私はその神殿に案内できる人物を探したのだが、まったく見つからなかった。いっそ、私が単独で神殿を探そうかと思ったのだが、砂漠は広大なうえ、私はその土地に入るのははじめてだし、迷って死ぬのはほぼ確実。よしんば助かったとしても、神殿を見つけるのは不可能だろう。やはり、神殿の場所を知っている人を探すしか道は無いのだ。そうやって、砂漠の縁にある町を転々として行き、神殿の場所を知る人物を探して行ったのだ。
そうして、砂漠の縁についてから1カ月。いまだに、私は砂漠に入ることすらできずにいた。そんなとき、彼女が私に話しかけてきたのだ。
彼女は、砂漠の神殿の位置を知る、数少ない砂漠の民の一人だった。私が砂漠の神殿への道を探していると知り、声をかけてきたと言うのだ。なんでも、砂漠の神殿には預言者がおり、スフィンクスが門番をしているその神殿に近づきたがる地元の民はほとんどおらず、場所を知っていてもあまり案内しがらないそうだ。なんでも、砂漠の民の多くは、その神殿にいる預言者に敬意を払っているとか。おまけに、最近その神殿の近辺に盗賊団が出没するようになり、ますます案内するのを拒むようなっているのだという。
なぜ、そんな状況で彼女が私に話しかけてきたかというと・・・。私が、強よそうだったからだそうだ。彼女が言うのは、砂漠に出る盗賊団というのは、彼女と同じギルタブリルで構成されているという。ギルタブリルは、基本気にいった男しか襲わないのだが、盗賊団は無差別に襲うのだという。彼女は、自分と同じギルタブリルがそのような行為を行っていると、やがて町に住む他のギルタブリルにまで、町に住みづらくなるのではないかと危惧していたのだ。なので、もし行程の途中で盗賊団に遭遇したら、倒すのを手伝ってほしいのだと言ってきたのだ。
彼女の話によると、その神殿は普段は砂嵐に護られ、満月と新月の夜にしか姿を現さないのだという。
ちなみに、今私は鎧の上にサーコートを身につけている。理由は単純、そんなものを着て行ったら、太陽の熱で鎧が高温になり火傷してしまうからだ。それを防ぐために、鎧の上にサーコートを付けているのだが、生憎とそのガラが気に入らない。他のサーコートが売り切れだったとはいえ、なんで花柄とピンクのハートマークが散らばっているのしかないんだ〜。
と、突然ラクダを引いていたナドバサルの歩みが止まった。何事かと思ったが、私にもすぐに複数の気配が感じ取れた。
「どうやら・・・。」
「かこまれているようね・・・。」
私は、ラクダを下り背中の鞘から両手剣を抜く。ナドバサルも、いつのまにか片方の手に、短剣を逆手に持っていた。
すると、周囲の砂が何か所かで不自然に盛り上がった。
その盛り上がった砂の一つが、私達に向かってきたのだ。こちらに向かってきた盛り上がった砂は、私の前に来るとはじけ、中からギルタブリルが飛び出し、私にむかって跳躍してきた。
ゴンッ
私は、飛び出してきたギルタブリルの顔面に、剣の腹を命中させる。顔面に一撃を受けたギルタブリルは、そのまま砂の上に落ちてノビてしまった。
それを合図に、周囲の盛り上がった砂が一斉にこちらに向かって来る。
私は襲い来る盗賊達を、剣の腹や柄で、相手の腹や顔面に一撃を入れて行き、ノックダウンさせていく。
ナドバサルも、襲い来る盗賊団に対して短剣で攻撃を受け流し、尻尾の針を次々と打ちこんでいく。尻尾の針から毒を注入された盗賊達は、体が麻痺し砂漠の上で動かなくなる。
でも、あの毒ってたしか・・・。痺れたがとれたときに、彼女達の間で何が起こるのかは、あまり想像しないでおこう・・・。だって、あのヴァンパイアのお嬢様を思い出しそうだから・・・。
やがて、砂の上に立っている者が私とナドバサルだけになった。すると、ナドバサルが盗賊団のリーダーらしき女性にかけよって、こう言ったのだ。
「もう、これにこりて、盗賊なんてやめなさい。」
「じ、じぐじょぅぅ・・・。」
そのまま、ナドバサルは私むかってこう言ってきたのだ。
「それじゃあ、行きましょう。」
「ほっといていいの?この程度じゃ、こりずにまた始めるかも。」
「いいんです。その場合は、また別な冒険者に頼みますから。彼女達が諦めてくれるその日まで、何度でも・・・。」
そう言う彼女は、どこか悲しい顔をしていた気がする。
「できれば、今以上にひどい目にあう前に、諦めて欲しいんですけどね・・・。」
こうして、ギル
[3]
次へ
ページ移動[1
2 3 4 5 6 7]
[7]
TOP [9]
目次[0]
投票 [*]
感想[#]
メール登録