休日の過ごし方A

さて、マー君に餌はやった。
今月はテストがあるので勉強は多めにやっておかねば…

「じゃ、よろしくなっ!センセェ!」

「自力で解け、俺はお前に教える事なぞ何も無い」

「そんな…!」

「じゃあこうしよう」

「おっ!なんだなんだ?教えてくれるなら何でも承るぞ!」

「よくやった、お前は俺を越えた…免許皆伝だ。教える事はもう何も無い」

「言い方を変えただけじゃないか!?」

今日も今日とてコイツはウチに上がってきている
目的は"一緒に勉強"らしいが実際はノートの丸写しとお喋りのみだ
もう一度言うがテストが近い。やはり俺もまともに勉強はしておきたいのだ。

「はぁ…お前も学生なんだから少しは勉学に励む姿勢を見せたらどうなんだ?」

「何を言う、アタシは脳筋の鬼だ。アタシに勉強しろと言う事程無駄な事は無いのだよ」

「じゃあ教えなくても良いな、俺はこの前の復習するから邪魔するな」

「それと〜これとは〜別!」

この角付きタランチュラめ…

「わかった…もういいよ。教えてやるから自分で進めて、解らなくなったら聞け。いいな?」

「オッケーオッケー!話が分かるね、アンタモテるよ!…所で」

「何だよ」

「こ、ここからもう解らないんだけど…」

「はっ?」

「いや、だから…」

「…ハァン?」

「ご、ごめんなさい…最初だけ自分で解きまふ…後で答え合わせしてくらはい」

「よろしい」

「うぅ…シータうんとかアルファがほにゃらら…」

なんだか呪文を唱え始めたが取り敢えずやり始めたので良しとする
これで少しは安心して進められるか


― 一時間後 ―

「うーん…一応少し休憩するか…座り疲れたし」

「う…」

「おや、面と向かって机に付きっきりとは勉学に精が出るね」

「に…ににんがコサイン…タンジェントの法則ぅ…」

ダメだ、突っ伏してるからわざとだと思ってジョークかましたが割と惨事だ


「おい、取り敢えず返事が出来るならしてくれよ。俺は休憩がてら菓子を取ってくるが…お前も食べるか?」

「いるふぁ…」

本当に大丈夫かコイツ


……………………

「いやー、生き返った!恩に着るよ旦那!」

ガツガツと三袋分の菓子を食われた、今食べている四袋目も底を突いてきている
嗚呼、俺のかりんとう。

「本当に調子が良いなお前は」

「当然も当然、美味しいものはアタシのパワーだ!」
まるでどこぞのゲームのお菓子を食べたらHPが回復する魔界の住人の様だな…

いや待てよ、コイツ等も一応魔物なんだよな…魔物とは魔界の住人で、つまりそういう事なのだろうか
…いや、あれはゲームだ。ゲームと現実は混同するものじゃない。もし、例えそれが何かの間違いで本当だとしても。

「じゃあパワーも蘇った事だし、勉強続けるぞ」

「い、いやー…物は相談なんだけど…」

「なんだ、言ってみろ」

「…もうちょっと美味しい物があればもう少し続けられるかなぁ…なんて」

「ふむ、では亀の餌はどうだ」

「人にとっては美味しくないよ!」

「つまり魔物なら大丈夫だな」

「前々から思ってたがアタシに対するその冷たさ…アンタ教団側の人間か…魔物を滅ぼす気なのか…」

「バレたか…実はな」

「う、嘘だろ!?」

「いやそれが…」

「やめろ!聴きたくない!例えアンタが教団側の人間だとしてもアタシは…」

「当然嘘だ」

「ハ、ハッハー!だと思ったよ!ジョークだよな!うん、ジョーク!」

「お前は自分がいつから俺と一緒に居ると思ってるんだ…」

「そ、そうだよな。うん。…所で本当の所は…」

コイツ疑心暗鬼になってやがる。疑うな、茶番だよ茶番

「本当の所も何もお前が一番よく知ってるだろ。本当に教団側だったらこんな所にも居ないし、お前に菓子も与えてない」

「なんだ…うん、心臓に悪いなぁ」

「ほら、もう菓子全部食べたろ。勉強再開するぞ」

「ハッ!お、美味しい物ぉ…」

「知らんね」

―――――――――
――――――――――――――――――

その後、一進一退ありながらどうにか勉強を終えた
五分毎に謎の呪文が詠唱されたり、20分毎に頭から煙が出たりしたが何とか無事に終わった
最終的にはもうかなりのグロッキー状態だった。そこまで疲弊するとは…本当に大丈夫なのか本気で心配になる

「い…一日が長かった…」

「そうか?俺は勉強とお前の世話で一日中忙しかったがな」

「お疲れさまです!センセェ!」

「はっはっ、世話になっといて他人事か。ぶっ飛ばすぞスパイダー」

「あ。それで、今日のご飯は?」

「…えっ、帰らないの?」

「い、いやいや!聞いただけね?うん、聞いただけだから。うん」

くぅ…きゅるるぅ…

「………」

「あ、アハハ、な、なんか居るね。動物?もしかし
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