空は黒く渦巻き、生暖かい風が吹き抜ける。
濃い緑色の雑草が、腰の高さまで生えており、風になびいてざわざわと音がする。
ここは魔界。魔性の瘴気に満ち溢れ、魔物が跋扈する、性的に恐ろしい場所。
そんな所を、男がたった一人で、草を掻き分けながら歩いていた。おっぱいを求めて。
彼の名はナバリ。彼はおっぱいが好きだ。
とにかくおっぱいが大好きだ。
ふわふわ、ふかふか、ぷるぷる、むにむに。彼は大きなおっぱいが好きだ。
おっぱいの谷間に顔をうずめて、両手で思う存分もみしだくのが、彼の長年の夢であった。
だが、モテなかった。顔が特別悪いわけではなかった。
運動神経もそこそこあった。頭が悪いわけでもない。性格も悪くない。
何でもほどほどに良かった。しかし、それが災いした。
突出した特長が何もないので、彼はとにかく影が薄かったのだ。
同窓会の案内ハガキが、幹事の不手際で届かなくて参加できない。彼はそういうタイプだったのだ。
彼は考えた、とにかく大きなおっぱいを手に入れる方法を模索した。
そして、彼はついに妙案を思い付いた。
――サキュバスさんに会おう!
思い立ったら即行動。彼は村人の間で「魔界の門」と恐れられている巨石へと向かった。
村はずれの丘の上にある、柱のような細長い岩。
岩は二本並んで立っており、その間には膜のように、魔界の風景が広がっている。
彼は迷う事無く、魔界へと突っ込んで行った。
「待っててね!サキュバスのおっぱい!」
そう叫びながら。
「はいはい、帰った帰った」
ナバリは目の前にいる魔物に向かって、あっち行けのジェスチャーをした。
彼の胸に届くかというほどの身長、貧乳くびれなしの平坦なシルエット、頭には太い二本の角が生え、両手両足はふかふかの毛で覆われていた。
「なんじゃ、バフォメットであるカシーミア様が直々に来てやったというのに、何という言い草じゃ。訂正せい、謝罪せい!」
バフォメットのカシーミアは、腰に両手をあて、頬を膨らませながらぷんすかと怒った。
「いや、その、貧乳には興味ないんですけど」
ナバリはため息をついた。
――まさか、魔界で最初に出会った魔物が、よりによってこんなナイチチだなんて……
彼は心底がっかりした。
「なんじゃと……何と嘆かわしい……ロリボディの魅力が分からないとは……」
つられてカシーミアもため息をついた。
「なんつーか、もめないおっぱいって、それ最早おっぱいじゃないよね。おっぱいはもめるから正義なのであって、もめないおっぱいはぶっちゃけ存在価値ないよね。ほら、飴あげるからお子ちゃまはもうお帰り?」
哀れむような目を彼女に向け、ポケットから飴を一粒取り出し、ナバリは目の前のバフォメットに差し出した。
「ぐぬぬ……わしを愚弄しおって……せっかくわしのロリコンセンサーが反応したから来てやったというのに……」
「は?ロリコン?ここだだっ広い草原なんですけど?見渡す限り俺とお前しかいないんですけど?」
ナバリはキョロキョロと辺りを見回した。
「だから、おかしいのじゃ……今この場には、わしとおぬししかおらん。そして、わしのロリコンセンサーは百発百中じゃ……つまり、おぬしはロリコンという事になる」
彼女がビシッと彼を指差すと、しばらく奇妙な沈黙が流れた。
「……ぷぷっ……ははははは!」
それを、彼の笑い声が打ち破った。
ナバリは腹を抱え、笑い転げた。
「はっはっは!んなわけねぇじゃん!俺は生まれた時からおっぱい星人だっつぅの!ボンッキュッボンッが正義だっつぅの!」
自分の膝をバシバシ叩きながら、彼は笑い続けて言った。
「ほう……じゃあ、おぬしが本当にロリコンでないか、試してみるか?」
にやりと笑い、つつつ……と彼に近づいてきた。そして、彼の瞳を見つめると、
「ウラヤムビボウ!」
呪文を一声。それだけで、ナバリの自立的な運動神経は全て機能を失い、棒立ちのまま後ろに倒れてしまった。
「お前、何をした……!」
首をぶるぶると振り乱しながら、息も絶え絶えにナバリは叫んだ。
「なぁに、ただの金縛りの術じゃよ。上級の魔物にもなると、この程度は楽勝なのじゃよ」
ふふん、と楽しそうな声を上げながら呟く。彼女はそのまま彼のズボンに手をかけ、一気に脱がした。
「うーむ、勃っておらんの。今日の服は、特別露出の低いものなのじゃがな」
「当たり前だろ!俺はロリボディには興味ないって言ってるのに」
「ふふん、強がっていられるのも、今のうちだけじゃぞ?」
彼女は勝ち誇った笑みを崩さずに、下着を横にずらし、一気に肉壷へ萎えたままのペニスを招き入れた。
「何だ、これ。別に気持ちよくないぞ。まあ、温かいだけだな」
ナバリはため息をつきながら言った。
「ふっふっふ……はたして、わしの技を食らっても、まだそんな事を言えるかのう……」
彼女は一度舌な
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