騒がしいゲームセンターの中で、ある一人の男が筐体に座る。
100円を入れ、画面を睨んで身構える。
「今日は良い風が吹いてるぜ・・・」
ぶつぶつと独り言をいう彼は、このゲームセンターの常連。特に、人気の無いゲームを率先してやる変わり者として有名な人物である。
今日しているのはあるカーレース。
『リアルを限界まで追求した!』というキャッチコピーに違わず、まるで本当に車のレースをしているかのような気分を味わえるということなのだが、ギアがチェンジレバー方式(MT)なのを筆頭に、クラッチを実装し、スタート前にはエンジンをかける動作までも含まれている。そのため、車の知識がない人では、エンジンをかける手順もわからずにエンストを起こし、ゲームオーバーとなってしまうのだ。そうでなくとも、マシンによっては1週ごとに給油がいるほどの燃費の悪いマシンさえもあるのだ。
そのあまりの難度や煩わしさに、稼働直後に廃止の危機においやられていたが、かろうじてこのゲーセンには2台だけ残っている。
幸い、彼は車の免許も取得済みであるので、その点は問題はない。
「行くぜえ!」
初プレイだというのに、彼はためらいもなくセカンド発進で一気にトップへと躍り出た。
彼に追従するCOM達。しかし、追い付くどころか、どんどんと差が開く。
「はっ!楽勝だなこりゃ」
しかし、COM達の間を颯爽と走ってくる影が、彼の画面のミラーに映った。
「一応、プレイヤーは残ってたってわけね・・・」
しかし彼は焦るどころか、その顔に笑みを浮かべて加速する。
その先には少し、きつめのカーブ。
だが、彼はスピードを緩めない。それは彼が自分のマシンの特性を理解し終えた証だった。
「おらぁ!」
ブレーキはかけず、一気にハンドルを切る。
前輪がインへと一気に向く。パワードリフトの挙動だった。
たった1周走っただけで、彼は自らのマシンが後輪駆動であると悟っていたのだ。
後ろにぴったりと張り付いていた2Pのマシンが遠ざかる。
そして、その差は埋まることなく2週、3周、と過ぎ。
「いよっしゃあっ!」
2位に1分という大差をつけてゴールとなった。
彼はハンドルから手を離し、ふぅ、と息を吐く。
「なかなかよかったぜ・・・」
顔も見えない向かいの相手に敬意を示しながら、ふと天井を仰ぐ。
「あ、どうもー♪」
ライダースーツを着たサキュバスが上に浮いていた。
「ど・・・どうも」
あまりにいきなりの対面だったので、彼は間抜けな返事で返してしまう。
「先ほど対戦させていただいたものですぅ♪」 ハァ・・・ハァ
理由はわからないが、やけに顔が赤く、息も荒い。
「お兄さん、すごいですね♪」
「はあ、そりゃどうも」
スス―っと彼の脚の上へと降りてきた。
まさにダイナマイトと呼べる体つきではあるが、全く重さは感じない。
しかも、それがぴったりのライダースーツによって更に強調されて見える。
「じゃなくて、あんた何やってんだ!・・・って身体動かねぇ!?」
助けを求めようと大声で叫んでみたが、気づくと周囲から音も人気も消えていた。
「人除け&拘束の魔法です♪魔法って便利ですよねぇ」
どんどんとサキュバスの顔が近くなる。
「お兄さん、このゲームどのくらいやってるんですか?」
ふと、サキュバスが質問する。
「いや・・・初めてだが?」
驚愕とともにとてもうれしそうな表情をサキュバスが浮かべた。
「ますます凄いですお兄さん!そしてカッコいいです!師匠って呼ばせてください!むしろ呼びます!師匠!」
目の前で嬉しそうに跳ねながらサキュバスが言う。
しかし、彼はサキュバスから漂う魔力で既に理性を失いつつあった。
「このゲームこんなに楽しいのに、少し難しいくらいで投げだす人が多すぎるんですよ!スタートの瞬間とか、スピードが乗ってきたときのギアチェンジの快感とか!周回遅れのCOM追い抜く気持ちよさとかっ!それがわからないんですかあの人たちは!?そのせいでいっつも私1人がCOMとグランプリしてばっかりでどれだけ寂しかったか!・・・あ、でも師匠が来てくれるなら私、まだこのゲームが続けらr・・・・・・師匠?」
「はぁ・・・はぁ・・・」
サキュバスはふと、興奮のあまり魔力を垂れ流しっぱなしだった事に気付いた。太ももにあたる硬い感触にも感づく。
「師匠・・・私もムラムラしてきちゃったので・・・いいですか?」
「ああ・・・頼む」
彼が頷いたのを確認して、彼女は自分のライダースーツを脱ぎ去り、彼のズボンも下着とともにずり下ろす。
「すごい・・・おっきぃ・・・」
「あ、あんまり凝視しないでもらえるか?」
恥ずかしさにピクピクと彼のモノが反応する。
「これが、サードですか?それともまだローくらいですか?
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