クロードさんに導かれるまま私たちはクルツの内部に入った。
リィレさんはマリアに犯されてた時から気を失ったままだし、姫様もクロードさんたちの助けが来るのとほぼ同時に気を失っていたらしい。
体型の問題だけじゃなく軽い姫様は、なのにやたら熱かった。
そしてそのまま私たちはまっすぐに町の外れにある病院のような建物に向かっていく。道行く人がこっちを見て何か話してるのが聞こえるし、何となくプレッシャーのようなものも感じる。
病院の前まで行くと、そこには四人の人が待っていた。
昊君と、その隣にいるのは天満ちゃんだろうか。私の知っている彼女とは違って角が生えているし背中に翼もあるしお尻から尻尾がのぞいているけれど、着ている制服も私と同じだし多分そうなんだろう。
二人の隣には天満ちゃん同様に角と尻尾と羽を生やして、露出度の多い服を着た青い髪の女の人が立っている。その斜め上には白い翼を生やして同じ色のワンピースを着、金色の髪をした女の子が宙に浮いていた。
「待たせた。」
クロードさんはそう言いながら女の人に手を振る。
「別にいいわよ、急ぎじゃないんだし。」
「如月、久しぶり。」
昊君も私に向かって柔らかく微笑みかけてくる。
どきん
その笑顔があんまりにも魅力的なせいで心臓が勝手に反応してしまい勝手に顔が赤くなっていく、相変わらず罪作りな笑顔だ。
「あ、うん久しぶり。元気そうで何より……」
なぜか緊張してしまって、しどろもどろに話す。
「その子がソラたちの友達?」
青い髪の女の人が私の方を向く、かなりの美人さんでみつめられるだけでドキッとしてしまうけど、でもなんだか底知れないものを目に感じる。
「あ、はい。昊君の友達の如月と申します。」
「そう、私はこのクルツの『魔物の領主』ルミネよ、とりあえずその女の子」
ルミネと名乗った女性が指差したのは、私の背中でまだ荒く息している姫様だった。
「医者に診せたほうがいいわね、さっさと行きましょ。」
そう言うと、ルミネは建物の中に入っていく。
空を飛んでいた女の子が私の前に飛んでくる。
幼げながら凛々しさのある綺麗な顔立ちをした彼女は、見た目にそぐわない大人びた仕草で私に向かって恭しくお辞儀をしながら、
「私はクルツで法務官を務めているツィリアだ、見ての通り天使。」
と自己紹介してくれた、口調も畏まっていて、本当に私よりずっと年上に見える。
続々とルミネさんの後に続く皆に会わせて、私も中に入っていく。
どうやら本当に病院だったみたいで、待合室のようなところがある。
ルミネさんを先頭にそこを通って何やら札のさがっている部屋に行き。
「フレッド、入るわよ。」
というが早いかルミネさんが当たり前のようにドアを開ける。
そこには髪の毛のほとんどが白髪で、かろうじて残っている毛から昔は茶髪だったんだろうと推察できる老人が一人座っていた、白衣を着ているということは、どうやら医者らしい。
「大勢で何の用じゃ?」
「急病人二人、容体を確認して治療してやってくれ。」
クロードさんはそう言ってリィレさんを近くにあった寝台に乗せる。
その隣のベッドに私が姫様を寝かせると、フレッドがリィレさんの様子を見る。
「なぜ全裸なんじゃこの娘。」
「マリアに凌辱されたんだよ、あいつめ服斬ってやがった。」
「マリアに……それはまた、トラウマになっておらんと良いんじゃが……」
フレッドは少し何かを考えたと思ったら、リィレさんのおなかに手を当てる。
リィレさんのお腹とフレッドの手が触れている部分が光ったと思ったら、フレッドは手を放す。魔法で検診でもしていたのだろうか、だとしたらずいぶん便利なものだけど。
「子宮と腸の筋肉に無理やり引き伸ばされたダメージがある、日常生活ができないわけではないが放置しておくと後遺症を残しかねん。内臓筋には手を出す手段はないから自然回復が一番じゃな。」
そう言って、次は隣に私が寝かせた姫様の様子を見る。
「こっちの娘は、かなり衰弱しておるな、もともと体力に乏しかったうえに数日ほとんど絶食状態で無理をしたじゃろう、しかも不衛生とストレスも重なっていろいろ面倒な状態になっておる。」
「治るんですか?」
「治す、それがワシの仕事じゃからな。ハルト、ノーティ、手伝っておくれ。」
フレッドは自信満々に言ってから他の部屋に向かってそう言うと、閉まっていた私たちの通ってきたドアを開けて白衣を着た若い男と、私より年下に見える少年が出てきた。
若い男の方がリィレさんとその隣のベッドにいる姫様を凝視して。
「第二王女アリアンロッド殿下、に、護衛騎士リィレ・マクワイア?」
そう、二人のことを確かに呼んだ。
その部屋にいたほぼ全員が、同時にその男のことを見た。
「今なんといった? ハルト?」
「……ちょっと自信がないです、ロイドとアイリを呼んでく
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