スカイライド!

「あん?こいつと俺の事を取材したい?」
俺は目の前のカラステング、
双葉実(ふたば みの・・る・・りだっけか?)さんにそう尋ねる。
「ええ、是非とも。」
「ふむ・・。」
即答されたので、相棒のワイバーン、ブリットに視線を向けた。
「良いか?」「良いが・・良いのか?私たちの悪い癖が・・」
「ほう!」
悪い癖。
その言葉が出た瞬間、実さんの表情がパアッと輝いた。
「是非とも見せてもらいたいですね!
最速と呼ばれた二人の悪い癖ともなれば!」
その食いつきように、俺は苦笑した後。
「・・じゃあ、隣で飛びな。」
そう言って、俺はブリットに飛び乗る。
そして、俺達は空を飛び始めた。


さてさて・・。
どのような悪癖が出ますやら・・今のところ普通ですが・・ん?
「まずは自己紹介からか・・」
ほほう、自己紹介ならさっきやったような・・まぁ良いや。

「こいつと俺の能力の名は・・」
ん・・?纏う魔力の質が変わって・・!?
「ワイバーン・グッド・スピード!!
さぁあっはっは、行くぞぉ!!」
ちょ、いきなり加速っ!?しかもあんな、空中で直角移動っ!
うっ、風がっ!きゃあぁああ!?
「こいつと俺はどこだろうと、速く飛ぶことが、出来まー↑す!」
あの、置いていかな・・!
あ、でも音は聞こえる、集音性万歳。
って、音すら小さくなる!追っかけなきゃ!

「それはそうとこの世の理は即ち早さだと思わないか!?
物事を早く成し遂げれば、その分時間を有効に使える、
遅いことなら誰だろうと出来る、
200年あればワーシープも明緑魔界が作れる、
有能なのは月刊漫画家よりも週刊漫画家、
週刊よりも日刊だ、つまり早さこそ有能なのが、
文化いやさ魔界の、世界の基本法則!
そして俺とこいつの持論でさぁーぁあぁぁッ!!」

はぁ・・はぁ・・やっと止まった・・。
「あぁ・・2分20秒・・また2秒、世界を縮めたァ・・」


「大丈夫か?みのり・・さん?」
「はぁ・・はぁ・・みのる・・っです・・。」
振り向いて訊く。
うーん、やっぱキツかったか?
「なぁレイド、やっぱりハーピー属にはキツいんじゃないか?」
「・・やっぱそうか?」
話し合っていると。
「い、いえ・・この程度・・続きをどうぞ・・」
「続き・・か・・。」


え・・!?まだ飛ぶんですか・・?!
「・・実さんと言ったかな?特別に許すよ。
私の背中に乗ると良い。」
あ、ありがとうございま
「・・ふ、ふはははあっはっは!ふはァッ、ブゥラボォオォォォッ!!」
ァーッ!!?
ちょ、あの、スピード・・!

「今度は私が喋ろうかな!
みのりさん、私はこう思っているんだ!
旅ってのは素晴らしいものだと!
その土地にある名産!遺跡や景観を見ての交わり!
そこに住んでいる人々との性知識の交換!
新しい快感が私達の愛情となり、得難い絆へと昇華する!
しかし目的地までの移動時間は正直面倒極まり無い!
しかも、山とかあるしなァ!
だがその面倒な旅路を私達なら破壊的なまでに短縮できる!
だから私は旅が大好きなんだよ!
聞いてるかいみのりさん!みのりさァーん!?」

ちょ、
「ハァッ!」

「ヘァッ!」
だって
「ヘォアァーッ!」
急ターンを・・っ!!

「あァー↑ッ・・1時間50分38秒・・また世界を縮めたぁ・・」


「うう・・はぁ・・はぁ・・!!」
「なぁ、本当に大丈夫か?」
「ええ・・だいじょうっ、ぶです・・。」
・・本当かなぁ・・?
「っ・・次は・・二人の、出会いを・・。」
「ん〜・・分かった、私が話すよ。」


ど、どうぞ・・。

「えっとな?私とこいつは実は敵同士だったんだ、
まぁあれだ、教団だったんだよレイドは。
んでだな、私とこいつはよくある例の如く、戦場で会ったんだ。
でもこいつは山奥で負傷兵になっててな。
だから治療をしてやったんだが、
こいつの顔を見てる内にいつの間にか惚れてたんだよね。
んでもって人の出会いは先手必勝ってのが私の持論、
そうじゃなきゃ相手が誰かに取られてしまうことが多いからな、
つうことでこいつが起きて速攻で惚れてるって言ったんだけど、
まぁ、受け入れてくれるわけなんかねえんだよね、
寂しいのぅってなったんだけどまぁハメちまえばって、
考えた瞬間にこいつの後ろから女が来たんだよ。
・・ここまで良いかい?」
え、ええ・・まぁ・・頭の回転の速さだけは取り柄ですし・・

「ん、そりゃ良いことだ、頭の回転にしたって
速いにこしたことはない。
でだ、普通なら連れ去ってでもってするとこなんだろうが、
その前に女がこいつを引っ張ってって、
私が遅い?!私がスロゥリィ!?ってあの時は驚いたね、ほんと。
そんでもってよ、こいつのことを考えてオナって三夜、
ついにこいつと再会することが出来た訳なんだが、
私の事をやけに狙ってき
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