子犬(精神的な意味で)

1+1は?
「あ?んだよ急に。」
良いから答えてみろ。
「やだね、お前、大方俺をアホの子扱いしたいんだろ。」
そんなことはない。
というか、答えなきゃそれこそアホの子だぞ。
「2だ、トーゼンだろーが。」
・・・・・
「んだよ、ビックリした顔しやがって。
やっぱりアホの子扱いしようとしてやがったな。
そんなてめえには・・こうだ!」
・・どうしたよ、いきなり俺の腹に乗って。
「へへん、こうすりゃあ動けなくって困るだろうが?」
・・そう言うのは、子供のする事なんだがな・・
「あ?んだぁその顔は。」
なんでもない。
「嘘つけ、てめえ俺のことを子犬扱いしたろ。」
したとしたら、どうする?
「決まってんだろ、このまま乗っといてやる。」
そりゃ困るな。
「へへ、だろぉ?
アホの子犬扱いしてすいませんでしたって謝るまで、
ずっと乗ったまんまだからな?
退いて欲しければさっさと、それこそ尻尾を振るんだな。」
尻尾?
「上の奴に媚びへつらうんだから、
尻尾を振るって言ったんだ・・ほらどーだ、俺って物知りだろ?」
・・ああ、博識だな。
「あ?へへ、そおだろ?
俺はお前よりもずーっと賢いんだからな。
だから、お前は俺をバカに出来ないんだぞっ♪」
ああもう、尻尾なんて振っちゃって。
全く、ヘルハウンドじゃなかったらぎゅってして頭撫でてるとこだ。

「・・で、何の話だったけ・・」
おい。
「あーそーそー、謝れっつう話。
ほらほら、ハリーハリー、困るだろぉ?」
ああそうだな・・
「困ったなぁ?」
あーコマッタな・・
「・・おい、困ってんのか本当に。」
ホントホント、マジで困ってるっての。
「じゃあよ、具体的に何が困ってる?」
お前に肉がやれなくって。
「!?な、口から出任せ言ってんじゃねえぞ!」
ふふ、どうかな?
「ど、どこがっ困ったんだ?」
あっちの倉庫にある魔界豚・・
「なっ・・!?それがどーしたってんだよ!」
あそこの魔法、俺じゃないと開けられないんだけどな。
「へ、脅しのつもりかよ!そんなの俺が力づくで・・」
いいのか?俺の上から退くことになるぞ?
「あ・・っ!!」
ふふん、俺は良いけどなー?
「う、わうぅ〜〜!!」
唸っても無駄だぞ。
「がうぅうううぅううぅうぅ!!」
怖くねえよ。
「・・ふん!」
お?
「このまま、丸まっといてやる。
お前が謝るまで、許さねえ!」
・・いじりすぎたかな。

「う〜」
・・・・・・
「わう〜・・」チラッ
・・・・・・・・・
「がううぅう・・」チラチラッ
・・お肉食べたいのか。
「いんや。」
嘘付け、視線があっち行ってたぞ。
「食べたくねえっ!」
・・俺は食べさせたいんだが。
「・・食べ、さ・せ・るだと?」
いや、食べて欲しい。
「・・そーか。」
ああ・・だからさ、子犬扱いして悪かったよ。
「!?」ピーン
どした。
「や・・い、いや、まぁ、お前が食べさせたいってんなら、
しょーがねーよな!」
お、退いた。
「ほらっ、早く早くっ!
俺にうんまいのを食べさせてくれよっ!」
はは、分かった分かった・・

・・子供だよな、やっぱり。



「・・なぁ。」
なんだ?
「俺って・・子犬っぽいか?」
どうしたよ、これから寝ようって時に急に。
「いや・・お前はたまにムカつくけどさ、嘘はつかないだろ?」
ああ?ああ・・多分な。
「だからよ・・俺って子供っぽいのかなって。
いや、体は大人のつもりだぜ?
胸だってちゃんとあるし、背もお前よりたけえし・・」
だな。
「けど・・お前から見れば、子犬、なんだろ?」
どうした、らしくないな。
「・・お前は、子犬の方が好きか。」
は?
「子犬の方が好きかって訊いてんだ!」
いや、大人の方が好きだ。
「・・そう・・か・・」
本当にどうしたんだ?
「や、俺って、お前の好きなタイプじゃねえのかなって・・」
・・なぁ。
「・・んだよ。」
撫でて欲しいか?
「やだ、撫でさせるのは良いが撫でられるのはやだ。」
そういうことだ。
「どーいうことだよ。」
気付け、気付か「される」のはイヤなんだろ。
「・・俺は、お前にとってタイプだってことか。」
多分な。
「なんだよ、それ。」
好きなタイプにしてやる、ってのがお前だろ?
「・・むぅ。」
可愛いな、お前は、やっぱり。
「・・その言い方、気に食わねえ。」
じゃあ、好き?
「なーんか、足りねえ。」
・・・・・
「分かんねえか?だったら・・」
どうした?急に後ろから抱きしめて・・
「へへ、後ろからギュウってすんのは母ちゃんとかのすることだろ?
だったら、俺は上ってことになるぜ!」
・・そっか。
「んだよ、つまんねえ反応・・っておい、まだ寝んなよ!
俺はまだお前から答えは」

愛してる。

「ふぁっ!?」
これで良いか?
「・・良くねえ。」
ん?
「・・姉ちゃん、愛してるって
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