回復!!

「・・・・・・では、校則に則りHC立会いの下、回復魔法による治療を行います。魔力の塊を傷口に押し当てられるような激痛を伴うため、舌を噛まないようにこれを付けます。」と説明を受け、手渡されたタオルを口に含む。というかダークエルフのHCさんに入れられる。とてもHCさんは嬉しそうである。

・・・・・・何でこんなに指の動きが艶めかしいの?
という疑問がタオルを入れられたときに発生したが、なんとなくなかった事にしておこう。
・・・・・・タオルからHCさんの匂いがする。しかも、タオルの入れ方が変だ。

・・・・・・猿轡?そしてなぜ俺は手足を縛られているの?
 痛みで暴れるから、という理由なのか?それともHCさんの個人趣味?
 にやにやと笑うHCさんが怖い。そして何故手には鞭を持っているの?
「では、回復魔法を用い、この方を調きょ、いや、この方の傷を癒してあげて下さい。」

「・・・・・・。」さっき何を言いかけたんだこのHCさんは。
「はい、わかりました。では・・・・・・。」
 そう言ってトワロは術を展開させる。俺も知っている術式だった。
・・・・・・なら何故自分で回復させなかったのかと言うと、回復術式を自分に使用する為には、自分と波長の違う魔力を吸収しなければならないからだ。
 つまり、自分以外の魔力を体内に無理やりねじ込み、その魔力に対する免疫作用で体細胞の活性化を促すというものだ。
 その術式から管が伸び、体に刺さる。この時点では痛みを感じはしない。
 「では、注入します。」


 『ガァァァァァァァァァァァーーー!!』

 俺の曇った叫びが保健室に響く。とってもみっともない姿なのだろうとおもうが、大人でも泣くぞ、この痛み。

 「ハァ・・・・・・ハァハァ・・・・・・。」
 HCの先生が何故か荒い息づかいになる。なんで興奮してるの?
 「大丈夫ですか!?大丈夫ですか!?」
 如月は心配してくれているのだろうが、尻尾が当たって痛い。


 そのまま、三分ほどが経過する。叫んだまま、喉を全開にしたまま。

「大丈夫ですか?哲也様?」
トワロが俺を心配してくれている。とてもありがたいものだ。


「・・・・・・ダイジョブ、デス。」
 デス、は多分DEATHの発音になっていたはずだろう。

「これで、終了です。この後は、自室での療養をしてください。」
HCさんから説明を受け、その指示に従う。
「ありがとうございました、HCさん。このタオルは洗って返しますね。」
最後に挨拶をして、保健室を立ち去ろうとしたけど、ベッドの脚に腕をくくりつけられていて、動く事が出来なかった。
「・・・・・・外してくれませんか?」
「・・・・・・ヤダ」
「・・・・・・は?」
「冗談。今からはずしますよ」
 何故語尾に、はーとまーくな雰囲気が漂っているのかは置いておくとして、なぜ肩から手を這わせて紐に到達する必要があるのだろう。とても艶めかしくてゾクゾクする。
 しかも、反対側の腕の紐をほどく際に、向こう側に回る事などせずに、俺の上に倒れかかる様にして紐に腕を伸ばす。
 そうすると、やはり彼女の胸が俺に当たるわけで・・・・・・。

「ちょ・・・・・・先生、あ、当たってますよ・・・・・・。」
「うーん?何の事?」
先生は紐を解くのを止め、こちらを向く。しかし、さっきから如月が驚いたように耳としっぽを立てているのは何故だろう。

「え・・・・・・だから、当たってますよ。」
「だから、何が」
「え・・・・・・あ・・・・・・。」
 疑問符がハートに入れ替わる現象がまた起こる。保健室の不思議だ。

「・・・・・・先生、ほどき終わりましたよ?」
 狐耳がベッドの淵からひょっこりと飛び出る。如月だった。
「え・・・・・・解いたの?」魔術で堅くしてあったのに、とHCさんが呟いた気がした。
「はい、ほどきましたが?なにか?」笑顔の如月。尻尾の毛が逆立っているのは多分ご愛嬌。
「ま、いいや。あ、それでタオルは洗わなくていいよ。」
「あ・・・・・・はい。ありがとうございました。」
「・・・・・・それとあと、私の名前はフレイヤ・クリム・レビヤって言うのよ?先生、名前で呼んでくれないと悲しいなぁ〜。」
 あからさまに悲しさ鉄分が欠乏して貧血を起こした声をフレイヤ先生が発する。
「すみません。フレイヤ先生。ゴホウメイヲゾンジアゲテオリマセンデシタ。」
「もう、先生はつけなくてもいいのよ?」
「え?でも・・・・・・先生。」
「フレイヤ、でしょ?」
「あ・・・・・・ごめん、フレイヤ。」
 先生と呼ばれる人間(魔物)の有無を言わさぬ能力。それに圧倒される俺。俺は昔、日本と呼ばれた国にいた頃、その能力のおかげで生徒会の役員になった事があった。
 今回も、それによってタメ口を強要させられた。なんか恋人みた
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