村までグラリスを抱っこしながら歩き、準備を済ませ
山を下って海に来てみれば・・
「せりゃぁッ!」「グオアアァッ!!」
そこは戦場だった。
急ごしらえの土で出来たフィールドの上で炎が舞い、魔界銀の光が輝く。
水着姿の私とグラリスは目の前の現実を・・
「な、何だ!?あれは・・!」「何と高度な闘いだ・・!」
凄く興奮しながら見ていた。
と、そこに私達が準備したのと同じ村より来たケンタウロス、ラウが話しかけてくる。
「・・何を興奮しているんだ?グラリス・・」
その問いにグラリスは即答する。
「戦士ならばあれほどの闘いを見て興奮しないわけがないだろう!」
そこにラウの伴侶、シュンも入ってきた。
「あれは、フリーの竜騎士、椿とワイバーンのラーシュだね。
店員のスキュラさんに聞いたんだけど、ジパングの・・かき氷?だったかな?
それの上に掛けるのをメロン味にするか、イチゴ味にするかでやってるんだって。」
「なんと低レベルな切っ掛けで・・・」「いや、ラウだってこの前・・」
「私はレモン味だな・・」「ああ、あの味は好きだ。」
そうこうしているうちに、目の前の闘いは終幕へと近づいて行く。
「貰った!」
椿が魔界銀に魔力を宿し、薙ぎ払った一撃を
「こちらの機動性を甘く見ていたようだな!」
間一髪、ラーシュが避けつつ後ろ宙返り。
そのまま突っ込んでいくラーシュに
「死なばもろともだ!お前も倒れろ!メロン味に決まってるだろう!」
剣を真っ正面に構えて、刺突をしかける。
「いいや!イチゴ味だ!」「メロン味だ!」「イチゴ!」「メロン!」
などと口にしながら、彼らは交差・・
「グオアッ!?」「っくぅっ!」
しかし、力の強いラーシュの方に巻き込まれ二人はもつれあって転がった。
「っ・・は・・」「ぐぐ・・大丈夫か?」
と、そこに意外なことにホルスタウロスのリスタが寄って行く。
彼女は水着姿で彼らの近くに行きこう言った。
「あの〜決められないなら、それぞれ頼んで食べ合いっこすれば良いんじゃ・・」
それを聞いた彼らはまるで電流が走ったような顔になる。
「・・確かにそうだな・・」「イチゴも・・食べてみたいな・・」
「そうですよ〜それなら喧嘩なんてしませんから。
喧嘩なんかしたら他の人に迷惑がかかっちゃいます。
もう喧嘩したら駄目ですからね?」
「はい・・」「うむ・・」
胸を揺さぶりながら、説教するホルスタウロスに静かに頷く竜騎士と竜。
「あれ結構、珍しい構図じゃないか?」とグラリスの方を見るとそこにはグラリスの姿は無い。
それどころか、ラウや一緒についてきたマンティス、フィーセも居らず、
代わりにシュンとフィーセの夫、レングだけがいた。
慌てて周りを見ると向こうの方でなにやら女三人が座り込んでいる。
声をかけようと歩き出した瞬間その腕はリスタの夫、二―ルに掴まれる。
「何だ?」と顔をしかめて聞くと
「止めておいてやれ・・女ってのは繊細なもんだから・・」
など意味不明なことを言われた。
しかし他の二人には納得できる事だったようで、うんうん、と頷いている。
「どういう事だよ・・?」
不思議に思い、座って意識を集中させると微かにグラリス達の会話が聞こえた。
「あんなに・・ブルブルと・・」「ああ・・私もそれなりに自信はあったんだが・・」「・・規格外・・」
ブルブル?とリスタの方を見る。
そこにはたわわに実ったメロンが二つ。
(なるほど、そう言うことか・・)
そんなに気にしなくてもいいことだろうにと思いながらも
どうしようも無いなと思いそっとしておくことに決めた。
しばらくしてラーシュと椿、リスタもこちらへ寄ってくる。
立ち直ったらしいグラリスたちも帰ってきていた。
そこから色々な話をして、あの村で一回泊まろうということが決定する。
しかし、リスタの悪意なき一言がまたもや場を止める。
「私、胸が大きいからバインバイン揺れて走ると痛いんですよ・・」
次の瞬間、女性陣はおろか、男性陣までもが無言の圧力に黙り込んでしまった。
しかし、悪意がないのは不思議そうに首を傾げる姿からもわかる。
なので怒るに怒れず微妙な空気のまま解散した。
それからはそれぞれの楽しみを満喫。
私はグラリスと砂浜で瞑想したり、かき氷を食べたりした。
他にも・・
「ではクラ―ケン殿、スキュラ殿、お願いする。」「わかったわ〜」
「負けんからな、エクシア!」
二人の触手、手足をどちらが避け続けられるか勝負したり
(一対二で私の負けだった。)
「いよっし、俺はあそこまで飛んだぞ!」「負けた・・レン、強い。」
「・・ラーシュ、竜状態で投げるのは・・って吐くのか!?」
「勝てば良かろうなのだ、椿!!」
皆で、魔力のボール飛ばしをやったりした。
測定は暇そうにしていた店員さん達に手伝ってもらっている。
ちなみに
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