我輩はサキュバスである。名前はまだない。
……冗談です。ちゃんとマリーって名前があります。
ともかく私は魔界生まれの魔界育ち、どこにでもいるごく平凡なサキュバスである。
私の今の住処は反魔物領にある洞窟。なんでこんな住みにくくて危険な所にいるのかと言うと、理由は簡単、男探しだ。
反魔物領にいれば、おのずと人間から目をつけられるし、何もしなくてもただいるだけで勇者が討伐しに来たりする。要するに、洞窟の中でゴロ寝してるだけでも男がやってくるというわけ。
本当に討伐されちゃうリスクもあるけど、私はサキュバス。魔王様が代替わりして以来、私たちサキュバスはそれ以前に比べてかなり高位の魔物になっている。だから、そこらの冒険者や勇者にはそうそう負けることはない。
……そう思ってここに引っ越して来てはや4ヶ月。私は既にやる気を失っていた。
なぜなら。
「貴方がサキュバスね!貴方の悪事は全てお見通しよ!覚悟しなさい!!」
……どういうわけか、女しか来ないのである。
「くっ、この!放しなさい!!」
とりあえずバインドの魔法で自由を奪っておく。もうこれで7人目だ。
なんなんだこれ。嫌がらせか。嫌がらせなのか。
…いや、どっちにしろHして仲間にするだけだし、女の子とするのもそれはそれで気持ちいいんだけど、これだけ男が来ないとだんだん嫌になってくる。
「私をどうするつもり!?」
勇者がわめく。正直うるさい。さっさとHしてもっと可愛い声をあげさせたいけど、さすがに7人目となるとモチベーションが上がらない。勇者って大抵同じことしか言わないから、すぐに飽きる。
大体どうするつもりって、サキュバスなんだからそう言うことするつもりに決まってるでしょうに。今時魔物が人を殺すなんて思ってるのは教会の連中くらい…
あ、いい事思いついた。
「…うふふ、ご所望なら殺してあげてもいいわよ?」
「…くっ…!」
出来るだけ邪悪な笑顔を浮かべつつ、いたぶるような口調で言う。
無論、殺す気はさらさらない。
「心配しなくても殺したりなんかしないわ。だってあなた、可愛いんですもの。殺すにはもったいない…」
「…な、何を言って…んっ!」
唇を強引に奪って、舌を口の中に押し入れる。
「んっ…ちゅ…ちゅる……んちゅ………」
「むんんっ?!う、んん、ん……んん…」
舌で丹念に口内を犯しつつ、魔力を含んだ唾液を送り込んでいく。
始めは戸惑う素振りを見せていた彼女も、次第に抵抗の力を失っていくように見える。
「ちゅ、ちゅっ…ぷはぁ♪」
「ん、んっ…っ、はぁ、はぁ…」
銀色の糸を引いて離れていく私と彼女の口。
息を荒げ、彼女は前の方に崩れ落ちる。
それを私が体で受け止める。
「っ、あ、わ…わたしに…何をした…の…?」
彼女の頬はすっかり紅潮し、目もとろんとしてしまっている。体にも思うように力が入っていないようだ。
「…ふふ、私の魔力がたっぷり入った唾液を飲ませてあげただけよ。おいしかったでしょ?体が疼いて仕方ないでしょう?」
「…く、わ、私は、こんなことじゃ…」
私の言葉になおも食ってかかる彼女。
…そんなことより、出来れば私の台詞の説明臭さに突っ込んで欲しかったんだけど…やっぱり勇者って余裕が足りてない。
「そう言ってられるのも今のうちよ?えいっ☆」
「…なっ、私の鎧が?!」
魔法で彼女の鎧と服だけを消し飛ばし、彼女の発育途上な裸体が露わになる。
…原理は気にしてはいけない。魔法とスケベ心の力を舐めてはいけない。
ご都合主義こそがこの世の真理だ。
「まだまだ子供だけど、やっぱりいい体してるわぁ…ぺろっ♪」
「…な、んっ、んひゃあぁっ!」
可愛らしい乳首をひと舐めすると、甘い声が上がる。
それから指先で同じ所をくりくりしてあげる。
「あら、可愛い♪」
「んひ、な、なんなのっ、さっきから、なんのつもり…ひゃあん!」
「うふふ、じゃあ教えてあげる。貴女の事が気にいったの。すごく可愛いから。だから、貴女は殺さずに、私と同じサキュバスにしてあげる」
「え…」
彼女の表情が一気に凍りつく。…よし、この辺りがいじめ所だ。
「そうよ。貴女は勇者から、邪悪で淫らな魔物になるの。そして魔王様にその身を捧げて、この世に破滅と混沌をもたらす手助けをしてもらうわ」
「…そ、そんなこと誰が…あんんっ!」
…自分で言ってて恥ずかしくなってきた。何よ破滅と混沌って。そんな物もたらして魔王様にも私達にも何の得があるってのよ。こんなこと真顔で言える教会の連中って万年中二病なのかしら。
…要するに、今やっていることはマンネリ打破のための小芝居なのである。
あえて教会が言っているような邪悪な魔物像を演じることで、もしかしたらいつもと違った反応が得られるかもしれない…という期待の下、私は赤
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