梅雨のある日の午前中。
館の居間にある窓から畑を眺める男がいた。彼はその畑の持ち主で、この日は畑仕事ができないと判断し居間でくつろいでいたのだ。
ばたん、と居間の扉が開く音がしたので扉の方を見ると男の妻であるナスターシャが部屋に入ってきた。彼女は赤いジャージを着ていた。
「今日は室内トレーニングをしましょう。」
彼の座っているソファに座るなりナスターシャはそう言ったのだった。
「…お前スポーツでも始めたの?」
「んなわけないでしょ。汗ばんだ体で体臭責めをやりたいのよ。」
「…。」
「嫌?」
「…いや、やりたい…。」
「素直でよろしい。」
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梅雨とは難儀な気象現象で、普通に過ごしている分には問題ないのだが、一度激しく体を動かしてしまうと高い湿度の仕業なのか暫く汗が止まらなくなる。2人はまるで中学校の運動部員がやるようなトレーニングメニューをこなすと汗だくのまま居間に戻った。寝室でやるのも考えたが、愛液でベッドが汚れるならまだしもベッドが汗で汚れてしまっては、暫くはベッドで寝られた物ではないだろうと判断したのだった。
ここ最近の雨で外に出れなかった2人は久しぶりに本格的な運動をしたらしく、絨毯の上で暫く四つん這いになって息を切らしていた。
「...張り切りすぎたわね…」
ナスターシャはジャージの上着を脱ぎながら呟く、ジャージの中からピンクのブラジャーに包まれた彼女の胸があらわになった。
「ああ…少し休憩…。」
「駄目…、せっかくここまで汗をかいたんだから。」
ナスターシャは膝立ちの姿勢になり、片腕を水平になるように挙げる。汗ばんだ彼女の脇の下があらわになった。
「ほら、いらっしゃい。」
言葉に従い、彼は赤ん坊のようにハイハイでナスターシャに近づき、彼女の脇に顔を近づけ彼女の匂いを吸い込む。ナスターシャはヘッドロックをするように彼の頭を脇を閉める事で固定した。彼女の脇は脇毛の処理はされていたが、脇から漏れる匂いは香ばしかった。
暫くして、ナスターシャは脇を開いて彼の頭を解放する。
「どう?」
「君の匂いがする。」
「ふふ、当たり前でしょ。」
「ごめん。」
「すぐあやまらない。…いけない、特別ゲストを呼んでいたの忘れてた。」
「ゲスト?」
「入ってらっしゃい。」
ギぃ…
夫はドアの開く音の方に顔を向ける。
「サリア!?」
サリアと呼ばれた少女は居間と廊下をつなぐ扉から少女が入ってきた。彼女は普段はメイド服を身に纏っているのだが、今日は体操着の出で立ちで、紺色のハイソックスを履いていた。彼女はマンティと呼ばれる種族で腕には鋭利な鎌が収納されていた。
「お前、その格好…。」
「私がお願いしたの。サリア、しっかり汗かいてきた?」
「…はい、ナスターシャ様。」
サリアもまた激しい運動をしてきたらしく、薄暗い居間でもわかるぐらい彼女の体は汗にまみれ、呼吸も少しばかり荒れていた。
「サリア、無理してこんな事につきあわなくても…」
「…ご主人様。これは私が望んだ事です。」
夫はこの屋敷の「ご主人様」はナスターシャで、雇用契約上でもナスターシャが彼女の雇い主であるにも関わらず、日頃から彼女が自分の事をご主人様と呼ぶ事に疑問を抱いていた。しかしサリアは臨戦態勢そのもので、そんな事を質問のやりとりをして彼女の気が萎えてしまったら自分にも彼女にも損であると考え、今日もまたその疑問を頭の中から追い出した。
サリアは2人の方に向かってゆっくりと歩いてくる。重度の脚フェチである夫は彼女の筋肉が程よく乗った健康的な彼女の脚に目をやってしまう。妻以外の脚を見つめた事に若干の罪悪感を感じ、夫は視線を外す、そんな彼を見たサリアは自分の脚を見つめてくれていた事に嬉しさと恥ずかしさが入り交じり、顔を僅かに赤らめたが2人には気づかれなかった
「失礼します」
すぐに気持ちを切り替えたサリアはそう言うと、ナスターシャとの打ち合わせで言われた通りに片方のソックスを脱いでそれを”ご主人様”の鼻に優しく押しあてた。
「はい、鼻で深呼吸。」ナスターシャは悪戯な笑みを浮かべながら夫に命令した。
スーッ、ハーッ。
夫が静かに深呼吸をし、サリアの臭いを記憶するかのように味わう。
「…。」
心配そうに見つめるサリアの顔が視界に入る。
「大丈夫、サリアの臭いすごくいい…。」
夫は彼女に優しく語りかけた。それを見た彼女は安心の笑みを浮かべる。
「…うれしい。…もっと吸って…下さい。」
ゆっくりと、しかし偽り無く自分の気持ちを表す言葉を選び、彼女は自分のご主人様に自分の思いを伝えた。
ナスターシャは彼女に手伝わせるだけのつもりで呼んだのに、彼女がこんなに責めに積極的である事に少し驚いていた。彼女のカンからし
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