「ねぇ……ねぇ……起きて?」
まどろみの中、かわいらしい女性の声が聞こえる。
その声から推定できる年齢は9〜12歳程、あどけなさが残る高く
柔らかい声は、この声を聴く僕の心すら溶かしてしまいそうだ。
今僕の全身に広がっている感覚は、例えるなら心地の良いぬるま湯に
全身浸かっている感覚、温かく優しいその世界から離れたくない……、
何の苦しみもないこの世界だけが全てになればこの世は救われるのだろう。
「起きてよ……起きなさいよ!」
ああ、声が大きくなってきた。それと共に顔の上に絶妙な柔らかさと
弾力を持つ『何か』が置かれる。顔が痛くなるほどではないが
それなりの重量を持っていて、さらに呼吸をするたびに
その柔らかさが肌に密着して呼吸がしづらい。いつもよりも
空気を吸える量が少なくなるとそれだけ大きく肺を動かし、
深い深い呼吸をするようになる。……鼻から吸った空気に
思考を溶かしてしまうような甘い香りがする。完熟した果物を思わせる
鼻に入っただけで甘さを感じるような匂いの中に女性特有の香りがする。
吸い込んだだけで悶々とした思いが沸いてくるような独特の香りの中に甘さを孕んだそれが、深い息を吸った僕の体中を駆け巡り、
僕の心の中に劣情を生まれさせた。
徐々に意識がはっきりとしてくる。
なぜ自分があの心地のいい空間にいたのか、
自分が先ほどまで何をしていたかが明確に理解できる。
そうだ……僕は寝ていたんだ。自宅のベッドで?それとも中学校の保健室で?
……目をつむったままでは判断できるわけがない。目を開けると、
目の前に白いもやがかかっていた。透明ではあるのだがぼやけて前が
確認できなかったが、先ほど感じていた肌に触れる柔らかな物質と
性欲を高ぶらせる匂いがダイレクトに感じられる。
「やっと起きたのね、顔面騎乗の気持ちよさに飛び起きちゃったの?
とんだ変態ね。」
幼さを感じるが同時に毒を感じる女性の声でなじられ、
今目の前にあるものの正体がその少女の女性器であることに
気が付くのにそう時間はかからなかった
「あ、ああっ、あっあ……」
きめ細やかで、心身ともに蕩けてしまうような肌に触れているせいで
全身に力が入らない。性行為どころか家族以外の女体に触れた回数すら少なかった僕が、手をつないだり、キスをしたり、そんな段取りを
一気に吹き飛ばしてこんなことをしているのだ。絶対に誰でも戸惑う。
「……あら、ソッチの方も起きちゃったのね?
他の娘に襲われないためにもなんとか鎮めなくっちゃ……。」
他の子?この人以外にも人がいるのか?
……そもそも僕はどうやってここに来たのか?
そういえばこの声にも聞き覚えがある気がする。たしか意識を失う前に……
そう思案していると、僕の顔にあった柔らかいおまんこが急に離れる
「あっ……」
「そんなに残念がらなくてもいいでしょ?もっとイイこと出来るんだから。」
しっかりと前が見えるようになって、彼女の姿が確認できる。
高飛車なお嬢様を思わせる縦ロールの金髪に、赤い瞳のツリ目、
真っ白で透明感のある肢体には一切の衣服を身に着けておらず、
小ぶりながらハリとツヤがあるおっぱいと、先ほどまで
僕の顔に触れていた、やわらかくぷっくりとしたスジ。
そして彼女の後ろにある景色が透けて見える
……この人は魔物娘の『ゴースト』なのだろう。
「……綺麗だ」
「は、はぁ!?何言ってるのよ!このヘンタイ!」
「あっ、ごめんなさい!」
女の人になんてこと言っちゃったんだ僕は!僕は急いで身体を彼女とは反対方向に向けて裸を見ないようにした。
「ああもうまったく!私の家に勝手に入り込んで、倒れているところを見つけたと思ったら呼吸も満足にしてなくて、
……それで治療と看病してたら私の事カワイイですって!?バカね、馬鹿よ!大馬鹿よ!!」
顔を真っ赤にして怒鳴る女の子、確かに見知らぬ男に
裸を見られたら誰だって怒るだろう。
……勝手に家に入った?
あ、思い出したぞ、なんでここに居るかを!
あれは確か……。
僕はA町という田舎町で中学に通うごく一般的な中学一年生。
名前は道下マサムネ。背が低くて体力もなく、さらに生まれたころから
喘息を患っていたので激しい運動もできない。その持病を治療するために
物心つく前に空気が綺麗なこの町に引っ越してきたのだ。
今では少しぐらいなら走ることもできるぐらいに回復したけど、
相変わらず激しい運動はできない。そんな僕だけど周囲の優しい人に
応援されて中学校生活を満喫することができる。とても幸せだ。
そんなある日のこと。
僕は友人である『阿部ムラマサ』の誘いで近所にある古びた洋館に
肝試しに来ていた。なんでも彼はこの館から魔物娘では
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