「船長ーーー!!!!
渦潮だぁー!!!!コイツはデカいですぜー!!!」
僕の乗っている船の行く先に、波の渦が出来ている。
「何だとォ!?この辺じゃこんなに大きな渦潮は滅多に出来んのだがなぁ!!
緊急事態だー!!!総員、至急、帆を張れ!!!渦から脱出だあ!!!」
おいおい、この渦潮どんどんデカくなってるぜ。
間に合わないんじゃないか?
「ボサッとしてんな!!!お前も手伝え!!!」
「はい!!!」
稼げるって言うから小遣い稼ぎの気軽な気持ちで船に乗る仕事をしたは良いが、こんな目に遭うなんて聞いてない。
行きの3日と帰りの3日で、半月以上の稼ぎになるなんて話が上手すぎたんだ、それなりのリスクがやはりあるもんだ。
それにしたって、この海路はかなり安全って話だったんだがなぁ…。
「オーエス!オーエス!」
〜〜〜〜〜〜
「船長!帆を張り終わりました!」
「…あぁ。それなんだがな?もう意味がなくなっちまったぽいな。
もう逃げられん。
こんだけ大きい渦に飲まれたらどうしたって無理ってもんだ。
後は、海の神様に祈るしかねえ。
まぁ、魔物の仕業だったら生きて帰れる事もあるかもしれんが、それだってどうなるか分からん。
おっかねえ魔物に捕まっちまえばタダじゃ済まんだろうしな。
この船が完全に飲まれる前に小型のボートで逃げた方がまだ希望はあるな。
おめぇは只の日雇いだろ。
はよ逃げろや」
「そんな!じゃあ、船長は!?」
「船長が真っ先に逃げてどうするよ!何とかならぁ!気にせず早よう行け!!!」
お、漢だ。これが海の漢だ…。
「は、はい!」
小型ボートを海に降ろし、乗り込む。
もう巨大な渦潮に差し掛かろうとしている。
早く逃げなければ。
僕の他の乗員を見回す。
5人。全員、僕と同じ日雇いの若い男達だ。
この船の船員達は皆、ボートを辞退して、船に残るのか。
天晴れ、漢達。
出発するこの小型ボートに浮き輪が人数分投げ込まれる。
「多分この中で1人!多くて2人だ!他の奴らは浮き輪で何とか生き残れよ!!!」
ん?何の事だ?
よく分からないまま小型ボートと船を繋ぐロープが切られる。
そうして、皆で力を合わせ、オールを必死に漕ぎ渦潮からの脱出を図る。
「オーエス!オーエス!」
船とも大分距離が離れた。
もう少し漕げば完全に渦潮から逃れられるだろう。
船長、船員、皆立派な人達だった。
感慨深く、船の方を望むと、なんだか様子がおかしい。
船の行く先にあった大きな渦潮が弱くなっている気がする。
ん?
おかしいぞ。
それになんだか、やけにこのボートが揺れる。
ん?何故?
沢山の渦潮がこのボートの辺りそこら中に出来ている。
え?
ボートが渦潮に乗る、ぐるぐると渦に巻かれて操縦が効かない。
ぐるぐると流され飲まれ、ボートが転覆してしまいそうになる。
全員で何とか力を合わせて頑張って漕いでいるが、こんな小さなオールがいくつあったって意味が無い。
遂には、ボートがひっくり返った。
皆、必死にもがくが、駄目だ。
渦に飲まれてしまう。
ゴボゴボと渦に攫われ、意識も遠くなって行く。
沈む、沈む。
僕の意識も暗い所に沈んでいく。
目の前が真っ暗になった。
「んちゅ…んちゅ。ちゅぱ…ちゅぱ…」
気持ち良い…体の至る所が気持ち良い…
特に下半身が
「んん…此処は?」
「あっ。。
目覚めましたか?…あっ、あのっ此処は海の中です…今っ!私の魔力で海の中でも生きられる様に…してたんです…!///」
目を覚ますとそこは海の中で、目の前には、癖っ毛の髪をした、幼く、大人しそうな、例えば美術部にいそうな文学系のかわいい子がいた。
ん?海?
「…???海?」
…!!!!!???!!
僕、海の中で呼吸が出来ている!?
どうなってる???
「あのっ…!人間はそのままだと水中では生きられないんです…だから、私達魔物が魔力を注いであげないと、、なので…私が…あの…こうして///」
!!!???この子!!!
裸だ!!!
!?ていうか、俺も裸だ!!!???
「えぇ!?き、君は!?魔物!?
何で裸なの?」
「は、はい…。フジツボって言えば分かるでしょうか?
その生物とよく似た魔物です…「カリュブディス」って言うんです…この岩場に張り付いて生活しています。
普段は渦潮を起こしたりして、す、好きな人!を…見つけたらこうして…海に誘っています…。
で、でも!私がここまで招いた人はアナタが初めてです!!
…こんな風に体を重ねるのも…///」
!!!???!!!?
やけに下半身が熱く、蕩けるように気持ちが良いと思ったら、俺、彼女と繋がっている!?!?
すっ裸で、女の子と向き合って、知らぬ内にギンギンの俺の棒
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