魔物が魔王の代替わりによって魔物娘になったことにより、最も変化した部分を挙げるとするならば、祝う心が備わったことであろう。そして、誰かを愛し愛されたいという、魔物娘最大の本能。
その二つが混ざったとき、冬の夜は我々の世界のクリスマス以上に激しく甘いものになる。
我々が図鑑世界と呼ぶこの世界には、そのままずばりクリスマスという行事は存在しない。キリストがこの世界では生を受けなかったからだ。
しかし、聖人の誕生日や記念日を祝うという習慣は存在する。
魔界の瘴気に中てられ、完全に魔物たちのものとなったこの国でも、そういった祝日が存在する。
魔王軍を率いどこそこの国を陥落させたデュラハンの将軍の誕生日。世界最初の魔物娘によるサバトが完成した日。自分たちが人を食らう魔物から、人を愛する魔物娘へと変化した日。
そして当然、魔王様の誕生日と、その夫である元勇者様の誕生日。それから二人の結婚記念日。
この国で定められている祝日をカレンダーに並べると、全ての日が真っ赤になってしまう。魔物娘たちは祝日が大好きなのだ。つまり、毎夜毎晩がクリスマスであり、聖夜なのである。
そんな魔物娘たちの、冬の夜のエトセトラ。
◆ ◆ ◆
雪が舞い、地面に積もる。それが月明かりを照らし、今夜はいつもより明るい。
「んちゅっ、んっ、はぁっ……!」
今日も祝日。街は毎日お祭り騒ぎ。大通りは毎夜屋台が出現し、大勢のカップルが往来する。
通りを挟む建物の隙間。猫の通り道のような狭い裏路地に、一組のカップルがいた。
「んんっ、うぅんっ……ぷあっ、マ、マサムネさん……」
ふさがれていた唇がようやく解放され、意味のある言葉をつむぎ出せたのは、この国では珍しい雪女である。
「はぁ……はぁっ……!お雪!もう、もう我慢ができない……」
雪女お雪の両腕を頭の上で手づかみし、もう片方の腕で腰を抱き寄せる男。彼の髪は闇よりも黒々としており、瞳は黒曜石のようにぎらついている。
二人はジパングの住人であったが、魔界漫遊をしている内にここへたどり着いたのだ。
この国は、観光客に厳しい。住んでいる人々は優しく、親切にしてくれるのだが、魔王城の魔力がそのまま流れ込んでいるのだ。
人間は一時間と経たずに魔物化し、魔物やインキュバスであっても、観光客はものの数時間で耐えられないほど欲情してしまうのである。
「ふぅっ、そん、なっ……こんなところでおっぱいを触っては……だめ、ですっ……!」
着物が彼の手により肌蹴させられ、下着を身に着けていないせいですぐに生の乳房が露出する。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
マサムネは彼女の声に耳を貸さず、己の欲望のままに彼女の乳房をなで回す。
「んくぅ……や、宿まで我慢、できないんですかぁ……?」
薄く白く息を吐きつつ、彼女が尋ねる。
彼らの当初の予定は、もうしばらく屋台を回り、こういったことは宿に入ってから、水入らずで行うつもりだった。
しかし、濃厚な魔力の影響により、そんなことはお構いなしになってしまったのである。
「ふあっ、あぁっ……そんなっ、乳首、つまんではだめ、です……」
彼の手は麓を越え、頂にさしかかった。薄く色づく乳首を、人差し指と親指の二本を使ってくりくりとこする。左右の手で、それぞれ一つずつ乳首をもてあそぶ。それによって彼女の手の拘束は解かれていたが、すでに逃げるというどころではなかった。
「あんっ、きゅぅっ、ふぅんっ!」
指の腹が一往復するたびに、ばね仕掛けのおもちゃのように、彼女の体がびくりと震える。
「はぅ、だめ、だめぇです……!」
彼女の息も荒くなり、物欲しげに腰がかくかくとうごめく。
「お雪も、もう、我慢ができてないじゃないか……」
徐々に彼の指の力が強くなり、乳首がつぶれ、伸び、引っ張られる。
「くぅぅぅ!」
じんじんと熱を伴う刺激により、彼女は意思とは関係なく背筋が反り返り、顔が天を仰いだ。
自分の指で感じているという満足感で、彼の息がさらに興奮を増す。口からは、濃く白い湯気があがる。
「お雪、ずっとしたくて仕方がなかったんだな。息の白さが薄いじゃないかっ」
何年も連れ添った夫が、妻の欲情を鋭く突く。
雪女は精が補充され、性欲が満たされるほど体温が高くなる特徴がある。逆を言えば、今彼女の息はあまり白くないということは、精が足りず、性欲がふくれあがっているということだ。
「はいっ、はいぃ……足りないんですぅ……!乳首をいじくられたけでは、全然足りないんですぅ!」
ついに、お雪は陥落した。理性を本能が凌駕し、口からは男を誘う言葉が漏れる。
「ほしい、ほしいんです!おまんこに、マサムネさんのおちんちんが、ほしいんですっ!」
快楽に震えたせいで、彼女の着物が着崩れ、生足が外気にさらされ
[3]
次へ
ページ移動[1
2 3 4 5 6 7]
[7]
TOP[0]
投票 [*]
感想