第2話 異世界の知識は禁忌の香り

 馬車にゆられること小1時間。
馬車の窓から遠くに、目的地の街であるルーカストの街が見えてきた。屋敷からそう遠く離れていない街だが、まずは手始めにこの街にある図書館から始めようと思ったからだ。
 その街の図書館は、私が小さいころから本を借りていた所だ。もっとも、それまでは悪い魔法使いに攫われたお姫様を騎士が助ける物語とか、探検家が未発見の遺跡の罠を突破し財宝を見つけるとかいう本ばかり借りていた。まさか、自分が魔剣を探すはめになるとは当時はみじんも思わなかったな。

 街の少し手前、馬車を引いていた骨馬が立ち止まりその姿が薄れて行く。私はあわてて、馬車を降りる。すると、骨馬に合わせて馬車もその姿が薄れて行く。
 どうやら、馬車で送ってもらうのもここまでのようだ。まあ、親魔物派の国とはいえ、昼間からあんな目立つ馬車で街に入るのもなんだしな。別に夜ならいいという訳ではないが・・・。
 馬車の姿が完全に消えると、そこには私の荷物が地面に置いてあった。まあ、あの2mある剣モドキを馬車から出す手間が省けただけいいかと考えることにした。
 私は、さっそく荷物を持つとルーカストの街へ向かって歩きだした。
 しかし、やっぱりこの剣モドキが一番のお荷物だな・・・。

 この街はそれなり大きな街で、自警団も存在するし、街は城壁が張り巡らされ、街の入り口にはしっかりと門番もいる。親魔物派の国である以上、教会の手を警戒しどこの街でもこのようなものだ。でも、私の場合は屋敷がそれなりに近いこともあるし、母親が騎士であるからか、いつも顔パスだ。この日も、当然何事もなく街へ入ることができた。私は、そのまま図書館に行くことにした。

 はて、図書館に着いたものの、どうやって手がかりを探そうか・・・。
 てか、図書館広・・・、下手したら図書館で本を探しているだけで1年たっちゃう?

 結局、その日はさしたる収穫も無いまま1日が過ぎてしまった。日がくれて、図書館も閉館の時間が閉まると、私は今日の寝床の手配をしていないことに気がつき、宿屋を探して街を散策することとなった。
 親からは路銀の足しにと、けっこうな額のお小遣いを貰った。たぶん、私の人生の中でもらったお小遣いの中で一番の額だろう。当分はこれで持つだろうとは思うが、やっぱり大事に使わなければ。
 と、いうことで、宿はそれなりの値段の場所にしなければならない。
 結局、私はその街では中の下ぐらいの宿屋に泊ることにした。しばらくはこの宿屋に泊ることになるだろう。
 そこでふと思った、ここで当分調べ物をするなら、家からかよってもいいじゃん!が、すぐに考え直した。きっと、家からかよったらなまけてしまう。いつこの街に見切りをつけるか分からない以上、家を出てよかったのだと。
 そして、その日私は初めて一人で眠りに着いた・・・。

 結局、街に着いた次の日、図書館でちょっとしたことがあった。
 私が、図書館の本棚から『名剣百選』とか『伝説の剣』とかいう本を引っ張り出して、図書館内に設置されている机の上で読んでいると。どこからともなく、私に対する視線を感じたのだ。
 最初は、直ぐに視線を感じなくなったこともあり、あまり気にしなかったのだが、やがてそれが何度も感じるようになる。そこで、ふと何気なくそちらの方をみると、なにやら黒い服をきた女性がこちらを見ていた。手に何冊かの本を持っているところを見ると、彼女もこの図書館を利用しに来たのだろうか?
 気がつけば、その女性はいつのまにか居なくなっていた。
 う〜〜ん。やっぱり、この街にきて最初に図書館に来た時、鎧をきて来たのは失敗だったかもしれない。けっこう、変なモノを見る目をされてしまっていたしな。今の私は、鎧を着ておらず、手元には愛用の両手剣しかない。彼女は、私がその鎧を着ていたのと同一人物だと分かったのかもしれない。まあ、何事も無ければ深く考えないことにした。

 そして、3日目・・・。

 その日は、街の様子がだいぶ違っていた。
 朝から警備兵が巡回しており、その表情も何か強張っていた。この街で何かあったのだろうか?だが、私にはやる事もあるし、ここで野次馬根性を出したところで、自体が好転する訳でもないし、今日もとっとと図書館に向かうことにした。

 その日、図書館で私を見つめる視線を感じることは無かった。

 昼。私が、図書館の外のレストランで昼食を取っていると、私に話しかけてくる人物がいた。

「もし?よろしいでしょうか?」

 それは、先日に図書館で私を見ていた女性だった。よく見ると、彼女の背中には翼が生え、背後には鎖が巻きついた尻尾が見えるところみると、彼女も何かの魔物なのだろう。

「ふぁい?」

 私は、口にホットドックを頬張ったままそう答えた。

「いえ、貴方から少
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