私はヴァイオリンを弾く今日は本当なら部活が休みだから、個人練習だ―――一人はいいこれだと、どんな演奏をしても人に迷惑がかからないし、何を弾いてても、何も言われないそれに―――ロウちゃんがいないと、気分的に一人と変わらない分、この方が本当にラクだ―――何時からだろう、私の周りに人がたくさん居るようになったのは―――何時からだろう、彼との距離差を感じるようになったのは―――何時からだろう、私と彼の間に、溝が出来てしまったのは―――こんなの、少しも望んでなかったのに!―――私はただ、彼に相応しい女になりたかっただけなのにそう、気分が悪い方向で高ぶった状態でヴァイオリンを引き続ける・・・―――きっかけは恐らく、小学校2年生位のときだろうたまたま、ヴァイオリンの演奏を家族で見に行った時だったその時の奏者の美しさを今でも覚えている「あんな演奏、いつでも聴けたらなぁ〜」彼が言った、この些細な一言が、私の決意を固めたのだろうその日以来、両親にねだってヴァイオリン教室へ行った行ったが…「この子、とっても才能がありますよ!?」そういって、気がついたら教室でも教わることがなくなっていたそれからだったと思う気がついたら、いろんなことが出来ていた勉強も、スポーツも、音楽も―――でも、それが、彼との時間を無くされてしまうとは、思ってもなかった唯一私が安心できる時間―――彼の部屋で、猫になっている時だけだった彼が恥ずかしいからやめてほしいのはわかるが、私たちネコマタにとって、猫の姿でリラックスできる場所というのは、本当に重要な場所なのだつまり、私は―――「…なんか、普段と違うな、ルカ」その声を聞いて、私は冷や水を浴びたような感覚になる「ロウ、ちゃん…」私の最も愛しい人―――師堂楼樹が、そこに立っていた・・・「ど、どうしたにゃ?普段なら帰ってるのに」彼がこの時間にいないのは当たり前だ彼はどの部活にも所属していないはずだし、なにより今日は宗弥クンと帰っていた筈…「なんとなく、ね…」そう、彼もはぐらかす―――恐らく宗弥クンも絡んでるのだろうで、なければロウちゃんが私のとこにくるとはおも―――「最近、なんかあったのか?」「へ?」私は素っ頓狂な声を上げてしまった「いや、ルカがサボるなんて今日始めただろ?」―――なんで、こんな所は見てくれているのだろう「ルカがサボる位なんか辛いことあったのかな、って思ってさ…しかも、さっきの演奏だし」「あ、あれはそういう演奏なんだにゃ!」咄嗟に嘘をつく勿論そんなわけがない「…嘘だよな」直ぐにばれた「あの曲はもっと落ち着いて弾くものだって、自分でいってたじゃんかよ」私は何もいえない彼は続ける「ルカが感情的にどうしようもない時、その曲を必ず弾くしな」「…よく見ててくれてるんだ」まぁな、と彼は頭をかく彼が照れている時の癖だ「…僕じゃ」「?」彼は突然言い出す「僕じゃあ頼りにならないだろうけどさ、相談に乗ること位はできるから」彼は、悲しそうに、言う「そりゃあ、ルカに比べたらなんにも出来ないけど、さ」「…とない」「へ?」「そんなことない!?」私は大声で言う「ロウちゃん!ロウちゃんの部屋でいっつも寝てるのはね!?それをしてると私が私でいられるからなんだよ!?」「ちょ!おま!?いk「ロウちゃんの為なんだよ!?私が頑張ってるのは!?」「…は?」私は彼にぶちまける私の思いを「ロウちゃんがいつでもヴァイオリンを聴きたいって言ったから、ヴァイオリンだって頑張ったし、ロウちゃんの自慢になりたくて色々頑張ったんだよ!?」私は何が言いたいのか解らなくなってきている「ロウちゃんのお嫁さんになりたくて!それが夢で!?わ、わたぢ…」私の頭の中もグルグルで、泣きながら、何が言いたいのか解らなくなってきた「…」無言のロウちゃんここまで言っても無言って事は―――「やっぱり、わたし、嫌われてたんだよね…」「…は?」「いいの、わたしじゃつりあw「いや、まて」彼が静止させる「確認の為に、いいかな?」私は頷く「ルカが好きなのは、僕?」もう一度頷く彼は難しい顔になる「…ごめん、疑うようで悪いんだけど、マジ?」「うん」彼は再び顔を難しくする―――やっぱり嫌われてるんだ「えーと…幼馴染だから、とかじゃないよ、な?」彼は顔を赤くして聞いてくる「…そんなに気を使わないで、ロウちゃん。私嫌われるの覚悟してたから」「いや、これはきr「私といると、みんなといれないもんね」「はぁ?」彼は素っ頓狂は声を出す「ごめんね…」そういって出ようとする「って、だから待ってルカ!?多分激しく勘違いしてるから!?」が、彼に手を掴まれる「離してよロウちゃん!もう気をつk「だからそれが勘違いだっていってんだよ」そういって、私を抱き締める「え…?」「寧ろルカこそいいのかよ?俺なんかで」彼は、まるでようやく掴んだ宝を離さない
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