照れた顔を浮かべている小吉様が、その手で私の頭を撫でる。
一緒に触覚を撫でられ、少しこそばゆさを感じるがそれ以上に心地良かった
そして未だに衰えていない肉の棒と、濃い毒を滴らせている私の穴。
小吉様の上に乗り上がり、それを摺り合わせる。
これが本来はどういう意味を持つ行為なのか小吉様の目を見れば分かった。
これは人が「子」を成す行為。
いくら腹から上が人間と同じに見えても、私と小吉様は根本から何もかも違う。
行為だけ同じでも、子が出来るわけがない。そもそも百足は交尾を必要とせずに子を成す。
この先に待つ物が無意味であったとしても、それでも望まずにはいられない。
「子がほしい。小吉様との、子が」
そう思うと居ても立ってもいられず、隙間を埋めるように体を抱きしめる。
小吉様もそれに答えるように私の背へ手を回し、引き寄せてくれる。
小吉様は私の耳元に口を寄せると、小さな声で「続けても良いか?」と聞いてきた。
それはそれまでの「悲しそうな」声ではなく、本当の意味で私の意志を確認するものだった。
私も抱きしめる腕に力を込め、「どうか、続けてください」と答えた。
その言葉を聞いた小吉様は私の体を浮かせると、肉の棒を穴の入り口に合わせる。
ぬちゃりと厭らしい音を立て、飲み込むように小吉様を導く。
入り口の大きさから言って、私の穴は肉の棒よりもだいぶ小さく感じたが本当に入るのだろうかと少しだけ怖くなった。
『では、入れるぞ』
小吉様はそう言って私の腰を自らの体に引き寄せる。
『はっ・・あっ・・・』
ぬるりと滑る様に先が進入する感覚に声が漏れる。
ずぶずぶと私の体の中を進んでいた肉の棒が途中で止まり、何かに詰まっている感覚が私にも分かった。
『・・・・・?』
私にはそれが何か分からず、小吉様の顔を見て首を傾げる。
『これは、女が初めて男を受け入れる証だ』
小吉様は少しだけ顔を赤くしてそう教えてくれた。
『はぃ・・私は、小吉様が初めての番です・・・』
そう、私は何百年と生きてきたが番を持って子を成したことはなかった。
だから、百足としても女としても小吉様が初めての番だった。
小吉様は私の言葉に更に顔を赤くしたが、とても嬉しそうな顔をしてくれた。
『初めての番か・・・では、俺はお主と夫婦になれるのだな』
そう言って笑みを向けた小吉様が優しい声で「続けるぞ」と言うと、私の腰を更に引く。
『くぅっ・・!ひ・・ぃっ・・・』
狭い穴を抉じ開け、肉の棒が進むと微かな痛みが走るが、それ以上により深いところで小吉様と繋がっているという事実が私を満たしていく。
「痛むか」という小吉様の心遣いに頭を振り、大丈夫だから続けてほしいと懇願する。
「もっと深く。私の体の一番深いところで繋がりたい」
『あっ!・・・はぁっ!』
ぬちっと音を立て、私の腹と小吉様の腹が触れ合う。
少し百足の体が邪魔ではあったが、そんな事はすぐに忘れるくらいの感覚が体を襲う。
全て収まった。
下を見た私の目に入ったのは、隙間なくくっ付いた私と小吉様の体だった。
そして膨らむ満足感。体も心も両方を満たし、そして包み込む。
『翡翠っ、お主も気持ち良いか?』
歯を食いしばり辛そうな顔をする小吉様が私にそう投げかける。
『き、きもちっ・・いい?』
私には分からない感覚。
「きもちいい」とは何だ?この体と心が満たされる感覚のことか?
「好き」とは別なのだろうか?
『俺は、この上なく気持ち良いぞ?体も心も満たされ・・幸せで、堪らないっ!』
ああ、この満たされる感覚。
これが「きもちいい」か。
分かる、分かります。
私も、「気持ち良い」
『はいっ!私も・・気持ち良い、ですっ!』
私の答えを聞いた小吉様は小さな声で「良かった」と言って私の腰を撫でる。
それだけでも満たされるが、さっきの満たされた「瞬間」が忘れられずもう一度味わうべく腰を上げる。
小吉様が伺うような顔で私を見ている。
その、少し怯えたような顔が私の背筋にぞくっとしたものを走らせる。
『あ、はあああ・・・!』
肉の棒がずるずると私の体内を引きずられ抜かれていく。
先の括れているところまで引きずり出すと、その括れて細くなっている部分が引っかかってこれ以上抜けてしまうのを拒む。
それがこれ以上は離れたくないという意思表示の様に見えて、愛おしさが溢れる。
そして、それを安心させるように一気に腰を落とし再び奥まで飲み込む。
『あああああああ!!!!』
ぱんという肉のぶつかる音と、ずちゃりという粘着質な音が巣穴に響く。
小吉様も「くっ!」と声を上げ、歯を食いしばる。
きっとあの液体を噴き出すのを我慢しているんだと分かった。
『がぶり・・・』
目の前にある体に欲求を抑えられず、顎肢を突き立ててしまう。
小吉様は小さく呻き
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