ケルトです。二度寝から覚めたら、そこは修羅場だった(雪国風)。
かたや、双子エンジェルシスターの妹のリアさん。
かたや、俊足コカトリスのリーニ。どちらも罵声を浴びせ合いながら睨み合っている。両者の間に火花が走っているようでもあった。
「あなた、ヒト化いますけどコカトリスですね? だらしなくフェロモン放出して、ケルトさんに何をするつもりだったんでしょうかね!?」
「フェロモンなんてとっくに客商売するときに制御できるようになったよ! そもそもなんでアンタにそんなこと言われなくちゃいけないのさ!?」
まさに修羅場の最上級。修羅ベスト(イミフ)。売り言葉に買い言葉で二人の言い争いはエスカレートする一方だった。
「あ、あのさ二人とも?」
「あっ! 起きた。 ケルトからも言ってよ! この人しつこいの!」
「ケルトさん! 大丈夫でしたか? この人のふしだらな淫気に当てられたりしませんでした?」
「だーかーらー!! あたしはそんなことをしにきたんじゃなくてただ薬を届けに来たんだってば!」「ただ届けに来た? なら添い寝は必要ないでしょう? 速やかに帰られたらいかがです?」
「ケルトが風邪引いた原因はあたしにあるんだから見届ける義務があるの!」「それでも添い寝は必要ないでしょう!?」
「ブレイクブレイク! ひとまずそこまで! このままじゃ埒あかないから!」
まずは荒れてる二人をなだめる。かなりの間言い争ったようで肩で息をしていた。
「さて……リアさん」
「はい……」
「まず、リーニは本当に薬を届けてくれただけなんですよ。 添い寝も暖かくする配慮ですし、実際にコカトリス特有のフェロモンも制御してくれてるみたいでなんともないですし」
ってか、あのフェロモンって本能じゃなかったか? それを制御するって中々にハイスペックだな。
「それからリーニ」
「うん……?」
「こちら、教会のシスターのリアさん。 僕の友人で、悪い人じゃないから」 コカトリスは元来臆病な種族、そのせいかどうかはわからないけど警戒心を抱いてしまったのだろう。
「ところで、リアさんはどういった用件で?」
いま思えば、また鍵を掛け忘れてた……またしても僕の失態だな。
「私は……その……昨夜の事を改めてお詫びに……」 昨夜? お詫び? むしろ荷物を持ってくれてありがたいくらいなのに……
「いえ、そうではなくて……タオルの件です」
タオル? ……ああ、あの力みすぎた件か。
「別に気にしてませんよ。 むしろ昨夜は感謝してるくらいです」
「ですけど……」
「あーほらほら、僕も気にしてないのでリアさんも気にしないでください! ねっ?」
「そうですか……? ありがとうございます」
リアさんが納得してくれたし、リーニも静かになったし、とりあえずは大丈夫かな?
「リアさん、お茶飲んで行きませんか? たくさん喋って喉渇きましたよね?」
「あ、いただきます」
「リーニはどうする?」
シ〜ン……
……あれ?
「リーニ? リーニー?」
……いない?
確認のため一階におりて玄関を見てみると、扉が開け放してあり、リーニが出ていった事を物語っていた。
「リーニ……」
改めてお礼がしたかったのだけれど……仕方ないか。リアさん待たせるのも悪いし、戻るか。
「また後日、診療所に行ってみるか」
失敗した
失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した
邪魔が入ってしまった。入らなければ実行出来たのに……。
あたしのコカトリスとしての本能、人間の男を魅了するフェロモンを制御できるといったけど、実は嘘だ。
制御は出来ないのでなく、完全に消したのだ。
あの能力は、街で仕事を……しかも客商売がしたいあたしにとっては厄介なものだった。
だ
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