畜生!此処は何処だ…ヘリが撃墜されたと思ったら森の中。どうなってやがる!?
木々の枝の中から這い出る一人の兵士、ヘルメットを外すと怪訝そうに眉を寄せる。
金髪青眼の西洋人らしき顔つき。
体格は兵士らしく筋肉質でがっしりしている。
その青年は辺りを見回し、舌打ちをした、
SOCOMに所属する小隊チームブラボーの隊員、ルイスはその場に腰を降ろす。
どうやらヘリが撃墜された時に身体を強く打ったらしい、激しい痛みが体を走る度に顔を歪めた。
「墜とされたのには間違いないか。打ち身だけなのは不幸中の幸いだな…ぃってぇ!」
舌打ちしながらも装備から取り出したGPSを見てみる。
しかし画面は無残に割れ、使用できる状態ではない。
場所の確認は無理の様だ。
溜息を漏らすとソレを放り投げる。
使えないモノは唯の重りにすぎない、そんなのは破棄に決まってる。
「…あ、あー。隊長、クラスト、ホノカ、ハドソン?近くに居るか?返事してくれ……なに?うんともすんとも言わない。近くに居ないのか…?」
すぐさま無線へ問い掛けるも誰からも連絡は来ない。
おかしい、同じヘリに乗っていた筈だ。近くに居てもおかしくないはずだが…
まさか…皆、死んだの、か…?
連絡が無い事に暫く考えていたが嫌な考えが脳裏に浮かぶ、血の気が引くのを感じながらも確かめる為に立ち上がった。
大切な仲間たちなんだ、死んでいて欲しくない…
幾度も戦場を共に戦い、生き抜いてきた仲間たち。
それゆえに、死んでいて欲しくなかった。
微かな希望を胸に抱きながら辺りを探索する為に歩き出す…
………………………
…何だ?今の世界の揺らぎは…
ルイスが現れた森の中に聳える廃れた古城。
その玉座の間、古びた玉座に腰を降ろす女性は怪訝そうに呟く。
この世の物とは思えぬ美貌に美しい小麦色の肌、青い瞳が静かに燃える焔の様に輝く。
しかしその容姿は余りにも人間とはかけ離れていた。
強靭な蒼い鱗に覆われた足に腕、鋭い爪を持つ腕の割には大きな手。
そしてその背中から姿を見せる翼と尾が彼女を人ではないと物語っている。
彼女はこの辺りをテリトリーにするドラゴン、そしてこの地方の悩みの種だ。
魔王の代替わりにより大抵の魔物達は温厚になり、恋や愛に励むようになった。
それは地上の覇者であるドラゴンも同じである。
だが彼女は違った、力が強過ぎたのだ。
代替わりの影響で姿が変わろうとも、思考迄は完全に及ばなかったらしく未だに破壊に生きていた。
強力な魔物でプライドの高いドラゴンには稀にその様な個体が存在するというが、彼女はその中でも特に旧世代の気色を残している。
故に魔物や人にこう呼ばれている。
…時代に残された恐竜と。
「つまらん…前までは勇者を名乗る者や傭兵が来ていたというのに…今は虫ケラ共しか来ぬとは…」
視線を部屋の片隅へと向ける、そこに転がるのは何も言わぬ男達の亡骸。
どれも痛めつけるように急所を外し、強い痛みを与える様に抉りながら傷を負わせて嬲り殺しにしている。
「たがが野盗ぐらいで私の居る城を居城にしようとは…愚かな奴らだ。」
余りのつまらなさに苛立ちを露わにしながら尾を振る、それだけでハンマーで殴られる様な大きな音と共に砕かれる玉座、崩れた背凭れが後ろに崩れ落ちて砕け散る。
そのまま立ち上がれば近くに転がる死体を蹴り飛ばした。
肉の潰れる音、蹴られた死体は壁に叩きつけられ、血が飛び散り美しい体を紅く彩る。それをつまらなさそうに目を細めるドラゴン。
…チッ、つまらん。
心を満たす虚無感、それに苛立ちがフツフツと湧き上がる。
これは何なのかは分からない、強者と戦えぬ事か…それとも…
…私の、つがいが……っ!!
またか!また、また下らない考えをっ…!!
「…くっ、私は!ドラゴンだ、人間の畏怖する存在っ!私は、そんな事は、断じて認めんっ!認めんぞぉぉぉぉぉ!!」
頭に浮かぶ考えを吹き飛ばすように吠えるように叫ぶ。
大気を揺るがし、城を揺らすその咆哮には怒りと僅かに悲しみが感じられた。
「はぁ…はぁ……狩りに、出るか。」
収まらぬ苛立ちと虚無感を晴らす為に玉座の間を出る。
次の獲物は、もっともっと嬲り殺してやる…
この怒りが晴れるまでな!
痛みに泣き叫ぶ姿を、楽しませてくれよ?
まだ見ぬ獲物に期待を抱きつつ、ドラゴンは嗤った。
……………………
「…どうなってやがる?仲間の死体どころかヘリの残骸すらない……どうなってんだ?」
暫く辺りを調べて回ったルイス。
しかし文字通り何一つ見つからなかった事に首を傾げた。
ヘリから落ちたのだから間違いなく何かしら痕跡か機材が落ちているはずだが、あったのは自らが落としたと思われるM635パナマカービン、それと装備品ぐら
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