くりすます!

朝―――

私、高月魔理沙(たかつきまりさ)は眼を覚ました
いつも通りの朝、いつも通りの生活…

だが、今日はいつもと違う
今日だけは特別なのだ

そう―――

「今日はクリスマスだぁ!」

正確には、イブなのだが

・・・

「おかーさんおはよっ!」

「おはよう魔理沙…朝から元気だねぇ〜」

「だって今日はクリスマスなんだよ!」

そう言いながら、私は朝食の準備の手伝いをする

「あ〜…そんな日もあったっけ」

「コウ…おまえ子供の前でそれは駄目だろ」

そう言いながら後ろからスーツで出てくる男性

「おとーさん!おはよっ!」

「おはよう魔理沙、今日も朝から元気だな!」

おとーさんはそう言いながら新聞を読み始める
なにが面白いのかわからない

「マサ〜新聞は飯の最中はご法度、だったよな?」

「まだご飯の前だから許してくれよ…」

「だが断る、魔理沙を見習って手伝いなさい」

いつも通りの掛け合いをしながら、おかーさんの尻に敷かれているおとーさん
…おかーさんがよく言うけど、こういうことを言うらしい

「魔理沙は偉いなぁ!これは今夜来てくれるかもな」

「ホント!?おとーさん!」

「魔理沙?油断は駄目だぞ?」

「うんおかーさん!」

今夜はそう…ついにあの人が来てくれるんだ!

「サンタさん…来るんだ!」

・・・

朝食を食べ終わって、宿題をして―――

私は出かける準備をした

「魔理沙、人前では「羽と尻尾と角は出さない、だよね?」

おかーさんから何度も言われている言葉
―――私は、人間じゃない

おかーさんも昔は人間だったが、気がついたら人間じゃなくなっていたらしい

そこから生まれた私も当然人間じゃない
御伽噺に出てくる悪魔のような見た目だった

人前に出るときには、人化の術を使わないといけない

「じゃあ、いってきまーす!」

だけど、人化の術さえ使っていれば問題ない
…本当の姿を友達に見せられないのは辛いけど、それでもそれを守っていれば友達ともいられるのだ

私は友達と待ち合わせている場所まで向かった

・・・

「あ、まりさだー!」

「待たせてごめんね!」

友達はもう集まっていた

最初に気付いてくれた亜里沙(ありさ)ちゃんと横にいる哲也(てつや)くん、それに―――

「おそいぞまりさ!」

「むぅー!まだ時間ぴったりじゃん!」

幼馴染の鈴太(りんた)、いつものメンバーがいてくれた

「まりさはギリギリすぎるぞ!」

「りんたがいっつもはやすぎるの!」

鈴太と私はいつもこんな感じでけんかになりそうになるが―――

「二人ともけんかはダメだぞ〜」

「そうだよ、今日はもりのおくのタンケンでしょ」

亜里沙ちゃんと哲也くんが私達を止めてくれる

「もりのおくに何があるのかな?」

「きっと面白いものがるんだ!みんないくぞ!」

「なんでりんたが仕切ってるの!」

「たのしみだなぁ〜」

そんな感じで、森の中に入っていった私達

―――森の中は、雪が積もっていて、中々進めない
それでも、私達は何とか進んでいこうとするが…

「これ以上はあぶないよ〜」

亜里沙ちゃんが言う

「これくらいへっちゃらだよ!」

「でもこれ以上はいってそうなんしたら…」

「テツ!こわがるなよ!」

哲也くんもこれ以上は危険だと思っている

「りんた…私も疲れてきてるから…」

「まりさもかよ…なら続きはあしたにするか」

正直いうと、私もそろそろ危ないと思ってきていた
疲れてきたし、なにより―――森の奥が見えてこないのだ

その事に恐怖心を抱き始めていた

「あしたこそこのもりをせーはしてみせるぞ!」

「そうだねりんくん〜」

そう言いながら歩いていた時だった

―――亜里沙ちゃんの方に車が突っ込もうとしているのが見えたのは

「ありさちゃん!」

「え?」

そう言って、車に気付いたときには、亜里沙ちゃんは動けず―――

「まにあえぇ!」

気がついたら私は―――

「大丈夫か!?…え?」

「ま、りさちゃ、ん?」

羽と角を―――

「ば、ばけものだぁ!」

出してしまっていた

・・・

亜里沙ちゃんを抱えて、なんとか助けたけれど、その時に人化の術が解けたらしい

角と羽が出てしまっている

その姿を見て、亜里沙ちゃんを撥ねそうになった人は私を化け物と呼んでいた

「ば、化け物め!」

そう言いながら私に怖い視線を向けてくる

「女の子を襲おうってんだな!?」

そう言って、他の大人も次々に来そうになるが―――

「こっちだまりさ!」

そう言って、私の手を引いてくれる鈴太

「テツ!」

「僕にまかせろ!」

そう言って、亜里沙ちゃんを立たせて私達に続く哲也くん

「まてぇ!」

そう言いながら私達を追いか
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