暗い夜空と小さな出会い(下)

―――最初に目にしたのは、彼が倒れる瞬間だった誰かと争っていたのか、目の前で傷だらけで倒れる彼最初は怖かったが、よく見ると、彼が死にそうだった気がついたら、彼のことを助けるのに夢中になっていた体が勝手に動き、気がついたら救急車も呼び終わっていたそんな彼を見ていたら、あるビジョンが見えてきた―――それは、幼馴染達が幸せそうにしているのを眺めている彼の視点彼の視点でみた二人は、とても幸せそうで、嬉しい反面、悲しくもあったそんな彼は他の女性の事も見ていたが、恋愛感情を抱かないようにしていたようだそれは願掛け自分の友人の恋が実るための、ただの自己満足彼はそれを理解した上で、その願掛けに拘った―――なんで、そんな悲しい事をするんだろうわたしは、彼に疑問を持ったそして、興味を持ったそうしたら―――気がついたら、姿が変わっていた彼が恋焦がれた、幼馴染の姿に―――と、そこでまた変化が起きたそれは、髪が黒くなり、服も普段のわたしのものと同じになり―――彼女とわたしを足した姿に変貌した―――そっか、無意識に見てくれたんだわたしは嬉しくなる反面、なんとなく悲しくもなった―――こんな地味な子、貴方には本当はふさわしくないよわたしはそう思いながら、救急車がきたのを見計らって、この場を後にした・・・彼が運ばれた後、わたしはその病院に行ってみたなんとなくだが、道が分かったなぜだかは知らないがと、彼が運ばれた病院にきたはいいが、どうしようわたしはふと、そんな事を考えながら近くに隠れていたそうしたら、誰か二人が走って入っていった―――彼の友達だ片方は彼の幼馴染、もう片方は古い記憶で3人でよくいた人の片方だ二人とも顔が真っ青な状態で病院に走って入っていくわたしもついていく事にしたそうしたら、彼の病室がわかるかもしれないから・・・結果として、それは大成功だった彼が入院している部屋、彼の状態、彼の名前…あげたらキリがない位の収穫だった彼―――川崎宗弥の部屋は302号室彼がここに入院するのは1週間それまでに、彼に会って―――そこでふと考える―――彼に会って、どうしよう恐らく彼は失恋したとさえ思っていないはずだ彼はそれ位表面は強いが、内面はとても悲しみにくれていた自分が好きになって、人との関係を壊したくない自分が我慢すれば、みんな解決するそんな、自己満足と自己犠牲が、彼の無意識の中を支配していたのだそんな彼を、わたしはどうしたい?わたしは―――「埋めてあげたい…」それはわたしの口からでた言葉彼の心を埋めてあげたい彼のことを癒したいわたしは決心した彼の都合に振り回されてもいいから、彼の心を満たすんだ、と…・・・「だれ?」彼が目を覚ましたわたしはそのまま彼に近づいた彼が驚きながらわたしを見る仕方ないだろう彼の思い人に似た女が突然現れたのだ「あんた、だれだよ…」「…貴方の隙間を埋めてあげる」そう、彼の隙間を埋めるんだそう思ったが―――月が隠れてしまった―――不味い!そう思ったわたしは、そのまま部屋を飛び出した―――彼に本当の姿を見られたら嫌われるだって、わたしは―――可愛くないんだもの・・・結局あれ以降彼が起きている間には、彼の病室には行けていな天候が悪く、本当の姿を見られそうだからだから、寝ている彼を見に行く位しかできなかった―――起きている彼を満たしたいのに、何をやっているんだろうそう思いながら、やはりわたしはいく事が出来なかった・・・彼が退院した日、わたしは影から彼の事を見送っていた彼は元気そうにしながら色んな人に挨拶をしている―――わたしも、彼にそう思ったが、わたしは出ていく勇気がなかったやっぱり、彼には―――・・・その後、何気なしに彼の行く方をみていたら、図書館へ行ったようだわたしも久しぶりに図書館に―――と、ふと思う―――わたし、いつ図書館に行ったんだっけ?なぜだろう、思い出せないのに、覚えているそうこうしているうちに、彼が本を読み始めた彼が読んでいるのは魔物に関する学術書―――勉強家なんだわたしはそう思いながら、近くにあった恋愛小説を読み始めた「!?」その内容は、恋愛小説には少々過激すぎる内容が載っていた―――え!?おしりはちょっと!―――うわ!ロープとか!?わたしは気が動転しそうになっていた「君、大丈夫?」と、誰かが声をかけてくれた「あ、だいじょうぶで…」―――彼が、目の前にいた・・・「…で、君はだれなの?」「その…」あの後、逃げようにも彼に捕まってしまい、彼に連れられカフェにいる正直、逃げようとした反面、彼に捕まったことをなぜか嬉しく思う自分がいる「言っとくけど、俺こう見えてもあった人間の事は覚えてるんだ。でも君の名前はわからないんだよね」「…あの、その…」彼は呆れているのだろうか?見たところなにか浮かれているように見えるが…「…んじゃぁさ、単刀直入にきくよ
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