「よし、郷田・・鬼嫁の意味を簡単に説明しろ。」
「夫に対して脅威となる嫁のことだっけか。」
「ああそうだ・・だがしかし。
俺に言わせてみれば、それは間違いだ。
確かに赤い肌は最初は怖いだろうしガサツではあるが、
あんなに可愛くて優しいところがあって、
その上悪酔いを滅多にせず、ノリが良い。
そんな鬼をこの言葉に含めるのはちょっと違う気がしないか。」
「落ち着けよ、多田。」
「ほう、お前は落ち着いていられると?
オーガを恋人に持つお前が?」
「最初のうちは少なくともそうだったぞ。
力加減は出来ないし、口は悪いしで。
ああでも勘違いすんなよ?
オーガだってなあ、練習すれば加減できるようになるんだぜ?
洗うだけで割れてた皿が、今じゃヒビ一つ入らない。
口の悪さは相変わらずだけど、
まぁ、喧嘩腰っつうだけでそれを分かって、
間に入りさえすれば人付き合いも、むしろ上手く行く。」
「へ・・なんだ、分かってるじゃんか。」
「勿論だ・・恋人だからな。
でも、何だって鬼嫁とか、鬼何とかって言葉が消えないんだろうな・・」
ドス、ドス・・
「ん?そんなことが分からんのか?」
「「ウシオニ先生・・知ってるんですか?」」
「当然だ。
まあ、分かりやすく説明してやるとすれば・・
ベッドの上でのことを思い出してみろ、それで納得行くはずだ。」
「「ああ・・確かに、鬼です・・。」」
言葉の意味の違いが起きる。
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「さてと、隊の皆が書いた日記をチェックするか・・。」
アリス
今日は、お兄ちゃんと一緒に散歩をしました。
膝に乗っけてもらったり、頭を撫でたりしてもらいました。
優しいお兄ちゃんが大好きです。
魔女
私の兄様の格闘術はいつ見ても格好良いです。
私は近接戦闘はからっきしなので、
遠くから援護するしか出来ないのがちょっぴり残念です。
そう言ったら、お前が居てくれるから前に行けるんだ、
と言ってくれました。
兄様の役に立てているんだな、と嬉しくなりました。
これからも、頑張りたいです。
バフォメット
今日は兄上がクッキーを作ってくれたぞい!
いつもながらの腕前もじゃが、
作っておる姿自体も惚れ惚れするほどじゃ!
そんなことないよ、とは言っておったが、
照れたところを見るとあれは少々自信があったと見た!
それからそれから・・
「はは、可愛らしいものだ・・見ているだけで頬が緩む。
・・スキュラ、どうした?」
「・・良いわよね、レギの隊は健全な話が多くて。
こっちを見てみなさいよ・・。」
「・・どれどれ・・。」
アラクネ
今日は、逆に縛られてみるという挑戦をしてみたわ。
相手はこちらのことを自由にできるのに、
自分ではほとんど動けずなすがまま・・。
一言で言って、素晴らしかった!新しい世界が開けたわ!
気持ち良すぎてつい糸を漏らしちゃったくらいよ!
イグニス
マスターの精はいつもらってもたまんねえ。
ドクドクと勢いよく流れ込んできて、
しかもすっげえあったかあぁああい!!
ああもう我慢できん、もっかいマスターに頼んでくる!
ワーム
交尾の時のあの人の顔、大好き!
「・・ね?」
「いや、魔物のものとしては普通だろう?」
「それはそうよ・・でもね・・。」
「うん?」
「全部チェックした後には、疼いて仕方ないの!
ごめん、レギ!仕事終わったらで良いから!
今夜の分、後でヤらせて!」
「・・ふ、分かった。
だが待ちきれなかったら無理せず来いよ。」
日記一つでこの始末。
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「・・ねえ、ダザン。
よく雪の女王とか、氷の女王とかあるじゃない?」
「ああ・・それがどうかしたか?」
「あれって、凄い悪者として描かれる事が多いでしょ?
そりゃあ、物語の流れ的に仕方ないとは思うわよ。
でも、なんていうのかな・・」
「少し悲しい?」
「うん、まあ・・そんな感じ。
氷だって、冷たいだけじゃなくって綺麗だったり、
雪だって、春の花へ水を注いだり出来るのに・・。」
「大丈夫だと思うぞ。
お前みたいに言ってるグラキエスが居るように、
それをちゃんと分かってる奴もいるはずだからな。」
「ダザン・・。」
「少なくとも俺は分かってるつもりだ・・
っていうのは格好付けすぎだったか?」
「・・ちょっとだけ。
でもありがと、元気出たわ。」
「それはなによりだ。
それにほら、そういう雪とか氷の女王に
注目を集まるだけの力があるって事でもある。
悪役ではあるが、輝いているだろ?」
「うん・・そうね。
そういう考え方もある、か。」
「そうだ、視点を変えてみればそういう事だ。」
「ふふ、ちょっと屁理屈っぽいけどね。」
雪の女王とか、氷の女王とか。
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