朝目が覚めると、俺はレティを抱きしめていた。
ぼんやりした記憶を手繰りながら昨日のことを思い出す、昨日アクセサリの壊れたレティに襲われて半分くらいなすがままにお互いのことを貪り合って。
仕事が終わって帰宅してからもレティは俺を押し倒すと家の壁が薄くて防音性が低いから近所迷惑になるんじゃないかと心配になる俺をよそに睦み合うことを要求して来て。
昨晩、何回出したのか覚えてない。
少なくとも昨日一日で、今まで出してきた中での一年分くらい出した気がしてならない。
孕んでいてもおかしくないと思う、そのくらい出した。
「ヘルマンさん! いますか!?」
ドアをバンバンと叩く音となんだか悲痛っぽい声にようやく気付く、ぼんやり止めろ近所迷惑だと思いはしたが、その声の主がチェルシーだとわかるとようやく頭が覚醒する。
慌てて服を着て、玄関に向かって走り鍵を開けてドアを開く。
「よかった、起きてた! 大変なんです、お店が強盗に入られて、店長が怪我して! 道具と、レティさんとルミネさんの分の髪の毛が盗まれちゃったんです!!」
半ばパニックになりながら、チェルシーが最悪の報せをしてくれた。
「強盗って……クロードさんは? 近くにいなかったのか!?」
あの人がいれば強盗が何人で押し寄せようが負けるとは思えない、人間であの人に土をつけたことがあるのはロイドくらいだ、そのロイドですら三十回以上ボコボコにされて一回ギリギリで一本取っただけに過ぎない。
「いた、だがさすがに孫を人質に取られたら手は出せん。本当にすまない。」
チェルシーの後ろからクロードさんが姿を現した、どうやら怪我はないようだが、その表情はあまり元気そうな顔をしておらず若干不機嫌そうに見えるいつもよりはるかに暗い。
「……ルミネさんの髪の毛が奪われたって…最悪の状況じゃないです?」
「いや、あいつなら問題ない、あの術を開発したのがルミネなんだ、それに対抗する術くらいいくらも用意してると前から言ってた。問題なのはレティの方だ。対抗術を使えるって豪語してるルミネか、またはツィリアのところに行ってほしいんだが……」
「いや、クロの頼みでもいや。ヘルマンと一緒にいる。」
クロードさんの言いたいことを、俺もそうした方が良いと確信できる発言をしかしレティは俺の腕をしっかりと握りしめて首を横に振って懸命に拒否する。
「店長の怪我はどうなんです? それにローフィを人質にとったってことは……」
「焦るな、順を追って説明する。」
そう答えてクロードさんは木簡を取り出す、既に通信の術式が作動しているあかしとして光ってるってことは誰かと今も会話中ってことだろう。
「ソラ。奴らがどこに行ったのかわかるか?」
クロードさんが通信の向こう側にいる相手に声をかける。
『広場の真ん中、集団でまたあそこを占拠してます。人質に取られたままのローフィもいますね……それと今、急ピッチで何か作って……あれはロープかな?』
どうやら、異世界からやってきたクルツの魔術師ソラと連絡を取りあっているようだ、どんな手段でしているのかはわからないが彼はアウターを監視しているらしい。
造られてるのは確実にルミネさんやレティを捕縛するためのロープだ、怒りと不安で胸がちりちりしてきた。俺はアウターのことをそこまで深く知ってるわけじゃない、けどあいつらがこんなことをしてまで魔物を捕えようとするのにまさか魔物に好意的とは思えない。
「ランスは呼んだか? それと、連中の包囲はあとどのくらいで完了する?」
『呼ぼうとしたんですがあいにく島に行ってるみたいです。包囲の方はあと十分はかかります、気づかれないよう、刺激しないように行動してるせいでなかなか手早くはいけませんね。』
「そうか、悪いが引き続き監視を頼む、また動きがあったら連絡してくれ。」
そう言って、クロードさんはソラとの通信を終える、そして俺の方に向き直ると、非常に嫌そうな、そして申し訳なさそうな顔で俺たちに向かって説明を始めた。
要約すると、クロードさんに対処する何らかの手立てが必要と考えたアウターたちはどうしたのかと言えば、深夜皆が寝静まった頃、クロードさんの家族のいる自宅を襲撃した。
応戦はしたものの、そもそも睡眠中だったうえに戦力と言えるのが二男のロナルド一人、妻ができてから驚くほど頼りになる男に成長したと言え、女性三人しかも一人は幼児を一人で守りきれるはずもなく、ツィリアさんが駆け付けたころにはローフィが連れ去られ、カミナさんとロンは重傷を負っていた。
ロンの妻であるイリヤーナも行方不明、恐らくアウターに連れ去られたものと考えられる。
そしてローフィを人質にしたアウターたちは今度は服屋を襲撃、クロードさんを金縛りにし五十過ぎて体力も衰えてきた店長に傷を負わせ、ルミネさんとレティの毛髪を奪い逃走。
こ
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