偽りじゃなかった楽園 愛の説教部屋



「あれ?店長がいないんだけど、どこ行ったの?」

「それがねー、熱っぽいから早引きしちゃったみたい」


レストランの従業員たちは、皆タクミが病欠をしたという認識をしている
普段から部下たちを気遣い、人一倍働いている彼女だ。それを邪険にする者はいない。

しかし病欠というのは真っ赤な嘘である。全てはハルミエルの計画通りに進んでいるのだ。






所変わって松白家。在宅のプログラマーをしている松白キョウジは、今日も今日とて
日課のバグ探しをしているのであった。


「……さーて、仕事もひと段落したしメシでも食おうかなーっと」

鼻歌交じりに歌う無精ひげの親父、一見誠実さのかけらもなさそうだが、こう見えて酒もたばこも不倫もしたことが無い
すごく真面目なおっさんなのである。

カップ麺でも食べようと作業をしていた自室から家の廊下に出て、台所を目指そうとしたその時



不気味な笑みを浮かべるタクミの姿があった。笑っているといっても口元だけであり、その眼には怒り、悲しみ、憎しみ、愛おしさ、
そして性的な欲望を湛え、キョウジの首根っこを掴む。身長170センチ程のキョウジをタクミは片手で軽々と持ち上げると、
彼女はキョウジをベッドの方に放り投げる。

「ぶべらっ、な、なんじゃあ!?」

「……ふ、ふふふふふふふふふ。もう、駄目だよぉ?おっぱいが大きい女の子がよかったからって……私を裏切るなんてぇ」

タクミは猫なで声でキョウジにそう言った。

「ちょっと待て、どういうことか説明して「それはこっちのセリフよ!!!私以外の女を抱いて、それでいままでずっとだまし続けてきたなんてっ!!!」

言葉を遮り叫ぶタクミ、いつもとの豹変ぶりに驚き、動かなくなるキョウジを後目に

タクミは身に着けていたレストランの制服を脱ぎ捨て胸元を見せる。

「ほぉら、おっぱいだよ……、キョウジが浮気してまで触りたかったおっきいおっぱい……触って?」


そこには破滅的なまでの大きさをほこるやわやわとした水蜜桃があった。見ただけでわかるその柔らかさが分かる。
彼女が呼吸をするだけでふよふよと揺れ、タクミは自らの腕でその豊かな乳房を寄せると、その谷間に
キョウジの顔を押し付け、優しく抱き寄せた。

「駄目だからね、貴方を愛しているのは私だけ、貴方が愛していいのは私だけなの……わかった?」

「……もがもがっ」

状況が読めないキョウジは顔をこわばらせる。しかし彼の押し付けられたそれがその力を抜けさせていく。
豊かで柔らかな柔乳は、硬直した筋肉の緊張を吸い取るようにほぐし、キョウジの心そのものまでも
柔らかく、彼女への抵抗を止めさせるには十分すぎた。

「あのね、私初めて会った時からあなたの事ずっとずっと大好きだったのよ?
だから本当は貴方ともっとエッチなことをしたかったの。でもね?私って体が貧相だったし、
かわいいとは言われた事はあったけど、おっぱいが大きい女の子には敵わない。
だからエッチなことに素直な魔物たちが羨ましくて、嫉妬して、それがいつの間にか魔物にりたくないって
気持ちに変わって行っちゃったの……。」

「……」

心の中にある一つ一つを、言葉にしてキョウジに言い聞かせる。
まるで子供を抱きながらあやす母親のようだ。……しかし彼女の目はうつろで
その声は嘆き、悲しみ、苦しんでいる心模様を表すように疲れ果てていた。

「だけど、貴方と結婚して子供は生まれたとき、すごく幸せだった。いままでコンプレックスに思ってたこと
もう気にしなくて良いって……呪縛から解放された気分だったの。」




「だけどね?」

タクミはむんずとキョウジの首を掴むと、キョウジと目線を合わせた。
暗く淀んで濁ったタクミ眼を、キョウジはただ見つめていた……。

「貴方はそれを裏切った、おっぱいが無くてもそのままの君が大好きだって言ってたのに……こんな女とまぐわうなんて!!!」

タクミは先ほどハルミエルに渡されたタブレットをキョウジに見せる。
そこにははちきれんばかりの豊乳を揺らし、キョウジに馬乗りとなった女が映っていた。


「……ん?タクミ、ちょっといいか?」

「何、今後に及んで違うっていうの?謝ってくれれば許してあげるのに……」

「いやそうじゃなくて、この女って、タクミだよな?今のお前みたいに牛の角生やしてるし。顔なんてまんま今のお前じゃん?」

「……はい?」「ほら、ここで止めるぞ。んで、この顔と鏡に映る自分の顔を見比べてこい」


訳が分からないタクミだが、とりあえずキョウジの言う事に従う。


洗面所で鏡を見るタクミ。その美貌は魔物になる前よりもより洗練されていた。以前よりおっとりとした目つきに、
牛の角、髪には銀のメッシュが入っている。全体的に以前まであった鋭さが抜
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