最終訓練5:貪欲なる白虹の竜

竜騎士叙勲を終えた翌日、凱はいつもより早く目覚めた。
眠気を追い出すと、久しぶりの日課となる朝食作りに取り掛かり、瑞姫を起こさずに第零特殊部隊の隊舎に向かった。その途上、自分の朝食として作ったおにぎりを頬張っていたが。

隊舎に入ると早速アルトイーリスが待ち構えていたように出迎えた。

「この三ヶ月、よく頑張ったなガイ。昨日の行動には冷や冷やしたが、相手を自滅に追い込む機転は見事だった。私の鼻も高いというものだよ」

アルトイーリスは凱と瑞姫の成長を心から喜んでいた。
多数の反対勢力によって最終訓練と称したサバイバルを課された時、彼女に止める事は出来なかった。
凱を擁護したのは竜騎士団長アルトイーリス、「星泉」の二つ名を持つ龍・瑠珠(るじゅ)と「幻竜」の二つ名を持つドラゴン・シグニカの三人だけ。
反対勢力に次いで多かったのが、中立もしくは不干渉の立場を取った者達だった。
無用な争いを避けようと選択した者達が、望む望まないを問わず反対勢力を後押しする結果を招いたのだ。

事なかれ主義のような態度ではこの先、何かあった時に足を引っ張るだけにしかならない。
反対勢力以上に罰する必要があるとアルトイーリスは痛感させられた。
彼女は凱に「今日はもう戻ってミズキとゆっくり過ごせ。明日は女王陛下と共に会おう」と言い、隊舎から出て行かせた。
一人のドラゴンがアルトイーリスに話しかける。
 
「……よろしかったのですか?」
「あの二人は、この隊でおとなしくしている者達ではあるまい。辛気臭い別れをするより、こうした方が後腐れもない」
「隊長……」
「それに我らは……あの二人とまた会うことになる。私はそう信じている。さあ、我らも負けてはいられんぞ!」

アルトイーリスは話しかけて来たドラゴンに鍛錬を欠かさぬよう命令する。

こうして、第零特殊部隊から竜騎士として巣立った者として、凱と瑞姫の名が記録に残された――

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

邸宅に戻された凱は余りにも静かすぎる雰囲気に違和感を覚える。
自室に戻ると瑞姫が待ちかねたように抱き付く。

「あのね、お兄さん。話があって――」

瑞姫によると、朱鷺子は朝の内にフロゥを伴って邸宅を引き払い、風星学園へ帰還したという。
突然の事で瑞姫は驚くが、何かを察したような表情をしながら「先に帰ってるから、『二人で』ごゆっくりどうぞ」と言い残し、異世界転移用のゲートを使って人間界に帰っていったのだ。

再び二人だけの広過ぎる邸宅の空気が流れる。
それでも二人は見つめ合いながら部屋を出て寝室に向かう。

その途上で熱烈な口づけを交わしながら……。

「はむっ……んむうっ……むっふ、ちゅむっ……はちゅるぅ……。んっんっんふぅう……」

グチュグチュと淫靡な音が響くのも厭わず、二人は激しく口唇を貪り合う。
舌と舌を絡め合い、口腔を吸引したりされたりで、二人はおよそ一週間ぶりの交尾を待ちきれない状態となっていた。

くちゅるぅ……。ちゅぶっ……、ぬちゅぅっ、ずちゅるぅぅ……。

ディープキスだけでも体内の猛りを感じる。
互いに唾液を交換し合い、口の端からはしたなく零れ落ちようともお構いなしだ。
唇が離されれば、唾液の糸が伸びて互いを繋ぐ。

「あぁ……、わたし、もう……我慢できない」
「もう少しだけ、我慢だよ。ベッドまでもう少しだから」
「いやあぁ、はやく、はやくぅぅっ!」

瑞姫は性欲を抑えるのが限界に来ていた。
何しろドラゴンが一週間もセックスを我慢させられているのだ。並みの魔物娘の比では無い程に性欲が爆発寸前に達しているのだから、無理もない話である。

凱は今にも襲いかかりそうな瑞姫を抱きつつ、彼女を引き摺るように寝室に連れ込む。
すると予想通り、瑞姫は凱を抑え込み、軽く飛びながらベッドの中央に飛び込んだ。
やっとこの時が来た、と安堵の表情を浮かべる瑞姫は制服っぽくアレンジした衣に手をかけ、それを脱ぎ捨てる。露わになったショーツも迷いなく外す。

透けるような、下手をするとワイトのように白い肌には殆ど膨らみの無い、なだらかな乳房が凱の視界に移り込む。呼吸に合わせてゆっくりと上下しながら、先端の桜色の大きな突起が固くキュンと尖る。小さな胸でありながら、乳首の尖り具合は痛々しいくらいだ。
身体は既に、しっとりと汗で湿り気を帯びている。

幼い顔立ちと幼さを十分に残した肢体に反した妖艶な表情が、アンバランスさを妖しく際立たせ、凱の内にある劣情が脈打つように反応していた。
柔肌を隠しもしない瑞姫ではあるが、凱が自分の身体に興奮している事を察すると、身体中がほんのりと赤みを帯びていく。

「わ……、わたしの、身体で……そんなに、なる……なんて」

見れば凱のズボンには股間のイチモツが固く屹立している。たまらず瑞姫は「こん
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