第二話

ネリスいわく
「私たちサキュバスは、人間の特に男性の魔力……精を主食にしています、それを性交によって分け与えてもらうことで食事するんです……」
と言った。
顔は真っ赤、性交の部分だけ声がやたら小さかった。
反魔物派の土地で、魔物と深く触れ合うことは重罪。
ネリスは今まで食料確保が困難な状況下で旅を続けてきたことになる。
で、ついに枯渇して生命維持がつらくなるところまで飢えを我慢していたところ、僕に出会った。
「僕の獲物を盗んだ意味は?」
精が主食で性交で補給するなら、食べ物を盗む意味はない。
「食品にも微量ですが精は含まれています……食べればすこしもつと思って。」
なるほど納得した。
ネリスは顔色が悪く、目つきもなんだかぼんやりしている。
もし僕が彼女に精を与えなかったら、今度こそ助からないだろう。
しかし僕にも生活があった。
ここで彼女を助けたことが知れたら僕は村を追放される。
最悪の場合、処刑もあり得る。
けれど、僕は迷わなかった。
「分った、君を抱きたい。」
義務感ではなく、ただ単純に彼女を抱きたいと思った。
「……ありがとう……ございます……」
目から一筋の涙を流しながら、ネリスは笑顔を見せてくれた。
その笑顔で、僕の魔物と交わることに対する抵抗は吹き飛んだ。


自慢じゃないが僕は童貞だ。
当然女性と交わる行為は初めてである。
ネリスは本当に残り少ない魔力を動員して、僕たちの周囲に結界を張った。
誰も僕たちに気付かず、認識できない高度な幻術。
少しなら魔術も使える僕としては、飢餓状態でこれが使えるネリスは本気でとんでもない力を持っていることが分かる。
力なく地面に座り込んだネリスは、
「脱がせて……ください……」
瞳を潤ませてそう要求してきた。
言われたとおりまず外套をはずす。
出てきたのはサキュバス特有の体の大切な部分だけを隠す下着のような服
ではなく、
「意外に、普通の服だね……」
青色で丈の長いスカートをオレンジ色のリボンで留め、上半身を覆っているのは若草色のシャツ。
角さえなければ、普通の村娘だった。
ああいや、とんでもなく綺麗な村娘。
「外套の下に図鑑にあるようなサキュバスの格好をしていたら変質者です……それに反魔物派の町に行くのに魔物の格好のまま出かけられません……」
すっごくおっしゃる通り。
それもそうだね、そんな格好してたら捕まるよね。
「これも脱がすよ?」
ネリスの細い体を抱きしめるように腕を後ろに回し、背中にあったリボンの結び目をほどく。
青色のスカートを剥ぎ取るように脱がせると、隠れていた下着が姿を現す。
生まれて初めて間近に見る家族以外のショーツ。
それはすごく白くて、綺麗で、いやらしい。
「まじまじ……見ないでください……」
僕の頭上でネリスの泣きそうな声が響いてくる。
なんていうか……いじめたくなるんだけどそんな声聞かされたら。
ネリスの両足をつかむ。
そのまま持ち上げると、ネリスは背中を地面につけて空に向かって足を開いているような格好になる。
「あ、あの……テリュンさんこれ恥ずかし――」
そんなネリスの言葉も聞かずに秘部を下着の上から指で触れてみる
「ひぁう!?」
びくんと体を震わせる。
女性と交わるのもこんな前戯も初めての僕に、どうすればいいのかも適正な力加減も分る筈がない。
試しに秘部を上から何度も撫でてみる。
「っ!? ――ぅ! ……ひぅっ」
ネリスが声をこらえながらも確かに反応しているのがわかる。
「ねぇネリス、気持ちいい?」
「………っ! ……はぁ… あうぅっ!!」
何度も何度も、ねちっこく攻める僕と、がんばって声を抑えるネリス。
そういえばぼくは一回も彼女の上体に触れていない。
声をこらえるために瞼を閉じ、両手で口をふさいだネリス、僕の右手はねちっこく秘部をいじめながら、左手。
隙だらけの胸に狙いを定め、
「――――――――――あぁっあっあああああ!!!」
思いっきり鷲掴み。
完全に予想もしていなかった刺激だったらしく、ネリスは声を抑えることを忘れて目も見開き、全身を分り易すぎるくらいに跳ねさせた。
同時、僕の右手に今までとは違う感触が返ってくる。
今までがさらさらなら、今のはぬるぬると言った感じ。
下着が、濡れている。
下着をぬらす液体を指ですくい、ネリスの目の前に持っていく。
「ねぇネリス、これは何?」
僕は童貞で、しかも春本とかを買ったことはない。
ついでに言えば性行為に関しては村の授業で習っただけで、その際の女性の反応・男性がするべき行為に関して僕は何も知らない。
今やっていたのは胸をもむところ以外すべてネリスの指導だ。
純粋に興味からの質問だったんだけど、ネリスは顔を真っ赤にした。
「それは……ですね……なんて言いましょうか……」
「知ってるんだ、教えてくれない?」
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