竜騎士の第一歩は交わりから

逆鱗亭での食事を終えて屋敷に戻った凱と瑞姫。
けれど二人を待っていたのは、どうしようにも無い性欲の滾りだった。
凱が放つドラニオンの口臭は瑞姫の欲情を高め続け、凱の体内も溢れんばかりの精力に満ちているのだから、当然の事である。

立ったまま互いを見つめ合い、同時に動いてキスを交わす。
互いを貪り、抱き合い、離す事も無く、舌と唾液を際限なく絡め合わせ、混ぜ合わせている。
強烈な吐息など、最早二人に取って気にもならない。

やがて唐突に唇を離した瑞姫は言い放つ。
「わたしを犯して」――と。

「わたしの身体は、全部お兄さんのモノ。お兄さんがいれば、他に何も要らない! 信じるものも、愛するものも、お兄さんだけでいい! だから!」

竜の少女が漂わせる牝の香りは、余りに濃密で逆らいがたいものと化している。
そんな匂いに反応しない番いなど論外だ。

かつて超えた一線はほんの入り口に過ぎなかった。
今二人は最後の境界にいる。
それは人間社会と完全に決別し、その先にある完全なる魔の世界に踏み込む事。
踏み入れてしまえば、凱も瑞姫も、もう戻る事は叶わない。
場合によっては二人を破滅に追いやるかもしれないだろう。
だが二人は覚悟を決めた。

――それでも構わない、と。

インキュバスとドラゴンになったからには、二人が魔の世界へ踏み込む以外に選択肢は無い。
五歳差とは言えども、21歳と16歳。人間社会でこの年齢での婚姻をしようものなら袋叩きどころか、社会的にも抹殺されてしまうだろう。
凱は曲がりなりにも大人であり、瑞姫は社会通念上では子供である。
けれど二人に取って、それもまた、どうでもいいものとなった。
そこには、純粋な愛だけがあるからだ。
性的な悦楽を望む本能的なものも心底にはある。
だが、大前提として深い愛情があるのは確かだ。そこに多少の痛みやダメージがあろうとも、両者の愛情はとっくにそれらのマイナス面を超越していたのだから。

――今は他の婚約者を差し置いてでも、心の赴くままに交わっていたい!
――この世で一番大切な人と、ずっと繋がりたい! 子供だって欲しい!

多少、思惑のずれはあっても、交尾をしたいと思う気持ちは一緒であった。
凱は瑞姫の尻を鷲掴みにし、瑞姫もそれを合図と判断し、二人は無言で寝室に向かった。
寝室に入ると、瑞姫が離れて告げる。

「その……、後ろ向いて、目をつむってて。う、薄目で見たり、鏡で覗いたりもしないで!」

強い口調に気圧されるまま、凱は言われたままにした。
瑞姫はと言うと衣装棚を開けてゴソゴソ、ガチャガチャと忙しない。
そうする内に衣擦れの音が微かに響き、やがて終わる。

「もういいよ、お兄さん。こっち……見て」

従った凱が見たものは、白い襟とカフスを持った濃紺のロングワンピース制服を纏った瑞姫の姿。
黒いベルトがウエストをしっかりと強調し、白い鱗と甲殻に暗色の生地が映える。
勿論、彼がその姿を見るのは初めてだ。

「これ……、わたしが風星に転校する前の制服。でもこれは、アラクネの糸で作って貰った複製品なの」

どう言う事? と疑問に感じてる凱に瑞姫は更に続ける。

「中高一貫の女子校だったんだけど、なかなか学校に行けなくて……。入院生活を繰り返す中でお兄さんに出会ったんだよ。それに、これは今のわたしに合わせて作って貰ったの♪」

全身を見せようとくるりと一回転すると、スカートが少し浮き上がる。
更には上気立った表情とこれから味わえる淫悦に期待して潤む目。
瑞姫の準備は万端だった。

「大好きな人に、制服のまま責められて、種付けされる……。わたしがお兄さんにされたい事だったんだよ♪ ねぇ、早く来て♪」

ベッドに座り、両腕を差し出して凱を誘う瑞姫。
寝室のベッドは円形で、キングサイズの三倍近くはある。
その彼女の笑顔は淫らでありながら愛らしい。
やれやれと言った表情で隣に座る凱だったが、内心は真逆だ。
そうして彼はベッドに座るや否や、瑞姫を包み込むように抱き締め、翼や尻、尻尾を愛撫する。
身体の性的感度が急上昇しているのか、瑞姫の息が早くも甘くなっていた。

「あぁん
hearts; そんなにいやらしい手つきでされたら、わたし……」
「だったら、これはどう?」

今度は片方の手を腰に回し、もう片方の手を使って、制服の上から平坦な乳房を撫で回し始める。

「んあぁんっ!」
「小さくて、可愛くて、撫で回しやすいおっぱいだな」

耳元で囁くと瑞姫が甘い声を混ぜながら反抗する。

「んもぅー、気にしてるのにぃっ」
「言っただろ? この小さな胸も含めて、瑞姫が好きなんだって…」
「お兄さん意地悪だよぉ……っ! きゃぁん! ぁはあぁぁ……、ちく、び……いじっちゃ……ぃやぁぁん
hearts;」

早くも勃起した乳首が地
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