翌日。
特別寮にて、凱とヨメンバーズは黄泉と改めて邂逅した。
それも、瑞姫らヨメンバーズの一員として。
黄泉はその際、凱の過去の出来事や人間関係を記憶の限りで聞かされていた。
正しい事を言って咎めたのを逆恨みされ、親や教師の権力に心身両面で傷つけられ、強制的に奴隷として扱われ、冤罪や女性との悪縁を通じて社会的にも経済的にも大損害を負わされ、周囲のストレス解消の道具にされてきた事実。
その果てに、唯一の肉親だった実父を喪ったのだ。
それらを包み隠さず、凱は黄泉に伝えた。
とはいえ、凱は別に新妻女教師の同情を引こうなどとは思っていなかったし、記憶を半共有している瑞姫に余計な負担を背負わせたくなかったからこそ、自分の口で覚えている限りを伝えたのだ。
凱の告白に、黄泉は心底胸を痛めた様子で言ってくれた。「可哀想に」、「辛かったな」と。
真に愛する存在を見つけた黄泉は、その対象である凱をきつく抱擁し、何度も唇を重ね合わせ、耳元で熱く、そして愛おしく訴えた。
「オレの部屋行こうぜ」、と……。
黄泉はつまり、新妻として操を捧げる決意を固めていたのだ。
〈そうだ。これから、俺は……〉
女体の神秘も幻想も今となっては儚げに消え失せているものの、六人の魔物娘と経験したことは、彼の自信にも繋がっていたのも確かである。
されど、今だけは何も知らなかった童貞の頃に戻って、黄泉にすべてを委ね、オーガの荒々しさに身を任せ、甘美な世界に溺れたい――そんな思いがあった。
「準備があるから」と黄泉は先に帰り、結局、夕食後に凱は黄泉の部屋に赴く。
妙な期待感に胸を膨らませながら女教師が待つ部屋に足を進めると、自らの気を鎮めるように深呼吸をすると、扉を二度ノックし、声を確認して部屋に入る。
「遅かったじゃねぇか。新妻を待たせる気かよ」
少し呆れ顔の黄泉は言う。
もっとも、時間指定を忘れていた彼女も彼女だが……。
「……こうして来たってこたぁ、覚悟、できたんだろ?」
「そうじゃなきゃ……来ねえよ」
対等な物言いで、凱は黄泉の問いに答える。
これまで、彼女との関係は亜莉亜を介してのものだった。それがどういう運命の悪戯なのか、こうして妻の一人として迎えることになったのだ。
「学園長が防音の結界が施したって言ってたぜ。だからよ……こっからはオレと二人っきりで、しっぽりする時間だぜ……凱」
妖しげな微笑みをたたえつつ、ジャージのファスナーを下ろしてゆく黄泉。
凱は、豪華な大人のランジェリーを着けてきていると思ったが……。
〈スポーツブラ? いや違う、何だ?〉
ジャージの下から現れたのはスリップでも、キャミソールでも、ブラジャーでもなく、チェリーピンクに白いラインが入ったスポーツブラのようなものだった。
「ホントはスリングショットでもよかったんだがよ。ちょいと趣向を凝らしてみたのさ……と」
黄泉はもったいぶった口振りで言いながらジャージの上着を放り捨てると、流れるようにジャージのズボンを下ろしてゆく。
「あっ……!」
下腹部の装いが露わになると同時に、スポーツブラのようなものを着用していた理由も明らかになった。上と同じチェリーピンクに煌めく下着と思われたものは、白いラインが入った薄いナイロン製の陸上競技用のレーシングショーツだったのだ。
それによって凱は、黄泉が着ているものがセパレートユニフォームであるのを思い出した。
「それって……陸上の、セパレート」
「ああ、そうさ。オレ、中学からずっと陸上部だったんだ。トラックもフィールドも一通りこなせたから、高校大学じゃ混合競技メインだったんだ。まぁ、瑞姫のアドバイスもあったけどな……せっかくだしよ、気持ちだけでも学生時代に戻ろうって思ったのさ」
生唾を呑みつつ、身を屈めるようにして、右の腰骨の辺りに目を向ける。
縫い付けられたロゴは、女子部員らと同じスポーツメーカーのものだった。
「ああ、こいつは特注品さ。この色は流石に生徒にゃ着せらんねぇよ。まあ、生徒と同じモンじゃ芸がねぇってのもあるけどな。……どうだ? 気に入らねぇなら、部員と同じヤツも用意してあるぜ」
「そ、そんなことないっ! 凄く似合ってるから!」
一瞬、女子と同色の一枚を穿いた黄泉の姿が浮かぶが、色など取るに足らないことだ。そんな凱の心中を知ってか知らずか、黄泉は意地悪く笑みを返した刹那、さりげなく身を翻(ひるがえ)しながらベッドにしゃがみ込み、爛々と瞳を輝かせる夫に向かって、ブルマーの女尻を突き出してみせた。
「あぁ……」
迫力の構図で瞳に移り込む、チェリーピンクのナイロンヒップ。
完熟したハート形の双臀(そうでん)も、いかにも柔らかそうな肉付きも、青さが残る女子高生の尻とは比べようもない圧倒的なボリューム感だった。
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