――――温かい陽射しの中で、誰かにゆさゆさと揺らされている。
でも眠たくって、もう少し寝ていたい。
というかあたしの睡眠を妨げるなんて、一体誰がそんな酷い事をするのかしら。うーん、と唸って抗議してみても誰かにゆさゆさと揺らされ続けて、どんどん意識がハッキリしてくる。
「あっ、あのっ、大丈夫ですかっ!?」
どうしてそんなに切羽詰った声なのかしら…………。あたしの肩を掴んで揺らしているけれど。
呻きながら瞼を開けてみると、若い男性があたしを見ていた。
「んー……?」
「あっ、気がつきましたか!」
「どうしたのぉ……?」
「どうしたのって、それはこっちの台詞です! あなたが砂浜で倒れていたから……っ」
倒れてた……?
ああ、そういう事。この男性の言葉と様子から見て、あたしが砂浜に打ち揚げられて気を失っていたのだと勘違いしちゃったのね。マーメイドやメロウの海に棲む魔物が砂浜に打ち揚げられる訳ないじゃない。大怪我をしていた、だとかそういうのだったら話は別だけど。
でもこの男性はそんな事も知らずに寝ていたあたしを心配してくれたのね。ちょっとおっちょこちょいだけど、優しい。
「うふふ、あたしはメロウよ? 海で溺れる筈がないじゃない」
「で、でもっ、さっきまでここで」
「眠っていただけよ。……くすくす」
「な……、あ…………」
あらあら♪
顔を真っ赤にしちゃって、可愛い男の子ね♪
「うふふふ、ごめんなさいね。驚かせちゃって」
「ぅ……あ、いえ……こちらこそ変に騒いじゃって……」
「いいのよ。うふふふっ」
顔を赤くしている男の子を見ていたら、なでなでしたくなっちゃった。
「あ、ぅ……撫でないで、ください……っ」
「どうして?」
「僕はもう子供じゃ、ないですから……っ」
「うふふ、子供扱いなんてしてないわ♪ あなたは可愛いけれど立派な男の子よ?」
そう言いながらもなでなではやめない♪
複雑そうな表情を浮かべながらも、男の子はそのままでいてくれた。
かーわいっ♪
「キミ、ここにはよく来るの?」
「え、あ……いえ……最近知ったばかり……です」
「ふぅん?」
それはそうか。ほぼ毎日あたしが来ていたけれど、殆ど人間なんて見なかったし、居るとしても大体が魔物だったりする。
この間のような恋人同士の人間がここに来るなんて凄く珍しい事だった。
「ね、キミはこの近くに住んでいるの?」
「あ……は、はい。でもこんな場所は最近までは知らなくて……」
そう言いつつ、男の子はあたしから目を反らすように話す。
「…………? そうなんだぁ。って、ごめんね。あたしの名前を教えてなかったわね。あたしはセレスタ。見ての通り魔物でメロウよ」
「ぼ、僕はルチル……です」
やっぱり男の子、ルチルはあたしをちらっと見てはまた目を反らしている。
どうしたのだろう。
あまり魔物に対しての耐性がないのかな。
「魔物を見るのは初めて?」
「いえ、その…………街でよく見かけますけど」
「けど?」
「セレスタさんのような海の魔物さんは、あまり、慣れてなくて」
「ふぅん?」
「その…………視線に困るというか」
…………ははーん♪
さっきから視線を反らしていたのはそういう事だったのね。あたしにとってはこの格好が普通なのだけど、人間から見れば露出度が高いわね。もっと曝け出せばいいのに。そうすれば男の人も寄ってくるし、自然と綺麗でいなきゃって思えるし。
それに結局男と女が愛し合う時は裸だし♪
「気になっちゃう? このおっぱいが♪」
「わっ、セレスタさんっ」
ルチルが可愛いから密着しておっぱいを押し付けてみる。もう初心な反応が可愛すぎっ♪♪
あたしよりは若そうだけど、きっと純粋なまま成長したのね。わたわたしてあたしのされるがままのルチル。
「うりうり♪ うふふふっ♪」
「や、やめてくださいセレスタさんっ!」
「触っていいのよ? ルチルだけ特別に♪」
「そんな、出来ませんよ……っ」
もう、どれだけ初心なのかしら♪
初心なのはいい事だし、あたしも楽しいのだけれど、それ以上にいけない。
じゃああたしが取る行動はひとつよね。
それにルチルは…………♪
ふふふっ♪♪
「はいっ、強制パイタッチ♪」
「わぁあっ!?」
「ぁんっ♪」
そっちが初心ならあたしがリードしてあげなきゃ♪ あたしもこういう事は初めてだけれど。
でもあたしに任せて。ルチルのためなら、文字通り一肌脱いじゃうから……♪
「どう……? あたしのおっぱい♪」
「いや、あのっ、その……っ」
「揉んでいいんだよ♪ むしろ、揉んで♪」
「…………ごくっ」
「あっ♪
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