目にまぶしいほどの青空の下。
弱い波に揺られる小舟に男が一人。
彼は持参した袋から釣り竿を取り出し組み立てている。
男の狙いは何だろうか?
タイ? スズキ? メバル?
どれでもない。
竿を組み終わると男は服を脱いで自慰を始めた。
彼は露出癖のある変質者なのか?
いいや、違う。
男は自らの手で放出した液体を一度ビンに溜め、海面へばらまいた。
これは撒き餌なのだ。
そして釣り糸の先にルアーを取りつける。
そのルアーも普通の釣りでは考えられないものだ。
どう見ても今まで穿いていた男性用パンツにしか見えないのだから。
男はルアーを付けると撒き餌をばらまいた辺りに針を沈める。
そして待つこと数分。
弱い力で竿がクイッ、クイッと引っ張られる。
これは獲物が興味を持ってルアーをいじっている感触だ。
もちろんその程度ではパンツが外れることなどあり得ない。
だが放っておけば、いずれ強い力で引きはがされるだろう。
なのでその直前に―――引き上げる!
「そんな餌でこのアタシがタコー!」
勢いよく船上に引き上げられたのは女の上半身にタコの下半身を持った魔物。
スキュラである。
「あー、釣られちったー。おにいさん釣りが上手いねぇ。
さっそく味見してよ、味見。海産物は新鮮なうちが……って、ん?」
スンスンと鼻を鳴らし男の匂いを嗅ぐスキュラ。
「んんー? おにいさんインキュバス? 嫁さんいるの?」
魔物にのみ感じ取れる匂い。
これは自分の物だと主張するような他の魔物の香りが男には染みついていた。
その通り、自分はすでに妻がいる。
男は既婚者ということを隠さずに教える。
「じゃあ浮気? アタシはいいけど嫁さん怒んない?」
すでに妻がいる相手なので、スキュラもそこまでがっつきはしない。
大丈夫、許可はもらっているから。
男はスキュラにそう言うと身の上話を始めた。
確かに男は魔物と結婚している。しかしその相手はフェアリーだった。
キスをすること、交わること、子を産むこと。それらは問題なくできる。
だが抱きしめ合うことはできない。
口づけをしながら激しく交わることができない。
行為後に相手のぬくもりに包まれて眠ることもできない。
もちろんフェアリーは魔物として男に十分な愛と快楽を与えているし、男の側もそれに返している。
しかしサイズの差はどうにも埋められない。
男はどうしても他の魔物と比べて寂しさを感じてしまうのだ。
そんな男に対しフェアリーは一つの許しを出した。
他の魔物と付き合ってもいいよ、と。
「そっかー、おにいさんも大変だったんだねぇ……」
単純に性欲を持て余して…などという理由でないことを知り、同情したようにうんうんと頷くスキュラ。
そんな彼女に対し、フェアリーと同じように大切にするから付き合ってくれと男は頭を下げる。
「そんな頭下げなくてもいいよ。嫁さんと同じぐらい愛してくれるってんなら問題ナシ!
アタシの方こそお願いねー!」
スキュラは笑ってお付き合いしましょうと言う。
男はその答えに安心すると、そっとスキュラに口づけをした。
「んー……ぷぁ……。やっぱおにいさんみたいに積極的な男はいいねぇ。
じゃ、ぎゅってしよっか。…えへへ、抱き合うのはアタシが初めてなんだよねぇ?」
女との触れあいに疎いインキュバス。すでに妻がいる男の初めてを奪う。
この奇妙な事態にスキュラは男への愛情が高まっていくのを感じた。
海中で暮らす魔物は基本的に厚い服を着ない。
胸と腰を隠す布を取ってしまえばすぐ裸だ。
強い陽光の下、スキュラは自分の体を見せつける。
上半身は美しい女。
下半身は女性器までが人間で、そのすぐ下はラミアのように両足が一体化しており、そこを根元に八本の触手に分かれていた。
スキュラは裸の男の胸に自分の胸を密着させる。
「ほーらおにいさん、あなたの胸に女の子の生おっぱいが当たってるよ。
ふにふにして柔らかいでしょ? 手でさわってもいいんだよー」
目立って大きいわけでもないが、フェアリーと比べれば雲泥の差。
実質初めてといっていい女性の体に欲望を覚え、男は少し身を離し胸をいじり始めた。
「んっ…そうそう、こねくり回すと気持ち良いんだ。で、ぎゅって搾って……」
男がこれほど女の胸をいじったのは乳飲み子以来だろう。
どこか懐かしい感覚にスキュラの乳首に吸い付く。
「ひゃっ! そ、そんなおっぱい吸っても何も出ないよぉ…!」
赤子のように男はスキュラの胸を吸う。
口だけではなく手も使い、なにかを搾り出すように胸を弄る。
「アタシのミルク飲みたいなら、おにいさんが、孕ませてくれないと……っ!」
しばらくの間男はちゅっちゅっと音をたて吸っていたが、やがて満足し口を離す。
「あ、終わっ…た? もー、軽くイっちゃっ
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