第五話

ベッドにネリスを横にさせた僕は、とりあえず手の中の品とにらめっこする。
リカルドさんがくれた特大ディルドー。
具体的に大きさを言うと、僕のよりも太くて長い。
しかしあんまり使う気にはなれない、これだけの大きさとなると入れたらネリスが壊れちゃうかもしれないし、僕のより気持ちいいとか言われたらリカルドさんをぶっ殺したくなる。
暇なので本でも読もうと思って、ベッドルーム脇の本棚に近づく。
いろんな本があるけど、どれを読もう
夜の指南書一巻「まずはここから! 体位特集」
夜の指南書二巻「もっと相手に感じてもらおう! 器具特集」
三巻「使えれば一人前。興奮させる言葉百選」
四巻「出血注意! 過激SM特集」
五巻「こんなのもあり! 特殊体位特集」
六巻「みんなで楽しもう! 多人数プレイ特集」
七巻「愛する人の子を産むために。薬品特集」
ちなみに著者が「ルミネ」となっている。
とりあえずパス。
普通に本棚に置くような代物じゃないよこれ……
その隣にあるのは小説らしい
「エロス万歳!」
明らかに官能なネーミング……著者「アレミネル・リージー」
まぁ、パス。
こんな本ばっかりチョイスしたのは誰だ?
とりあえずあとで代表してルミネさんに一言文句を言うと心に決めながら、次。
「クルツ立領録」
著者「クロス・ラギオン」
その名前の下に手書きで「二代目クロード・ラギオン」と書いてある。
クロードさんの編纂した本のようだ、クルツの創立までを題材にしているらしい。興味があったので、手にとって読んでみる。

一時間ほどかかったけど、長いわけじゃなかったので読み切ることができた。
要約すると初代クロードは勇者で、けれどリカルドさんを夫にして愛し合っているルミネさんに出会い、魔物と戦うことに疑問を感じた。
これが四十三年前。
そして同行者で恋人だった女性と共に、使命を放棄した。
使命を放棄したところで次の勇者が選出され、同じことが繰り返されると知った初代クロードは、内乱続きの王国のあちこちにあふれていた難民たちや迫害されていた魔物たちを集めて、新しい領地を作ろうと考えた。
優れた指導力を持つクロード、ルミネ、ツィリアの三人により人々はまとめられ、王国の最辺境と言われた山岳地帯にある人の住むことの可能な広大な盆地に街を作り定住を始めた、これが二十八年前のこと。
時折侵攻してくる教会の騎士たちに対抗するために人々は団結し、城壁を築きさらに初代クロードがどこからかクイーンスライム(マリアさんのことだろう)を連れてきて、防衛は完璧といってよくなった。これが二十一年前。
そのころに、この領地を作り上げた三人の功績者の名前をとってこの領地のことを「クルツ自治領」と命名したらしい。
世間の情勢を知るためや、難民・迫害される魔物をクルツに連れて帰るために誰かが外界に行く以外は外との交流を持たず、隠れ里のようにこのクルツ自治領は今まで維持されてきている。
食料・衣類・木材などはこの領内で賄われていて、それらを生み出す生産職の人々はこの領地の労働者の七割近い。

この本は読んでおいてよかったと思う。
クルツのことを少しでも知っておきたかった。
次の本は
クルツ六法全書。著者:ツィリア
この領地を作りだした三人目の中心人物ツィリアの本。
法律ってことはアヌビスくらいの堅物な魔物かな?
とりあえず目を通す。
クルツの法律は僕の住んでいた田舎村に比べて緩いのが多いみたいだけど、それでも締めるところはきっちり締めてある。
これもまた参考になった。
本を閉じて本棚に戻す。
「う……う〜ん……」
ネリスが目を覚ましたらしい。
ぴたぴたと裸足のままこちらに歩いてくる音が聞こえる。
「て〜りゅ〜〜んさ〜〜〜〜ん」
そのまま後ろから僕に抱きついてくる。
「おなかがすきました〜食べさせてくださ〜い」
寝ぼけているのかまだ酔っぱらっているのかどっちなのか僕にはわからないけど、ネリスは妙に間延びした声で僕に食事を要求してくる。
普段はもっと丁寧ではきはきした感じなのに、今は気が抜けている。
第一こんなあけっぴろげに僕に要求してくることも珍しい、いつもなら僕ががっついてネリスはそれを受け止める形なのに。
そんな風に思っていると、
「反応してくれないなら今ここでイタダキマスしちゃいます……」
耳たぶが口に含まれて、そのまま甘噛みされる。
「うっ わぁっ……」
腰が抜けそうなほど気持ちいい。
手が僕のおなかをなでるように下りてきて、そして息子を捕まえる。
「えへへへへ」
「うぅっ……くぅあっ…ネリス……待って……」
しゅにしゅにしゅりすりっ
ぐりくりくりこりぐりっ
「待ちません待てません……私は今空腹です」
「それでも待って……我慢はレディのたしなみ……」
「私まだ未成年ですから」
しゅるっ……すりすりしゅに…
[3]次へ
ページ移動[1 2 3 4 5 6]
[7]TOP [9]目次
[0]投票 [*]感想[#]メール登録
まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33