教会の施設跡で出会ったバフォメットのおかげで、次の魔剣への手がかりへあっさりたどり突くことができた。だが、直ぐに手に入るという訳ではなかった。
「次の手がかりは・・・、とある地方の領主が持っておるの。」
そう聞いた私は、さっそくダスクハイム国内の、件の地の領主を訪ねたのだ。
そその領主がヴァンパイアだったのは、私にとっては幸運だった。もし、反魔物派の地であった場合、かならず話はこじれたであろう。
5年前の事件が起きる前、ダスクハイムの国も反魔物派だったらしい。もっとも教会の教えを国教にしなかったため、教会との中は悪かったらしいが・・・。あの教会の施設跡が地下にあったのも、人に見られたくない研究を行っていた他に、この国に対して秘密裏に造られたモノだったからかもしれない。そんなダスクハイムの国ではあったが、5年前の事件で国土の大半が魔界に堕ち、国民の大半がサキュバス・インキュバス化してしまったため、否応なしに親魔物派になってしまったが。
そんな中、魔界化を理由に教会が積極的に干渉・・・、もとい騎士団の派遣という軍事行動によって、かなりの数のサキュバス・インキュバス化した領主が狩られることになる。それを気に、他地域の魔界と交流を持つようになったりなかったり・・・。詳しい事は分からないが、そんな事情からこの地にやってきたヴァンパイアが領主らしい。この領主がちゃんと統治しているおかげで、この地方では依然私が戦った盗賊団のような輩は少ないらしい。
その領主に、私の呪いに関する事情を話し、さらにあの剣モドキと教会の施設跡で見つけた宝石を見せると私の話を信じてくれたようだ。と、いうのも、その領主の持っている宝石というのが、私が教会の施設跡で見つけた宝石と瓜二つなうえ、その宝石を手に入れてからというもの、彼女の領地内で良くないことが度々起こるようになったという。具体的に何が起きたかというと・・・、この地方は温泉で有名なのだが(温泉にまともに入れないヴァンパイアが領主というツッコミを入れてはいけない、いや真水でなければいいのだから、鉱泉の成分濃度が高ければ入れるのか?)、その源泉が宝石を手に入れてから次々と枯れ出したのだと言う。さらに、畑の作物が不作になったり、家畜が謎の伝染病でバタバタと死んでいき、領地内の者も伝染病にかかり次々と倒れているという。
と、いうか、私はそんなものをこれから手に入れないといけないのか・・・。
だが、その宝石は今彼女の手元になかった。
彼女の娘が、友達の家に遊びに行く際に、友達に自慢するために持って言ってしまったと言うのだ。まったく、これがジパングに伝わる『知らぬが仏』というヤツである。
できるだけ早く魔剣への手がかりが欲しい私と、私の話を聞いて早く宝石を手放したくなった領主の意見が一致し、彼女の娘に対して、私にその宝石を手渡すよう紹介状を書いてくれたのだ。その紹介状は、本物である事の証明として、中の手紙に領主の紋章の印鑑を押し、その外袋は密蝋を垂らして一族の印で封をした物だった。
そして、今私はその領主の娘が遊びに来ているという、街に来ている。その街は、回りを森に囲まれた静かな場所だった。その一角に目指す屋敷はある。
さすがは領主の娘の友達だけあって、立派な屋敷だ。実家の屋敷といい勝負だろうか?さっそく領主の娘の友達(ややこしくなってきた・・・)に会おうかと思ったのだが、屋敷の執事らしき人物に門前払いを食らってしまった。屋敷の娘の友達の両親の紹介という長ったらしい文句が、怪しく思ったらしい。自分がデュラハンだと言っても、結果は同じだった。まあ、考えてみれば、私がデュラハンであろうがなかろうが、門前払いされる事には変わりなかったのだが。さて、どうしたものか・・・。
件の屋敷がある街には宿屋が無かったため、近くの別の村の宿屋で休んでいた私は悩んでいた。やはり、両親の紹介状を持っているとはいえ、いきなり押しかけるのはダメだったのだろう。ここはちゃんとあらかじめ手紙を出さなくては。でも、考えてみたら、私は手紙なんて書いたことなかったな。
とりあえず、手紙を書いてみる。文面は・・・、『これからあなたの大事なモノをいただきに参ります。』っと、こんなものでいいだろう。あとは、これを出して屋敷に付く頃を見計らって尋ねればいい。
このとき、私は手紙に彼女の両親の紹介状を添付するか悩んだが、私が直接手渡した方がいいだろうと思い、紹介状を手紙に入れなかった。もし、紹介状を手紙に入れていたならば、あのような事は起きなかったもしれない。いや・・・、起こっただろうな・・・。
・・・
私はフロアセンという名前のヴァンパイア、母はこの地方の領主をつとめている。
今、私は母の元を離れ友人の家に遊びに来
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