その4

「そろそろか・・・」
懐かしきミスガルズ砦まであと僅か。
遠目で観察したところ、未だミズガルズ砦は陥落していないようだ・・・
急がなくては・・・

砦に着陸した私に警備兵が詰め寄った。
「何者だ!!」
「私はヨルムンガンド。魔王閣下の勅命により貴殿らに助力に参った。
 速やかに現在の状況及び作戦展開の情報をくれ。」
「あなたが!?・・・これは失礼しました。・・・隊長、ヨルムンガンド様、ご到着されました!」
「おお!お待ちしておりました。現在の状況と作戦展開ですね・・・
 戦況は芳しくありません。そのため今後の作戦も立てられない状態です。
 圧倒的劣勢ではあったのですが彼奴らが謎の撤退をしたので今は何とか持ちこたえておりますが・・・
 砦前方に展開している教会聖騎士団を撃退出来れば何とか・・・」
「ふむ。なるほど・・・では私が教会聖騎士団を蹴散らそう。
 蹴散らしたことを確認したら貴殿らも追い打ちを頼む。」
「はっ!あのヨルムンガンド殿と戦えるなんて・・・光栄です!」
「もう一線は引退しているさ・・・では頼むぞ!」

久々に教会との戦いだ。
先ほどの隊長の話からは教会聖騎士団が罠を張っている可能性もあるが・・・
小賢しい。蹴散らしてくれるわ!


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その頃、教会聖騎士団陣営・・・
「司祭殿!!!敵に増援がきた模様です!!!遠目では竜族のようですが・・・」
「ふふふ・・・きっとあの汚らわしい黒竜でしょう・・・待った甲斐がありました。
 諸君、この時のために対黒龍用の最終兵器を用意してあります!もはや黒竜恐るるに足らず!!」
「「「「オオオオオ!!!!」」」」
「ふふふ・・・来なさい、黒竜よ・・・貴様を捕らえて処刑する時が楽しみです・・・」


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砦より飛びたち、教会聖騎士団陣営近くの空から奴らを観察することとしよう。
「ふむ。砦が陥落寸前に追い込まれるだけのことはあるな・・・中々力が入っているではないか。」
しかしこのヨルムンガンドにその程度の戦力では足らぬな。
追い返してくれるわ!


「敵襲!!!黒竜と思しき魔物が単騎で突撃してきました!!」
「来ましたか!こちらの陣営に引き付けるのですよ・・・?」
「はっ!」


おかしい。妙に手応えがない・・・というか、自陣営に攻めこまれているというのに、
誘い込まれているような・・・考え過ぎだろうか?
そんなことを考えながら近くの教団兵を尾で吹き飛ばし、正面の兵を突進で吹き飛ばす。
・・・トールと戦う間に奴の信条が映ってしまったのだろうか・・・
心の中で苦笑しながら陣営の中心を目指す。あの司祭がいるはずだ・・・
次々に襲いかかる教団兵を吹き飛ばしている時、それは起こった。
「!!!!!?」
どうしたというのだ・・・?
力が・・・体に力が入らない・・・
めまいがする。立っていることも辛い。
一体どうしたというのだ・・・?
「くっ・・・」
思わずよろめく。
「今です!!!魔法隊!」
あの司祭か・・・私に神聖魔法など効果がろくにないというのに・・・
そんなことを考えていると、体を凄まじい衝撃が襲った。
「かはっ・・・」
馬鹿な・・・一体何が・・・?
「今です!捕縛なさい!!!」
気が遠くなる中で司祭の声がやけに大きく響いた・・・



「ん・・・?ここは・・・?」
目を覚ますと、薄暗い部屋にいた。
「なんだ、これは・・・?」
これは・・・牢?手足も拘束され、台に寝かされている。
このようなもの・・・引きちぎれるはずが・・・体に力が入らない。
「ん?目が覚めたか?」
「・・・どうやらそのようだな。司祭様をお呼びしよう。」
解らないことは多いが、私は捕らえられたことは事実であるようだ。

しばらくすると牢の番兵が若く、神経質そうな男を連れてきた。
「おや、目を覚ましましたか?おはようございます。」
「・・・おはよう。」
「ほほう、魔物でも挨拶を返せるのですね。これは賢い。」
「・・・馬鹿にしにわざわざ牢まで来たのか?」
「ハハハ、そんなに怒らずともよいでしょう?軽いジョークですよ、ふふふ・・・
 おや、何か聞きたそうな顔をしていますね?解りますよ?」
「ここはどこだ?」
「ここはあの砦からほど近い街ですよ。あぁ申し遅れました。私、この街の教会司祭をしております、
 ユミルと申します。」
「私はヨルムンガンドだ。もう1つ聞きたい。・・・一体何をした?」
「ふふふ、それを聞いてしまいますか?竜族であるあなたが一体なぜ無力化されているのか?
 ふふふ、それは教団の極秘事項ですねぇ〜」
「・・・ならいい。」
「拗ねちゃいました?ふふふ、いいでしょう。これですよ
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