「うぅーん……」
エストは、自分の体にかかる重みで目を覚ました。
「おはよう」
上方から声がかかる。
「ああ、スノーさん。おはようございます……また、ですか……」
彼はため息をついた。彼の股間に、独特の甘い刺激が広がる。
かかっていた布団は跳ね除けられ、スノーの女性器が彼の陰茎を騎乗位でくわえ込んでいた。
「だって……おなかがすいちゃって。それに、君の寝顔見てたら……むらむらしちゃって」
彼が来た日以来、彼女は彼の精液以外を食べることはなくなった。
彼女は毎朝必ず二回、寝る前に一回か二回、彼の精液を搾る。
それだけで生きていけるのが、彼には不思議で仕方がなかった。
「今日は私が君のご飯を取りにいく日だから、さっさと搾っちゃうね」
「あうぅ……そんなに腰を速く動かしたらっ、うぅっ」
「んんーっ、やっぱり一番搾りは美味しいわぁ」
「ふぅ……疲れた疲れた」
昼。エストが昼食を作っていると、ミミナが斧を肩に担ぎながら家に入ってきた。
汗をかき、顔には満足そうな笑みを浮かべている。
彼女は毎日朝から昼頃まで、家の前で薪割りをする。
「あ、ミミナさんお疲れ様です。ご飯もうすぐできますから、もうちょっと待ってくださいね」
「ん、ありがと。……悪いんだけど、マッサージしてくれるかな」
そう言うと、彼女は背中をはだけさせ、床にうつぶせになった。
「ミミナさん、今日はいつもより凝ってますね」
「んん……ちょっと張り切って割りすぎちゃったかな……んっ、そこ気持ちいいぞ」
エストは彼女の尻にまたがり、背中を押していた。
「何か、この体勢。バックみたいでちょっとエロいですね。ははは……」
彼がからかうように呟いた。
「……」
ミミナは黙ったまま、膝を曲げ、腰を持ち上げた。
「え、何やってるんですか……」
彼の質問にも答えず、ただ尻尾を左右に揺らす。
「はぁっ!はぁっ!ぐっ……がはっ」
「くふっ、あふぅっあっあっあっひぎっ……」
ミミナの腰のくびれを握り、ひたすら腰を打ち付けるエスト。
彼とミミナとの交わりで、言葉が交わされる事はない。
甘い言葉も、ロマンチックな演出も要らない。彼女の上に覆いかぶさり、ただひたすらに腰をストロークするのみ。
呼吸と喘ぎの混じった鳴き声を漏らし、獣のように交尾する。
「あっぐっ……うぅぅぅ……」
「うきゅぅぅぅあぅぅぅぅ!」
二人は折り重なり、同時に絶頂した。
「あの……一緒に、散歩に行きませんか?」
夜。エストがいつものように、スノーの夕食として精液を搾られた後。
疲れたから寝ようと思っていると、スイートに呼び止められた。
「あ、うん。今日もどこかに連れて行ってくれるの?」
彼はいつしか、彼女に敬語を使わなくなった。恋人のように接してくれる彼女の前では、格好良い男でいたいのだろうか。
彼女は、毎日彼を集落の色々な場所に連れて行く。
「エストはまだここに来たばかりですから……この集落のことをもっと知って欲しいんです」
と彼女は言うが、それは建前である。
彼女は優しく彼の手を握り、夜の森へ連れ出していく。
スイートにとって、彼と一緒に出かけるのが一番の至福の時間である。
愛するエストとのデート。
森を抜けていくと、小高い丘が見えた。
二人は、手を取り合ってそれを登って行く。
「ほら、空を見て下さい」
丘の天辺まで登ると、スイートが天を指差した。
「うわぁ……」
エストは感嘆の声を上げた。
宝石のように散りばめられた、無数の星。爛々と輝き、光が洪水のように押し寄せる感覚を覚える。
今まで生きるために、地面ばかりを見ていた彼にとって、それは未知の光景だった。
「夜空って、こんなに綺麗なんだ……」
「ふふ……ここ、私だけの、秘密のスポットなんですよ」
彼女は、彼の横顔を見つめながら言った。
「え、いいの?そんなところ、俺に教えちゃって……」
「いいんですよ。今日から私とあなたの、二人の場所ですから……」
エストの腕に自分の腕を絡ませ、スイートは彼に寄りかかった。
「だから……今日からここで、二人だけの秘密、たくさん作りませんか?」
彼の顔を見上げる。上目遣いの目が、彼の視線と交わる。
彼は小さくうなずくと、彼女の唇にキスをした。
森の瘴気と彼女達の魔力を吸い込み続けた彼は、それからしばらく経ってインキュバスとなった。
最初は日焼けのように浅黒くなった自分の肌、何度搾られても萎えないペニスなどに驚いた。
しかしすぐにそんな環境にも慣れ、三人の魔物娘と、末永く幸せで、爛れた生活を送ることになった。
[5]
戻る
[7]
TOP [9]
目次[0]
投票 [*]
感想[#]
メール登録