―――ハァハァ!?私は走っているこんな所で捕まるわけにはいかない「逃げるな!魔女め!?」教団の連中が追ってくるこんなところまで奴等が来ているなんて、正直想定外だ今どこにいるのかも分からない―――こんな事になるなら、もう少し装備を持ってくればよかったと、森が途切れているこれなら振り切れ―――「っ!?」開けた場所は崖になっていた「覚悟しろよ…」教団の連中が寄ってくるこのままでは、殺されてしまう…!そう思ったときだった「え?」私は、足を踏み外してしまい―――そのまま落下した・・・「つつっ…」崖の下は、思いの他木が多かった為、うまくクッションになってくれたようだしかし、打ち所が悪かったのか、私の体は動いてくれない「…くそっ」こんな所で、私の人生は終わるのか―――魔物になって、人生と言うのも変だがだが、私はそう思ったあぁ、結局あの人が言ってくれたような、私を見てくれる人には巡り合えなかったな…バフォメット様…帰れず、申し訳ございません…次に生まれ変わるときには、もっと可愛らしくなれたら…そこで、私の意識は途切れた・・・私は、元々は人間の勇者だった人間の中では、魔力が非常に高く、魔法攻撃に長けた人材だったと思う魔法攻撃が強力だと言うことは、それだけで戦局を左右する存在になりえるそれだけに、私の事を快く思わない連中もたくさんいただからこそ、なのだろう魔界への、単身突撃などをさせられたのは―――正直、気が触れているとしか思えないだが、それでも―――引き止める家族もいない、愛する人もいない、見た目は魔力で若く見えるが、実際は何歳か分からない私の事など、誰も、引きとめようとはしなかったそんな、単身で魔界に行ったのだ私の体は、徐々に魔界の魔力に蝕まれていたそれでも魔物化をしなかったのは、私の魔力が高かったからだろう一人で、魔界を捜索し、魔王を倒すために、ひたすら旅を続けた・・・「う、うぅん…」気がついたら、私は毛布に包まっていた「ここは・・・?」首だけを動かし、辺りを見渡す簡素な、どこかの小屋のようだ「あぁ」と、奥から声が聞こえてきた「あぁう」ノッソリ、といった擬音が似合いそうなその男は、こちらに近づいてきた―――デカイ身長は、恐らく2メートル近くはあるんじゃないだろうか?―――今の私が小さくて、そう感じるだけかもしれないが「あぁ、ああう?」その男は、ひたすら唸っているようだと、突然紙とペンを持ち始めた[だいじょうぶ?]そこにはそう書いてあった「…私は大丈夫よ」[よかった]私が答えると、続けて男も書く「あなた、喋れないの?」[そうみたい。よくわからない]そういうと、男は奥に行く私は体を起こそうとするが、体が痛む体を強く打ったためだろう[体うごかすのはダメだよ。体中ケガだらけだったんだから]ふと横を見ると、そんな文字がみえた[これ、スープ。のめそう?]男は私に聞いてくる「…体を起こせば、何とか飲めるわ」そういって、上半身を無理やり起こしたと、その時毛布がはだけて―――「あれ?」―――普段着ているはずの服ではなく、だぼついた[ごめん、ケガの手当てとふくやぶけてたから]「っ!?」つまり…私の…裸を…!?「…みた、のね」男はわからないようだったが、今更気づいたのか「あ、あうあ!」と喚きながら、何か書き始めた[ごめんなさい!よこしまな気もちはありませんでした!]そう書いて、何度も頭を下げている長い髪から覗ける顔は、耳まで真っ赤なようだそんな態度をされたら、怒るに怒れないではないか「…て、手当てをしてくれたことはお礼を言うわ。」私も、恐らく相当顔が真っ赤になっているだろう男は顔を上げる…髪が長すぎて、顔が良く見えない「と、とりあえず…あ、ありが、とぅ…」お礼は言ったが、裸が見られたことと、人付き合いが苦手な為、かなりカミカミだったが…[どういたしまして]男は紙に書いて答える「と、とりあえずスープを頂くわ!」そういって、私はスープを貰った・・・「あたたかい…」そのスープは、質素な味ながら、とてもあたたかく、懐かしい味をしていたスープを飲みながら、私は昔のことを思い出す〜〜〜〜〜〜勇者として単身魔界に行った私は、あるバフォメットに出会った「魔物…」「ほほう、これは珍しい。これだけ魔力が高いとは…羨ましいのぅ…」「…なにかおかしいか?」「…いや、わしはただ、才能がないから、な…」そういって、なにか哀しそうな顔をする魔物それが、バフォメット様との出会いだった〜〜〜〜〜〜[味、だいじょうぶ?]突然横に置かれる紙不意に現実に戻された「あ、あぁ…美味しいわよ。ちょっと、考え事を、ね…」昔の事を思い出していた、なんて言えないなんとなくだが、言えなかったそういって、まだ残っているスープを飲む冷めているはずなのに、なぜかまだあたたかいなんでだろう…[ゆっくり、食べてね]そういうと
[3]
次へ
ページ移動[1
2 3 4]
[7]
TOP[0]
投票 [*]
感想