「…ふあぁ」
朝がきた
今日も憂鬱な一日が始まる
「…このまま寝続けれたらなぁ」
そんな事を言いながら、布団からなんとか出る
寒さに耐え、仕事の為に着替えて、仕事にいって―――
「…いつまで続けなきゃならないんだろう」
仕事にいって、クタクタになって、また寝て―――
こんな生活、いつまで続けなければならないのだろうか?
働かざる者食うべからず、とは言うが、実際働いても働いても先が見えない
『もっと働けばお金も増えて良い暮らしも出来るんだから働けよ!』
給与の昇給の見込みもないのに、無責任に言ってくれる上司や周りの年配の方々
ありがたい言葉だろうが、だったら働く意味を見出させてくれ
「…ハァ」
ため息混じりに、準備を進めるが、本当に苦しく感じる
「…どうすっかね」
答えは出ているが、口に出しながら俺は電話をかけた
・・・
外は寒くなり、いよいよクリスマスが近付いて来た
客の書き入れ時なのに、俺は街中を眺めていた
―――サボり
そう、俺は初めて仕事をサボって街中に出ている
「サボって何が悪いんだよ…」
他の無断欠勤のフォローから休憩を多くとっている奴らのフォローまでしてるのに、未だに昇給もなく、他の奴らと同じ事を思うと、今まで真面目にしていたのがバカらしく感じていた
「しっかし…街中はすっかりクリスマス…俺はシングルベル、か…」
職場の連中は合コンだとかで騒いでる中、ずっと仕事漬けだったからか、クリスマスを人と過ごした事なんて、記憶には殆どない
あっても、実家にいた時に、家族と過ごした位か
「…はぁ」
ため息をついたら幸せが逃げるとか聞くが、生憎幸せとは無縁な生活だ
ないものがなくなっても困らない
「…ん?」
と、少し外れた所に目をやった時、それは見えた気がした
「…今のは?」
少し外れて、森に行く方に誰か見えた気がした
見間違いでなければ、パジャマみたいな格好だった気がしたが…
「…時間はあるんだし、行くか」
その奇妙な光景を、俺は追いかけることにした
・・・
「…おい嘘だろ?」
森に入って5分立った位だろうか?
そのパジャマ姿には無事追いついた
「…うみゅ…ん…」
森の奥の方にあった木に腰掛けて、眠るパジャマ少女
その可愛らしさは漫画やアニメでしか見たことがない、まさに芸術的なものだろう
―――耳としっぽが見えてなければ、だが
「これ…作り物、か?」
そう言いながら近づくと、しっぽがゆっくり動いているのがわかる
―――作り物じゃ、ない
その事が分かり、同時に恐れも出てきた
―――いや、これ人外?もしくは何かしらの影響でしっぽができただけ?
―――でも、耳も動いてるよな?あれ?
俺は未知なるモノへの恐怖を覚え、元来た道を帰ろうとする
「…あれ?」
が、後ろを見てみたら、来たはずの道が見当たらない
「いっそげ、いっそげ!お茶会が始まるぞ!」
それどころか、寝ている彼女と同じように、人外なパーツを付けた美人が何処かへかけて行く
と、猫耳を付けた美人が俺と寝ている彼女を見て、言う
「ん?あ!君たち来て!」
そう言われ、俺は手を引っ張られそうになる
「いや、ちょ…は?」
「ん?君は彼女の夫じゃないの?」
何を言っているのか分からないが、彼女だけを持って、どこかに行こうとする
「なら、彼女はポットに入れるから!じゃーね!」
いきなりそう言って走っていってしまった
「って、待って!」
唖然としていたが、彼女以外の人…と呼んでいいのかわからないが、人物にあったのだ
これを逃したら帰れない気がする
そう思い、彼女たちを追いかけていく
「って、はや!」
が、そのスピードは異常としか思えないスピードで走っていく
―――と、猫の美人があるところで止まった
大きなティーポットだ
「よっこい…せ!」
そしてあろうことか、その中に寝ている彼女を入れ―――
「って待て待て待てぇ!」
「ん?うわぁ!」
入れようとしているのを止めようとした矢先、何かに躓いた俺は、気がついたら彼女と一緒にポットの中へダイブしていた
・・・
ポットの中は甘い匂いで充満していた
「うへぇ…体中がベトベトじゃねーかよ…」
ポケットの中身もベトベトで、スマホとかが無事か心配していた時だった
「あなた、だぁれぇ?」
眠たそうに目をこすりながら、こちらを見てくる彼女
「え…あ、その…」
なんていうか、あまりの可愛さにショートしそうである
「えへへぇ〜…一緒にねよ〜」
そう言いながら抱きついてくる彼女は、暖かく、柔らかく…魅力的で、汚したく―――
「…!?な、俺…一体…」
危うくこのまま彼女をレイプしそうになっていたのを、どうにかして止める
―――
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