「ほーら、こっちこっちー!」
テクテクとアモネアは早足で歩みを進めていく。
相変わらず気分は最悪だ。俺は妹にどんな顔をして会えばいいのか。
妹の安否は心配なのだが、一番の心配の種は俺自身となってしまっている。この国の狂った出来事に遭遇する度に抱いてはいけない情欲が強くなる一方だ。妹の安否に想いを馳せようとも、この国にある性的な罠にかかる妹のあられもない姿が思考に介入し、またも隆起を強くしてしまう。
いっそ一介の魔物になり果ててアモネアを犯し尽くしてやろうか...
本人は良いと言っているし、彼女に情欲を向け続ければ妹に手を掛けることはないだろう...
ずっとずっと、あいつが俺に愛想を尽かしもう会わない様になるまでずぅっと...
...嫌だ!嫌だ、嫌だ!!
妹に会えないまま誤魔化していく人生なんて何の意味がない!!
そうだ、気に病むことなんて無いんだ、この胸に秘める愛を素直に伝えたらいいんだ。国の内外問わず家族愛を語る事は決して悪いことではない筈だ。そうだとも。俺は純粋に愛しているんだ。
だからその後に起こりうる情事など、この国にとっては日常茶飯事、何処にでも起こってる些末な事でこの国では当たり前。セックスを持ってして愛を確かめる、これの何がいけない?そうだ。愛あれば交わる。そうだ決して悪いことではな...
...いや待て!おかしいだろう!?俺の頭はどうにかなっちまったのか!?何故そうもすんなり妹を受け入れている!?
くそっ!!どうしても情欲を拭い去れない!!妹を思えば全て劣情を募らせてしまう!!くそっ!くそっ!!
会いたい...妹がいない今、半身が裂けてしまったようだ...狂おしい程に会いたいのに...俺の体が、思考が、どんどん魔物へと身を落としていく...会えばきっともう元に戻れない...
俺なんかと万が一繋がっちまったら あんな生活続きの俺達だ 生涯不幸になっちまう あいつの未来と幸せの為には...
俺が身を引くべきなんだ...もう...諦めよう...
「アモネア...」
「んー?何ーどしたのー?
...あらやだおっきくしちゃって
#9829;どうしたの、私に欲情してくれたの?
#9829;」
「...これを、静めて欲しい...無茶苦茶な願いなのは承知してるけど...お願いしたい」
「ええっっっ!?いいの!?妹さんにもうすぐ会えるのに!?
#9829;」
暗き願望を紡いで吐き出す
最愛の人との決別が為に
「会えそうだから、こそお願いをしたい。
もう、ダメなんだ。妹の身を案じれば案じる程、劣情を募らせてしまうこの体では、いずれあいつを襲ってしまう!だから、間違いが起きないうちに...お願いします」
「...なーるほどね、妹さんに対してそんな想いを持ってたんだぁ
#9829;」
これでいい これでいいんだ
俺はアモネアと生涯添い遂げよう
ここで永遠に 妹に会いたいという感情さえも溶かしてもらおう 溶かして 散らして 消してもらうんだ
思えば彼女に対しては魔物として警戒してた故ずっと攻撃的に 高圧的に過ごしていた 申し訳ない ただ後悔ばかりが募る
今後 永劫のパートナーとなるなら接し方も考えないといけない 伴侶 番 オスとして これからずっと一緒なのだから ずっと ずっと 妹を頭の片隅まで隅々に無くすことが出来るまで
そうだ この国の街はまだ見ていない 彼女と一緒に見て回り不思議の国を案内してもらおう 国を 不思議な いかれた 国を 妹とでなく アモネアと
そしていずれ俺も彼女と同じ森に住み愛を育もう そう ずっと アモネアと 一緒に住むんだ アモネアと アモネアと アモネアと 永遠に アモネアと アモネアと アモネアと アモネアと
妹でない アモネアでなくては
「でもダーメッ
#9829;私がいくらずっとお兄さ...マレチクスさんとのセックスの事考えてても、そんな思いの丈が籠った精を啜ろうとする程無粋じゃないよ?」
「そ、そんな!このままじゃ俺は、あいつを!何とか、何とかお願いします!」
根本的解決にはならない 誤魔化しでしかない 妹にぶつけたくない劣情を 好意を持つ魔物にぶつける ひどく身勝手で 腐りきった行為だとも思う 端から見れば 言わば性欲の捌け口だ 最低だとも思う
それでも 妹を守る為なら何だってする 妹の為 愛すべき 妹が為
「ねぇ、マレチクスさん。妹さんを襲ってしまう事というのはそんなにイケナイ事なの?」
...え?な 何を言って...
「だ...駄目に決まってるだろう!?妹だぞ!血が繋がってる兄妹なんだぞ!?」
「繋がってるから何なの?それがダメな理由になるの?」
「ああそうだ!!俺も学はねーから詳しくはわからねーけど、同じ血同士じゃ生ま
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