完全変態 カエルの歌?が聞こえてくる?

本舎と体育館を繋ぐ渡り廊下を抜け授業時間中なので誰もいない中、保健室までの道筋、救済へのシルクロードをただひたすらに走る、走る、走る!!

ハァ、ハァ、ハァ!
もうやだよ!今日1日だけでどんどん身体が変になっていってる!怖い!知らない自分になりつつあるのが堪らなく怖い!!誰にも見つからない内に早く向かって保険の先生に、あの先生にだけは打ち明けよう!


ドンドン
「ひふれーひあふ!!!」

「はいー、どうぞお入りになっ...あら、あららー?これはまたご立派な」

身体が変化していく恐怖と舌をまじまじと見られてる羞恥心がごっちゃになってもう先生に今すぐにでも飛び込みたい!!

「ひぇんひぇー!た、たふへてー!」

「わっとと。大丈夫よ、大丈夫。何も怖くないから。まずは落ち着いて、一度ゆっくり深呼吸しましょう。」

わっ、頭ポンポンって...小さな子供をあやすような感じでちょっとあれだけど、心地よくて安心するかも...

「ひゃい...すぅー...ふぅー...」

「ゆっくりね...そうそう...ゆーっくり口からね...そう、ゆっくり...
ふふ、少し落ち着いたかしら?」

「は、はい...」

「良かった。じゃあ早速、その症状を診ていきましょうか」

...完全に落ち着いてきちゃった。事態は何も解決してないけど、保険医の矢雅羽(やがば)先生による無尽蔵の包容力みたいなものが胸に押し留まってた不安を洗い流してくれちゃった。着ている白衣が修道服に空目してしまう程の慈愛と、教師とはかくあるべきを体現するかのような知識量を併せ持つ、私達学生にとっての聖母のような先生だわ!

「ふぅーむ、恐らく変わりたてで舌が出しっぱなしになっちゃってるのね?
その舌なら、人間のこの辺りの舌筋を、えいっ!と内に引っ張りあげるイメージで収縮させれば引っ込むと思うわ」

そう言って先生が私の顎と喉の間をか細い指ですすすっと撫でつつ、飲み込むようなジェスチャーで表してくれた。するりと長くたおやかな指がぬるぬるとした喉の皮膚に沿って下りていくものだから、何故かスゴくいけない事をこれからするような気になってきてドキドキしてきちゃう...

...私は何考えてるのか!ダメダメ、治療に専念しなくちゃ!

「え、えーっほ...ほほれふは?ほっ...ほぅ...?えいっ!おっ!
は、入りました!先生!縮んでくれました!」レロン

うえっ、気を張ってないとすぐ出ちゃう...

「ふふっ、まだコントロールが必要みたいね。やがて舌を出してても喋れるようになると思うからもう少しの辛抱よ」

「ふ...ほっ!そ、そういうもんなんですか」

「ええ、そういうもの。そしてその症状に対する処法もちゃあんと知ってるの。ちょっと荒療治になるけど」

...えぇ!?処方あるのぉ!!
先生は何気無い一言っぽくいい放ったけど私には神の福音に聞こえたよ!!

「ほ、本当ですか!!やったぁ!一刻も早くこんな身体から元に戻ってフツーの高校ライフを送りたいんです!!」

「あ...元に、とはちょっと御期待には沿えないかもしれないけど、高校生活を充実させるというのは保証するわ」

やったやった!やっぱり矢雅羽先生はスゴい!色んな事を知ってるんだ!相談してよかったぁ!

「で、で!先生!その治し方っていうのはどんなのですか!?私治るためだったら何でもしますよ!」

「まぁまぁ慌てないの、治療法はお楽しみに〜。ということで、ちょっとベッドに横になってて頂戴」

にししと先生らしからぬ意地悪な笑みを浮かべつつカーテンの付いた、1人寝かせるにしては妙に大きな白いベッドに誘導された。どうしよう...今の私の身体だと...

「...先生、言い忘れちゃいましたが今の体、何故か吹き出す汗もネトついてて...色々とべたついちゃってますから...こんな綺麗にしてもらってるベッドですし、寝るのは少し忍びないです」

「あ、粘液ももう出るようになってるの?でもいいのよ。大丈夫、ベッドシーツは事あるごとに毎回丹念に洗ってるから問題ないわ。それよりも生徒の健康が最優先よ」

むぅー、そうは言っても清潔で整然とした真っ白なシーツをべしゃって粘液で汚すことにちょっぴり罪悪感を感じちゃうなぁ。先生がいいって言ってるけど、この粘液なかなかハンカチでも拭いきるの大変だったよ?うーん、いいのかなぁ。

「そんなにもじもじと縮こまらなくても大丈夫よ。ほら、こうやってごろーんって」

「わっ、わ、先生!?」

急に後ろから肩を掴まれたと思ったらそのままもたれ掛かられ、目まぐるしく視界がぐわんぐわんとしてる間に先生と一緒にベッドへとうつ伏せにされちゃった。

「んぷはっ!せ、先生!先生の白衣までべちゃべちゃに...ごめんなさい!」

「そんな小さな
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