EP.T Act.U「遠征」

外側のダクトにもフェンスがある。まずはそのフェンスから軽く周りの様子を見て、問題がなければフェンスを開けて、外に出る。

アッシュ「大丈夫そうだ。出るぞ。」

ダクトから出る。

フィラー「あの化け物達はここまで辿り着けないと思うけどねぇ。」

すぐ横にあるエアコンの室外機をみる。問題なく動いているようだ。
2階のダクトから出ているのもあって、今いる場所の下にある大きなダストボックスから登らないとこのダクトには辿り着けない。

アッシュ「この真下は何室だったかな……。まぁ、窓がないから化け物も居ない、いても数匹程度だから出入口としては上等だろう。」

フィラー「全くだな。」

ダストボックスの上に降りて、そこから地面へ降りる。ここは警察署の裏手の方だ。やはり周りに化け物は居ない。

アッシュ「この状態が続けばいいんだが……。」

フィラー「いざとなったら直ぐに戻るだけだぜ、アッシュ。」

アッシュ「それもそうだな。……目的地はここから東にあるガソリンスタンドと食料品店。……先にガソリンスタンドに行った方が良いだろう。」

フィラー「オーケー。で、どのルートから行く?」

モーノスタ・シティの地図帳を開く。

アッシュ「定石通り裏道を進んでなるべく化け物を避けて進もう。気付かれたり行く手を阻まれたら……。」

フィラー「倒す。当たり前だな。武器はあるよな?」

アッシュ「勿論、お前と同じバットだが。」

フィラー「なぁに、振り回せれば何でも武器だ。」

地図帳をしまう。

アッシュ「よし、行こう。」

大通りほど化け物が多く居る。
建物と建物の間の道を進み、目的地へと近づいてゆく。

フィラー「うぁぁ、やっぱいつ見てもヤバいわ……。」

アッシュ「喰われてる奴の事は見るな。足が動かなくなるぞ。」

時折聞こえる嬌声と跳ねるような水音、酔い倒れそうな匂い。
化け物達が人間に喰らい着いている時によく聞く音とよく漂う匂いだ。
いつになっても慣れそうにない。

アッシュ「待て!」

裏道を進もうとしたがこの裏道にも化け物に喰われている人間がいた。

アッシュ「他の道を探そう。」

フィラー「分かった。」

回り道を繰り返す。

アッシュ「流石にキツいか……。」

物陰から様子を見る。

フィラー「……向こうの道路から行った方が早いねぇ……化け物が6体いるけど。それもご丁寧に道を塞ぐように!」

アッシュ「なら……。」

フィラー「倒した方が早い。俺は右の奴から殴ってく。アッシュは左の奴から頼む。」

アッシュ「了解。」

武器を構える。

フィラー「3つ数えたら行くぞ…………3…………2…………1…………GO!!!!」

フィラーと共に走り、化け物に殴りかかる。
化け物は驚いたような表情をしたように見えた。

ゾンビ「んぁ……?!ぉ"っ……!」

鈍い殴打音。

化け物が倒れる。

幸いこの化け物は動きが遅い。

ゾンビ「あ"ぁぁぁーーー!!ん"ぅっ──ぅ"─!!」

掴みかかられそうになってもナイフを刺して押し退ける。それと同時にナイフも引き抜く。

倒れている化け物に足を掴まれる

アッシュ「放せっ!! 」

振りほどき、そのまま踏みつける。

ゾンビ「ぁ"っ──!!」

立っている化け物に目を向ける

フィラー「あとそいつだけだ!!」

残った化け物に走り寄り、バットで胸の中央目掛けて突き飛ばす。

ゾンビ「ぁ……お"!!」

突き飛ばされ倒れた化け物の顔面目掛けてバットで追い打ちをかける。

ゾンビ「ん"ぉ"──」

アッシュ「はぁ……はぁ……増援は……!」

フィラー「大丈夫だ……!はぁ……ナイスキル……はぁ……。」

アッシュ「急ぐぞ……。はぁーー。」

今はもう疑問に思っていないのだが、何故か徘徊しているのは女性のような形をした化け物ばかりだ。攻撃を躊躇させるためにあの形になったのかもしれない。

適度に水分補給をしながら走り進んでいく。

フィラー「あった!ガソリンスタンド!」

アッシュ「コンビニも併設されている奴だな。ここは前の遠征でも来たな。」

フィラー「でも食料の質を確保したいなら……向こうにある食料品店だな。」

アッシュ「あのコンビニでは遠征する上での補給程度にしておこう。」

フィラー「オーケー。」

ガソリンスタンドに付く。外からでもコンビニの店内には2体程の化け物が居るのが分かる。

フィラー「チッ、やっぱ居やがるかぁ。」

アッシュ「倒してからの方が良さそうだ。……自分達を追いかけてくる化け物は居ないな。」

フィラー「走ったお陰だな。」

アッシュ「自分はあの窓ガラス側にいる奴をやる。フィラーはカウンターにいるのを頼む。」

フィラー「はいよ。……また律儀にカウンターにいるんだなぁ…。」

武器を
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